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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
続・青い星の拠点

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第75話 オークション最終日 女奴隷




『エントリーナンバー27、シャロット・エル・リュコードは『222』の番号札の方が、金貨100枚で落札です!』


ステージ上の司会者のコールで、会場の人達はようやく競りが終わっていることに気付いた。

だが、文句をいう者はいない。

それは、シャロットのあの姿を目の当たりにしているからだ……。



シャロットは、左頬に切り傷、そして右頬から右耳の辺りに火傷を負っていた。

耳の周りの髪の毛はほとんど無くなっており、右側の髪が全体的に少なくなっている。


さらに、今は首から下は平民の服で隠してあるが首筋から見える火傷の後を見るに、体にも火傷を負わされているのだろう。


ステージから退去するにも、職員の手を借りなければまともに歩くことすらできないとなれば、足にも火傷か怪我を負っていることになる。

襲った連中は、よほど今は亡き帝国に恨みを持っていたのだろう……。



『レオン、あれは治りそうかの?』

「僕たちなら治療は可能だろうね。でも、問題は彼女の心の方だよ」


『となれば、姉のジャスミンを購入したのが良かったということじゃな』

「それだけで、どうにかなるものでもないと思うけど、支えにはなるよね……」


ほんと、彼女に何かしたところでどうなるってわけでもないのに……。

でも、何かして気持ちの整理をしたかった?

………ジレンマだね。




『それでは続きまして、エントリーナンバー28、メラニー、18歳。

彼女は見てわかるとおり、犬人族の娘でございます!


容姿も優れ、獣人特有の身体能力も折り紙付き!

金貨100枚からのスタートです!』


……ようやく普通の女奴隷オークションが始まったなって感じだ。

ここまでの出品奴隷が、インパクトありすぎだよ……。



『この娘は買わんのか?レオン』

「う~ん、獣人の購入なら、家族奴隷と子供奴隷に何人かいたからね」


『それで、間に合っておるというわけか?』

「そうだね。それに、彼女は助けてほしくなさそうに思えるんだよ」


『ん~、儂にはよくわからんのう』



『エントリーナンバー28、メラニーは『55』の番号札の方が、金貨2400枚で落札です!』


どうやら、目当ての人物が落札したようだ。

あからさまに、ホッとしている。


『なるほどのう、初めから購入相手がいたようじゃな』

「金額が上がるうちに、顔色が変わっていたけど大丈夫だったようだね」





こうして、どんどんと女奴隷のオークションがおこなわれていく。

その間、僕もいかにも訳ありな仮面をかぶった女奴隷を競り落としたり、普通に冒険者から借金奴隷に落ちた女奴隷を競り落としたりとしていた。



「レオン、あの仮面の下が楽しみじゃな」

「ソフィア、訳ありで仮面をつけているんだから無理に見るのは禁止だよ」

「残念じゃのう……ん?」


ソフィアが何かの気配を感じたみたいだ、ステージに注目している。


「ステージが、どうかしたの?」

「いや、同族の気配がしたんでな……」


同族って、ソフィアはエンシェントドラゴン。

となれば、次にステージに上げられるのはエンシェントドラゴンということになるけど?



『お待たせいたしました!

エントリーナンバー35、セレニティー、年齢は秘密!

実はこの奴隷、人族の女の姿をしていますが元はドラゴンでございます!


『人化』というスキルを使って、今の姿をしているのだとか!

皆様のご承知の通り、ドラゴンは気まぐれで人の姿で町に来ては人の生活を体験して帰っていくいわば風来坊!


ただ、人化したドラゴンが訪れた町には多額のお金が舞い込むといわれております。

今回は、その人化したドラゴンがある人物と酒飲み勝負をして負けたため奴隷になったそうです。


……さあ、人化したドラゴンを手に入れ金持ちになるチャンスでございます!

金貨1000枚からスタートいたします!』



何だ、このくだらない理由での奴隷落ちは。

でも、人化ドラゴンはお金を舞い込む……。


そう考えた時、僕は横にいるクレアの隣のソフィアを見てしまった。


「……レオン、あのドラゴン競り落とせんか?」

「えっと、ソフィアが気になるなら競りに参加してみるよ」


しかし、すごい勢いで金額が上昇している。


『金貨4100枚!4100枚!

おっと、今『222』の番号札の方が参戦しました!金貨4200枚!4200枚!

金貨4300枚!4300枚!金貨4400枚!……でないか?4400枚でないか?!


エントリーナンバー35、セレニティーは『222』の番号札の方が金貨4400枚で落札です!』


ふう、何とか競り落とせた……。

だけど、また大きな出費だな~。



「レオンよ、礼を言うぞ。競り落としてくれて、ありがとうよ」

「ソフィアが気になるドラゴンなんでしょ?」

「……まあ、な……」




『では、どんどんまいりましょう!

エントリーナンバー36、ナオミ・サカミヤ、17歳。

この人物の噂を聞きつけて、このオークションに参加した方もいるのではないでしょうか!


今回のダンジョン魔王討伐の立役者、異世界から召喚された勇者ナオミが、このオークションに出品されるとの噂は真実でございます!


勇者を召喚した国の裏切りで、勇者とその仲間はそれぞれ奴隷に落とされあちこちのオークションに出品されました!

この勇者ナオミで、最後でございます!


では、金貨1000枚からのスタートです!』



……あの昔の小説にあった勇者召喚が、実在しているなんて……。

そして、それで呼ばれた勇者が目の前に……。


あの顔は日本人の顔だ……。

何か、見ていて痛々しいな……。

競りは始まっているし、タイミングを見計らって参加するか。


ていうか、参加するしかないだろう!








第75話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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