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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
勇者のその後

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第95話 監視体制を整える




『それでレオン、これからどうするんじゃ?』


王都の宿『なにわ亭』の二階の部屋に入ると、アルがこれからの行動を質問してくる。

これからどうこの町で動くのか、気になるのだろう。


「まずは、トリニティさんが言っていた貴族の屋敷を調べます」

『確か、メイソンとか言っておったな』

「そうです………あ、ロージー?僕たちのいる王都にあるメイソンという貴族の屋敷を調べてくれるか?……うん、それで間違いないよ………。


……後、動きも監視してくれ」


僕は亜空間倉庫から、連絡用の端末を出し衛星軌道上の宇宙船『ハルマスティ』にいるロージーと連絡をしメイソンという貴族の監視をお願いする。

もちろん、上からする監視と違い超小型偵察ボールを使った、完全監視体制だ。


音は勿論、ヴィクトリアが今どんな状況なのかも探る必要があるからね。



「これで、メイソンという貴族の方は裸も同然だ」

『ふむ、まだ行動は起こさんということじゃな。ならこれからはどうするんじゃ?』

「まずは、この王都を見学する。

さらに、探索ギルドに行ってアレクとルークを探してみるかな」


探索者に奴隷としてパーティーに入っているなら、どんな扱いをされているかも確認しないとね。

ついでに、ダンジョンに挑戦するのも面白いかも……。




▽    ▽




『ロージー、今の連絡、若旦那から?』

『そうですよエリー、若旦那がいる都市の貴族を完全体制で監視してほしいとの要請です。

ですから、これからその都市にいる『メイソン』という貴族の身辺も含め完全体制で監視します』


ロージーはブリッジの下の階にある部屋に移動する。

ここは、索敵や監視を主にするための機材が整っており、宇宙の運輸業務をする上で欠かせない設置部屋となっている。


宇宙空間は何があるか分からないため、全空間を索敵したりして安全を確保して運輸業務に当たらなければならない。

それを可能とするシステムは、たとえ零細企業といえど持っていなければおかしいものなのだ。



『……青い星全体に索敵をしているものはそのままに、使っていないシステムを使います。

……エリー、ついてきたなら手伝いなさい』

『は~い、完全監視のためのカプセルを投下しま~す』


このカプセルは大気圏を突破後、地面に落ちて中身の超小型偵察ボールが無数に標的の周りを監視していくことになる。

超小型偵察ボールの大きさは、1ミリ以下なので監視人物の周りに付着すれば、気づかれることはまずない。




『超小型偵察ボール、標的の周辺への定着を確認しました~』

『では、完全監視スタート!』




▽    ▽




宿を出て、王都をあちこち歩いていると宝石商の前にやってきた。


『ふむ、今回はどうするんじゃ?』

「王都に何日か滞在するからね、必要になると思うから換金していこう」

『では、入るかの……』



「いらっしゃいませ、宝石商『ドーレン』へようこそ」


店の中に入ると、少し照明を落とした店内で従業員は先ほど声をかけた男性一人だけだった。

でも、この店の制服をビシッと着こなすイケメンだ。


「すみません、宝石の換金ってしていますか?」

「はいお客様、当店では換金もしておりますよ」


笑顔がまぶしいイケメンだね~。

でも換金もしているようだし、前売ろうと用意していた宝石を売ってしまうか。


僕は、懐から出したように亜空間倉庫から宝石の入った袋を取り出す。

無論、懐に入る程度の宝石だからそんなに多くはない。


「この袋の中の宝石を換金してください」

「では、拝見しますね……」


僕から袋を受け取り、丁寧に応対して袋を開け中の宝石を鑑定していく。

一つ一つ丁寧に鑑定士、値段を算出していく。



「ふんふん、なるほど………では、この宝石の出自を聞かせてもらえますか?」

「出自って、どうやってこの宝石を手に入れたか、ですか?」

「はい、盗難品は扱えませんのでお聞きしているんです」


「それは、去年の盗賊討伐の報酬の残りなんです」

「盗賊討伐、ですか?」

「ええ、去年の今頃、村に盗賊が出ましてね、僕の兄が冒険者をしていまして、村を襲った盗賊を退治してくれたんです。

で、その退治した盗賊のアジトにあった宝石を分配した時に、僕にくれたのがそれです」


「なるほど、それでこの量というわけですか」

「はい」


……すっごく嘘くさいから、従業員の人も考え込んでいるな。

でもまあ、盗んだ物でもないし、ましてや足がつくような物でもない。


……どうやら、信用して換金してくれるようだ。


「……では、この宝石全部で、金貨1240枚となりますがよろしいですか?」

「はい、それでお願いします」


従業員さんは、宝石の入っていた袋に金貨を積めて、返してくれた。

宝石は盗難品じゃないし、大丈夫ですよ。



「ありがとうございました~」


僕とアルは、お金を受け取ると従業員に挨拶をして店を出てきた。

お金の入った袋を亜空間倉庫にしまうと、懐からピピッと音がする。


「お、完全監視がスタートしたよ」

『すぐに宿に戻って、いろいろ確かめんとの』

「そうだね」


通信端末に入った連絡を、アルと一緒に確認して僕たちは宿に戻ることにした。

貴族の屋敷に掴まっているであろうヴィクトリアを探すために……。







第95話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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