スローライフ作品がこの先生きのこるための市場調査≪20190421時点調べ≫
一時期なろうでおっさんスローライフモノが流行った事で有名な『スローライフ』というジャンル。これがどういったモノなのかを下記にまとめてみた。
連載中の全作品:1,581作品
うち1000pt未満の底辺作品数:1,152作品
底辺作品のうち、週間ユニーク数(上位20番まで): 3,452~851人
スローライフモノの始まり:2012/01/20
数百ptの底辺作品であっても1000人程度の週間ユニークが存在するように見える。しかしながら、1000pt未満の底辺作品の新着件数上位40人までを漁ってみると、週間ユニークが1000人を超えているのは3名、残りは200未満という数値が割り出されたのである。
つまり、スローライフだからと言って読者は必ずしも見てくれるわけではない。週間ユニークが1000人を超える作品に焦点を絞ってみると、比較的あらすじが特徴的だったりするのである。
定番のチーレム最強テンプレタグであったり、性癖やオンリーワンな特徴が見える作品は比較的ユニーク数が多くなる傾向があるのだ。
特定のテンプレ要素(チーレム最強ざまぁ)を除いてユニーク数を獲得している1000pt未満の作品達の一部をご紹介しよう。
・キーワード: R15 日常 ほのぼの シリアス 和風 戦国 江戸 内政 後継者争い 仮想の戦い 豊臣秀頼 江戸初期の政治 江戸時代の女性たち
週間ユニーク数 3,452人
キーワードからでも察せる程に性癖が見える作品であることがお分かりいただけるだろう。OEDOをガッツリ書こうという気概を感じる所に読者が集まっているのかもしれない。投稿時には200人程度のユーザーが最新話を見ており、うち40人程度が新規ユーザーである。
・キーワード: R15 残酷な描写あり 異世界転移 スローライフ 駆け落ち 夫婦 ヒロイン一筋 ハーレムなし 生産職 調合 ご都合主義 主人公最強ではない ヒロイン最強 魔法
週間ユニーク数: 1,471人
純粋なスローライフモノではあるのだが、その上に10作品程チーレムモノが10個くらい並んでたりする。
・キーワード: R15 異類婚姻譚 ほのぼの ラミア ダンジョン モンスター
週間ユニーク数:1,080人
ラミアという特徴的なヒロインを全面に押し出している。ラミア自体、なろう内でも取り扱い件数は100程度しかないという超絶レア要素だったりする。投稿時には100人程度のユーザーが見に来ているようだが、新規のユーザーは20人程度となっている。
キーワード: 異世界転生 冒険 女主人公 スローライフ 転生 妖精 異世界
週間ユニーク数:1,074人
妖精さんになってスローライフするというまたニッチな路線を押し出している。純粋なスローライフモノを描こうという気概を感じる。ただ、毎日訪れているユーザーを見ると多くて30人程度だ。毎日投稿によって多数のユーザーが訪れているだけだったりする。
……後は大体チーレム最強モノだったりとその他の人気要素が入っている。即ちどういう事かと言えば、スローライフという言葉自体には大した集客効果があるわけではない。例えば、タイトルとあらすじでブームを見極めている作品ならば第一話投稿時点で500人~1000人程度新着読者がいるのだ。そう考えると少ないとさえも感じられる。
あくまでチーレム最強のバリエーションの一つという扱いでしかないのが現状だろう。
おにぎりを包む海苔、それがスローライフなのである。
以下、スローライフと作風で合同検索をかけてみた。
『ALL』
スローライフ・ほのぼの: 645作品
スローライフ・ギャグ:177作品
スローライフ・シリアス:140作品
スローライフ・ダーク: 54作品
『1000pt以上』
スローライフ・ほのぼの: 161作品(定番)
スローライフ・ギャグ: 30作品(冷えてる感じが悲しい)
スローライフ・シリアス:33作品
スローライフ・ダーク: 14作品(意外と健闘)
一応スローライフという想定通りの結果となっている。ほのぼのしている作品がそれなりの数が投稿され、ポイントを集めている事がお分かりいただけるだろう。
以下、何となく目に付いた要素で合同検索してみる。
『ALL』連載中の全作品:1,581作品
スローライフ・魔王:245作品
スローライフ・勇者:245作品
スローライフ・チート:459作品
スローライフ・ハーレム: 254作品
スローライフ・最強:275作品
魔王勇者チートハーレム最強を除く:400作品
『1000pt以上』連載中の作品:417作品
スローライフ・魔王:109作品
スローライフ・勇者:107作品
スローライフ・チート:198作品
スローライフ・ハーレム: 117作品
スローライフ・最強:167作品
魔王勇者チートハーレム最強を除く:104作品
はい、私が上で言ってた結論と大よそ相違ないようです。"完全なスローライフ"は読者は求めていないというわけです。全く起伏のない話を面白く書くのは実の所難しい、なのでチートやハーレムと言った賑やかしのないスローライフは退屈なだけなのである。
当然と言えば、当然の結果なのである。
これからスローライフを書こうという人はこの結果を踏まえてみると、より読者から評価が得られる事でしょう。
したらばなっ!
結局物語は面白く書かなくては誰も見ない。そういう事なのだろう。現実は非情なのだ。