表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
青い星を発見して
9/181

第9話 地上へ降りてみよう




宇宙歴4261年10月8日、この日ようやく提出用の資料がまとまった。

惑星一つを管理するために申請するのってホント面倒だよね。もっと簡単にできればいいんだけど、それをすると犯罪に利用されて苦しむ人が出てくる。


それを防ぐためにも複雑化しているんだと、中央の人達から言われそうだ。

だけど、本当はただ昔からしていたことを変えたくないだけなんだろうな……。


それはそうと、この惑星の資料をまとめていて分かったことだけど、この惑星のあらゆることが前回発見管理されている『魔素』を含んだ惑星と似ていることが分かった。


「似ているどころか、そっくりそのままってやつだったな……」


星の在り様から月が2つある事、知的生命体の種類にいたるまで全く同じだった。

ただ、大陸の形や生命体の国の在り方や位置など細かいとこは違っていたから違う惑星なんだということは確認が取れた。



『そういえば、3例目だったんですね『魔素』を含んだ惑星の発見って』

「らしいねロージー、そこは僕も驚いたよ」


『若旦那が驚くって、どこに驚いたんですか?』

「この宇宙に魔法が使える惑星が、3つもある事にかな。

それと、そんな惑星の発見が世間の話題にならなかったことか……」


『でも、最初に発見された時は大騒ぎだったみたいですね。

取り寄せた資料の中に、当時の記事とか添付されていましたから読ませてもらいましたけど……』


「ああ、僕も読んだ。確かに大騒ぎだったみたいでその惑星へ人々が押し寄せたとかあったね」


おそらく、この押し寄せた人たちは魔法を使ってみたかったんだろうね。

だが、その惑星で生まれ育たなければ魔法が使えない。そのことが分かると人々の熱が冷めたように、その後話題にもならなかったとか。


そして、再びの魔素を含んだ惑星の発見。

前回と同じく魔法が使えないと分かると、興味すら失って他の管理惑星と同じように扱われたとか。


そう言えば、今はどうなっているのか問い合わせると放置されているそうだ。

500年たっても生命体たちの暮らしぶりは変わらなかったため、管理している側も興味を失ったらしい。


「管理権利を譲渡しようかと言われた時は驚いたね……」

『おそらく、相手側も何も利益を生まないその惑星を手放したかったのかもしれませんね……』


「僕は歓迎だけど、今は目の前の惑星に集中したいね」

『新たな発見があるかもしれませんしね……』


新しい発見、そのことによって他の2つの惑星の価値が跳ね上がるかもね。


「とにかく、地上に降りる準備は終わった。

ロージー、エリー、アシュリー、シンシア、オリビア、では行ってきます!」


『『『『『行ってらっしゃいませ!』』』』』


そう、今日僕は惑星の地上に拠点を造るために地上に降りるのだ。

しかも僕一人で………というわけにもいかず護衛のロボット1体をお供に行くことになった。


ロージーたちは宇宙港付きコロニー『楽園』の管理をしないといけないし、惑星周辺の調査も必要ということで全員残ることに。


僕たちの乗っていた宇宙船『ハルマスティ』は、ここに来てようやく修理修復が終了。

ロボットたちを使って修理修復をしていたが、一度ドックに入れてみた方がいいということになり、僕の亜空間ドックに収納され修理修復をおこなった。


その修理修復が漸く終わり、宇宙港に出現させてドッキングさせておくことに。



あと調べなければいけないのは、目の前の惑星の呼び名とかだ。

あの惑星に住む知的生命体がいる場合は、その生命体によって呼ばれている名前が採用されたりする。

そのことを調べるため、拠点作りと並行して暇な僕が調べに行くことに。


……ただ単に降りてみたかったという好奇心からなのは内緒だが。


とにかく、大気圏突入用シャトルに乗り、いざ地上へ……




▽    ▽




目立たないように惑星の夜の部分に降りたシャトルは、重力制御をしっかりと行い地上にスムーズに降り立った。


シャトルのドアを開き、夜の地上に降り立つ。

そこは真っ暗な草原だった、シャトルの機械音と僕の息遣い以外何も聞こえない空間。

新鮮な体験だけど、何も見えないのでは何かあった時に対処できないということで朝までシャトルの中で待つことに。


「それじゃあアル、何かあったら起こしてくれ」

『分かりました、マスター』


護衛のアルに声をかけてから、僕はシャトル内のベッドで就寝。

朝まで夢の中というわけだ。


ところで、僕の護衛としてついて来てくれたロボット『アル』はただのロボットではない。

本当はアンドロイドの誰かをつけるところを、人手が足りないということで急遽製造されたロボットなのだ。


そのため、僕とのコミュニケーションができないのは不自然だということで簡易版の人工知能を搭載している。

いわば、アルは簡易版アンドロイドというわけだ。


それと、アルの見た目は6歳の僕に合わせて初老のおじいちゃんという見た目にしてある。

ロージー曰く、旅をする行商のおじいちゃんとその孫といったところだそうだ。

何その細かい設定は……。



夜が明ければ、ここから近い町へ行き情報収集をしていく。この惑星で何かが起きるかもと期待している自分がいることに僕自身驚いているところだ。


「これはあれだな、小説なんかである遠足などの楽しみなことの前日ってやつだ……」


興奮しっぱなしで、眠れやしない……。








第9話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ