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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
続・青い星の拠点

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第79話 荷検め




夜の街道をこれ以上は暗くて移動できないところで、休息となった。


港町から浜辺まで結構な距離があったようだ。

きたときは、すぐについた感じだったが、気分が高揚していて気付かなかったのだろう。

奴隷たちは、馬車の中で布団をひいて横になって寝ている。


所謂雑魚寝状態だが、奴隷商でも同じようだったとかで貴族の奴隷も同じように寝ていた。



馬車の外では、僕とアルが火の番をしている。

周囲の警戒は、クレアかソフィアにお任せだ。僕とアルは魔法が使えないので、周辺の察知ができないのだ。


「ご主人様、先頭の家族奴隷の方たちには今後のこと、話しておきました」

「島の町のことだね?どうだった?」


「みんな、快く賛同してくれましたよ。

中には、自分の住む家が持てるとか喜んでました」

『孤児院を継ぐことも、賛成してくれたしの』


「それはよかった、子供たちも暮らしていけるだろうね」


以前の子供奴隷を購入した時に造った孤児院は、管理者が引退しそうなんだよね。

どうにかしないとってセーラが、悩んでいたから、これで解決できるだろう。



あの町は、最終的には僕の手を離れて、セーラたちに任せたいからね。

僕たちは、宇宙から見守るぐらいでちょうどいいんだよ……。




次の日の朝、奴隷を含め皆で朝食を食べ終えてから再び出発、街道をゆっくり進んでいく。

今日は、目的地の浜辺まで行って船に乗り換え島の町まで行く予定だ。


しばらく進むと、後方から馬がすごい勢いで走ってくる。

しかも一頭ではなく、数えると六頭もいる。

これは、いやな予感がするな……。



そして、六頭の馬は馬車の進行方向に回り込むと、乗っていた騎士が大声を上げて叫ぶ。


「止まれー!止まれー!荷検めである!止まれー!」


荷検め?何か違法なものでも積んでいたかな?

そう思いながら、僕は馬車を降りて合図を出し馬車を止めた。


そして、前方に出て、馬を降りた騎士の前に出る。


「あの、荷検めとはどういうことでしょうか?」

「子供では話ならん、責任者を出せ!この馬車の持ち主をな!」

「持ち主は僕ですが?」


そう言うと、騎士たちはいっせいに笑い出す。

まあ、普通は信じないよね。


そこで、アルが騎士たちの前に出て説明をする。


「何と、本当にこんな子供がこの馬車の持ち主だというのか……」

「ヘンリー隊長、子供が持ち主なら、ちょっと脅せば言うことを聞くのでは?」

「ふむ、まあ、子供が持ち主だろうと容赦はせぬがな……」


「それで、何の荷検めでしょうか?」


「奴隷だ!どうやら奴隷と偽って犯罪者を町から連れ出したものがいるとのことだ!

そのことを調べるため、荷検めをおこなう!」


犯罪者?牢破りでも起きたのかな?

ヘンリー隊長は、他の騎士に合図を送ると馬車の中を検めいく。


「それで、その犯罪者というのは?」

「元帝国の皇女、ジャスミンとシャロットだ。

この両名は奴隷として売られたが、すぐにとらえて絞首台に送らねばならん!」


……この騎士たちは、ジャスミンとシャロット目当てか。

ということは、二人を狙っていた貴族か復讐者の類かな?


まあ、僕がそんなことはさせないけどね。


「いたぞ!後ろの馬車に乗っている!」

「よし!引き釣り出せ!」


僕はすぐに、アルに合図を出して後方の馬車に走る。

僕が走り出してからすぐに、前方の騎士たちがくぐもった声を出して倒れた。


「グッグゥゥ…」

「な、何を…」

「貴様!何をしている!」


あるが騎士2人を攻撃し、気絶させたところに馬車を調べていた騎士が気付き腰の剣を抜いてアルに襲いかかった。



また、後方の馬車には騎士が三人いて、一人が荷台へ上がろうとしていたところを僕は横からエルボーでわき腹を殴り倒す!


「グハッ!」

「な、何だこのガキは!」

「俺たちに歯向かうのか!」


殴られた騎士は地面に倒され、脇を押さえてうずくまっている。

一方、他の二人の騎士は腰の剣を抜き僕に襲い掛かってきた。


しかし、身体強化してある僕に勝てるはずもなく、最初に襲い掛かってきた騎士は顎を殴られ気絶。

次に襲い掛かってきた騎士は、腹を思いっきり殴られ悶絶する。


「ガブ……そ、そんな、バカな……」


その様子を馬車の中から見ていたジャスミンとシャロット、それに彼女たちをかばおうとしていた勇者さんが、目を丸くして驚いている。


「まったく、いいがかりも甚だしい。ジャスミンとシャロットが犯罪者などと」

「き、貴様ら……この、ままで……済むと、思う、なよ……」



僕は騎士たちを無視して、馬車を出発させる。

目的地の浜辺まで、もうすぐの位置にいるのだ。後は、船を出し皆を乗せて空の上である。




悶絶している騎士たちが見えなくなったところで、勇者さんが話しかけてきた。


「ねえ、あれでよかったの?」

「これから行く島は、ほとんど知られていない島なんですよ。

大陸のどこかに行くより、安全に暮らせますよ。


それに、もしこの地上に行く当てなどないとしても、宇宙にはコロニー『楽園』があります。そこで暮らすことだってできますから、安心してください」


「そういえば、あなたたちは宇宙人だったわね……」

「ええ、この星の外側の人間ですからね」

「……ねぇ、宇宙のこと教えてくれない?」


「いいですよ、どんなことが知りたいんですか?」

「そうねぇ、まずは……」







第79話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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