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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
青い星を発見して
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第7話 亜空間倉庫




惑星『ホーネ』へ運ぶはずだった荷物を確認して、ロージーとともにブリッジに戻ってくるとシンシアとオリビアが待っていた。


「どうしたの? 2人して待っているなんて……」


すると、シンシアとオリビアは笑顔になりあるものを見せてくれた。

それは、目の前の青い惑星の地上の地図だ。


『衛星軌道上にいくつか衛星を飛ばして、地上の地図を作ってみました』

『それと、知的生命体の存在も確認しました。若の予想通り、この星には知的生命体が複数存在するようです』


シンシアが地図の報告を、オリビアが知的生命体の発見の報告をしてくれる。

やっぱり、この星には人類と同じような知的生命体が存在したんだな……。


「この星の詳しいデータとかはどう?」

『それは今計算中です、何かおかしな成分が検出されたみたいで……』

「おかしな成分か……。とにかく、引き続き調べてあとで報告を」

『了解です』


シンシアには、あの青い星の全体を調べてもらっている。

いずれ、オリビアの調べている部分も合わせることになるだろう。


「オリビア、知的生命体の姿なんかは分かったの?」

『それが複数いるみたいなんですよ、若』

「複数?」


『はい、地球人型が基本なのは間違いありません。それは確認しました。

ですが、そこからいろいろなバリエーションが見つかったのです』


「……どういうことかな?」

『さっぱりわかりません。なので、一つ一つ型を調べてから報告します』


基本は地球人型の人間なのに、バリエーションがある?

……もしかして、この星って………。




『そういえば若、貨物室に積まれていた荷物は何だったんですか?』

『それ、私も気になっていたんです』


惑星『ホーネ』に運ぶはずだった荷物か。しかし、『ホーネ』ってなぜあんなものを注文したんだろう。確かあの宙域は行き止まりって言われていたよな……。


僕が荷物のことを連想しながら考え込んでいると、ロージーが僕の代わりに答えてくれた。


『貨物室の荷は、宇宙港付きコロニー組み立てキッドよ』


『はい? 何よその組み立てキッドって……』

『いや、それよりも宇宙港付きコロニーの方が引っ掛かるところでしょ?』


宇宙港を地上ではなく衛星軌道上に造る場合、まず、宇宙ステーションを建設しそこに宇宙港を併設させるのが一般的だ。

そして、宇宙ステーションと地上の施設を軌道エレベーターなどで繋げて完成となる。


また、宇宙ステーションにドーナツ型のコロニーを併設するものもあるが、それだと宇宙港がせまくなる可能性があるためコロニーを造るところは少ない。


惑星『ホーネ』は地上にではなく衛星軌道上に宇宙港が欲しかったのかな?



『それで若、その宇宙港付きコロニー組み立てキッドは?』

「僕の亜空間ドックに突っ込んで組み立て中だよ」


『……若、前々から聞こう聞こうと思っていたんですが、若の亜空間はどうなっているんですか?』

「ん? どうってどういうこと?」


僕はロージーに助け舟を求める。

すると、ため息一つとともに説明してくれた。


『若旦那の亜空間ドックは、一般の人が持っている亜空間倉庫の改造版ですよね?

普通、亜空間倉庫は大きさがコンテナ1台分から体育館のような広い倉庫までです。

若旦那のように、亜空間倉庫に宇宙戦艦の造船ドックなどを造ることなんてできません。


まして、複数の戦艦を造れるドックなんて非常識ですよ?』



何か僕が、非常識な人間だと思われているように聞こえるよ?

でも、確かに父さんたちが持っている亜空間倉庫はコンテナ1台分くらいだったな……。

アンドロイドが持っている亜空間倉庫も、コンテナ1台分だし。


ん~、これはたぶん亜空間倉庫を想像した時の姿によるものじゃないかな?


僕たち宇宙に出た地球人が手に入れた力、それは発見した亜空間を利用できることだった。

亜空間を利用することで、通信距離が飛躍的に伸びたし、移動距離も伸びた。


そして、一番の利点が倉庫に使うことができたことだ。


ファンタジーでいうところの『アイテムボックス』であろうか。

もちろん今はある装置を取り付けることで、時間を停止させることも可能なのだ。

……だが、その装置は高い。


そのため、うちは時間停止の無い『アイテムボックス』となったが……。



亜空間倉庫を造るには、それ専用の道具がある。

それは、ドアの形をしていて、どんな大きさの倉庫がほしいかを明確にイメージしてドアを開けると亜空間に自分専用の倉庫が完成というわけだ。


僕が亜空間倉庫の存在を知ったのは3歳のころ。

母さんが何もない空間に手を突っ込んで物を取り出した光景を見た時だ。あれには興奮したね。


その後、父さんにお願いして専用の道具を使い亜空間倉庫を造ったんだ。

その時諸注意とかを父さんから聞いたような記憶はあるが、何分あの時は興奮していて聞いてなかったんだろうな。


僕の亜空間倉庫を見て両親ともに、顔を引きつらせていたし……。


ああ、亜空間倉庫は自分専用とはいえ他の人が中に入ることができる。ここが『アイテムボックス』との違いだろう。

生き物を入れておくこともできるしね。


僕の亜空間倉庫は広すぎるため、改造して造船ドックや倉庫などを造って対宇宙海賊用の戦闘艦をしまってあるのだ。

他にもいろいろと、倉庫にあるがいずれ紹介する時が来るのかも……。








第7話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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