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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
続・青い星の拠点

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第72話 オークション2日目 借金




奴隷オークションは、ようやく男奴隷が終わり一階席の客が待っていた女奴隷に移っていった。


『さあ、お待たせいたしました!ここからは女奴隷となります!

早速行きましょう、エントリーナンバー34、サマンサ、15歳。

先月成人したばかりですが、母親の残した借金のために奴隷となりました。


今だ、どう成長するか分かりませんが母親より手ほどきを受けた錬金術の才能があるかもしれません。

では、借金を合わせた金額、金貨3000枚からのスタートです!』


『何っ!』

『15の小娘が、金貨3000だと!!』


参加者の中から、すごい文句が出ているよ。

でも、金貨3000枚は払える額ではないだろうに……。


いくら親の借金だとしても、子供に背負わせるには重すぎる。



あ~あ、ステージの司会者も困っているな……。


『で、どうするんじゃ?司会者がこっちをチラチラ見とるようじゃが……』

「僕に、何でも押し付けないでほしいな~」


そう言いつつ、僕は札を上げた。


『おおっ!『222』の番号札が上がりました!

他はありませんか?!ありませんね?

エントリーナンバー34、サマンサは『222』の番号札の方が金貨3000枚で落札!』



落札すると、ステージのサマンサは僕にお辞儀をしてお礼を言っているようだ。

司会者の人も、ホッとしているようだし……。


しかし、大きな出費だよな……。



「アル、これはオークションの後か明日朝一でまた資金調達しないとダメだね」

『ふむ、どうも借金奴隷の駆け込み寺みたいになっているのう』


「最後は僕が買い取ってくれる、みたいな?」

『ふむ……』

「お金を用意するのも、大変なんだけどね~」


宇宙海賊には困らないけど、その宇宙海賊がお宝を持っているかどうかは別問題なんだよね。

今度は、青い星の盗賊でお宝回収してみようかな……。




『さあ、どんどんまいりましょう!

エントリーナンバー35、ジャスミン・エル・リュコード、18歳。

1年前、西の大陸にあるリュコード帝国が滅びました。


60年戦争といわれたあの戦争です。

始めは南にある小国を相手に、戦争を始めたようですがすぐに大陸全土を巻き込む戦争となり、最終的に最初に戦争を引き起こした帝国が敗れるということで決着。


皇帝以下皇族のほとんどは処刑されましたが、2人だけ見せしめのために生かして奴隷になりました。

そのうちの1人が、このジャスミン・エル・リュコードでございます!


それと、もう1人のジャスミンの妹は、明日のオークションに出品予定です!』


『『『おお!!』』』

『地獄へ落ちろ!リュコード一族!』

『早く始めろ!惨めに性奴隷に落ちるところを見せてくれ!』


……なんだか、すごい恨みを買っているようだな。

ステージ上の女性は、凛として背筋を伸ばして覚悟を決めているようだ。


『レオン、分かっていると思うが……』

「手を出すなってこと?」

『あれだけ恨みを買っとるんじゃ、帰るときは襲撃を覚悟せにゃならんぞ?』


その言い方だと、競り落とせって言っているようなものだよアル。



『では、金貨100枚からスタートです!』


スタートの合図とともに、どんどん金額が上昇し1分経たずに金貨2000枚に到達。

2000枚を超えたあたりから勢いは弱まるものの、さらに上昇し、ついに金貨4000枚に到達した。


『金貨4000枚!ついに最高額の金貨4000枚になりました!

さあ、もうないか?もうないか?!』


僕は、すっと番号札を上げる。



『おっと!『222』の番号札が上がった!参戦だ!

金貨4100枚!4100枚!金貨4200枚!4200枚!金貨4300枚!どうだ?ダメか?

…………ダメだ~!!


ここで決着!

エントリーナンバー35、ジャスミン・エル・リュコードは金貨4300枚で『222』の番号札の方が落札!!』



……とんでもない出費だよ、アル。

隣のアルを見ると、満足そうに笑顔で頷いているし……。


これは絶対後で、金策に走らないといけないな……。




『さあ、続いてはエントリーナンバー36、カミラ、16歳。

……先ほどの奴隷が尾を引いているようですが、ステージ上はすでに次の奴隷の紹介です。

気に入らないことがあるのでしたら、オークションが終了してからお願いします!


では、紹介に戻ります。

このカミラは、出自などが不明で街道を一人歩いていたところを保護され孤児院に送られました。

しかし、孤児院に馴染めず、仕事もろくにできず、そのまま奴隷落ちしました。


では、金貨100枚からスタートです!』



……うん、まったく札が上がらないね。

この前のジャスミンが尾を引いているのと、何もできない奴隷を購入する気はない!

そんなところだろう。


僕はため息を吐きながら、そっと札を上げる。


『『222』の番号札が上がりました!よって、金貨100枚で『222』の番号札の方の落札です!』



どうしよう、本当に駆け込み寺的になっている……。







『さあ、本日のオークション最後の商品です!

エントリーナンバー42、マデリーン・アンバー、17歳。

マデリーンは、この国の貴族の隠し子で母親の浮気で生まれました。


父親はその貴族ではなく、どこかの冒険者だということらしいです。

母親はこのことを隠し、貴族の父親との間にできた子だと偽り処刑されました。

マデリーンも処刑されるはずでしたが、父親の冒険者によって救われ育てられました。


ですが、その父親の冒険者も依頼の最中に魔物に襲撃を受け死亡。

依頼の失敗の違約金のため奴隷になったそうです。


見ての通り、彼女はスタイルはよく父親に手ほどきを受け冒険者としての技術は一通りできるようです。

では、借金も合わせて金貨2000枚からスタートです!』



『『またかよ!』』

『子供に借金なんて背負わすんじゃねぇよ!』


……また来たよ、駆け込み寺案件が。

でも、彼女の容姿で下の階の貴族が札を上げているようだ。


これなら僕が札を上げなくても……って、司会者が僕をチラチラ見てる!

ステージのマデリーンは、札を上げている人を見て、あからさまに顔を歪ませている。



……僕、大金持ちじゃないんだけどな~。

そんなことを思いながら、札を上げました……。








第72話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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