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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
続・青い星の拠点

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第69話 オークション1日目 孤児院




その話を聞いたのは、2年ぶりに故郷の町を訪れた時だ。

俺の生まれ故郷の町についてすぐに大事な家に行くと、そこは更地になっていた。


近所の人に話を聞きまわると、どうやら借金のためにここにあった孤児院の経営者である夫婦が奴隷になったとか。

さらに、成人してない子供は他の孤児院に回されたとか聞いた。


だが、調べてみるとどうやら子供たちも借金の返済のため奴隷になったらしい。


俺はこの孤児院出身の冒険者だ。

他にも、この孤児院の出身者はいる。

だから、皆の力を集めて経営者の夫婦と子供たちを買い戻そうと考えた。


だが、夫婦と子供たちは、港町カルローでおこなわれる奴隷オークションに出品されるらしい。

夫婦と子供たちを買い取った奴隷商が、欲を出したんだ。



だが、せっかくみんなから集めたお金を無駄にしない!

俺は、カルローのオークションに参加し夫婦と子供たちを買い戻すことに全力を挙げた。


……結果は、惨敗だった。


目的の夫婦と子供たちは一日目のオークションに出品された。

これ幸いと、オークションに参加するも誰一人として購入できなかった。

222の番号札を持っている子供に負けるなんて……。


……いや、チャンスがまだないわけじゃあない。

相手は子供と隣に座っている保護者の老人だ。

訳を言えば、もしかしたら買い戻せるかもしれない。


チャンスは、オークションが終わった後だ………。




▽    ▽




『はい、エントリーナンバー40、ニルパ 24歳は、金貨110枚で『222』の番号札の方が落札です!』


……これで、5人連続で落札してしまった。

目立ってはいるが、どうも会場の購入女性の年齢制限は20歳以下みたいだ。


でも、主催者側も悪いといえる。

ここまで、出してきた女性奴隷は20歳以上ばかりなのだから。

ん~、僕が購入しているから後から出そうとしたのを今出しているってところか?



でも、いい加減若い女性を出さないと、下の会場の人たちがうるさそうだ……。



『今宵1日目はあと3人となりました!

続きましてエントリーナンバー41、ティリアリア 17歳。

皆様お待たせしました、彼女の耳をご覧いただければわかると思いますが、彼女はハーフエルフとなります。


残念ながら、エルフの奴隷売買は国により禁止されておりますが、ハーフエルフは禁止されておりません!さぁ、金貨100枚からのスタートです!』


ファンタジーの定番、ハーフエルフの登場か……。


『しかしすごいのう、瞬く間に金貨1000枚を超えおったぞ?』

「……どうやら、下の貴族か王族が頑張っているみたいだ」


この競りに、僕は参加していない。

いい加減、目立つ行動は控えた方がいいのと下で頑張っている人たちの邪魔はしたくなかった。


『金貨2400枚で『5』の番号札の方が落札です!』


……金貨2400枚って、どんだけ競っていたんだよ……。

しかも、相手も同じ金額だろうし、貴族とか王族ってすごいね~



『さて、続きまして、エントリーナンバー42、ユリナ、16歳。

この歳まで孤児院で手伝いをしていましたが、孤児院の借金のために奴隷になりこのオークションに出品されました。


孤児院唯一の成人女性でしたので、こちらに出させてもらいました。

特技などはありませんが、しつければそれなりになるかと。

では、金貨100枚からスタートです!』


孤児院の関係者か。

家族奴隷、子供奴隷で確か同じように孤児院出身とかで出品していたね。



『どうするのじゃ?この娘、購入するのか?』

「後あとね、今競っても上がるだけだからね」

『レオンは、オークション慣れしてきてないかの?』


どうだろうね~。

でも、下の人たちが競っているうちは参加しても上がるだけ。



……そろそろかな。


『おお!金貨1400枚で、『222』の番号札の方が参加しました!

さあ、金貨1500枚!1500! 1600!1600! 1700!もう駄目か?もう駄目!


エントリーナンバー41、ユリナは金貨1700枚で『222』の番号札の方が落札!』


『『『おお~』』』


会場が、何やら盛り上がっているようだ。

とりあえず、落札できてよかった。


……みんなそろっていた方がいいだろうからね。



『さぁ、今宵一日目、最後の紹介です!

エントリーナンバー42、ローズ・エレクバル、17歳。

隣国『ゲルデコーブ』の第二王女様です!


入手経路は奴隷商からも固く口留めされているため明かせませんが、合法的にこの場にいることだけは確かです!

彼女を落札して、自分の奴隷としたとしても隣国は何も関与しないとお墨付きをもらってあります。


つまり、彼女は見捨てられた、ということです!』


この時、ステージの上の彼女の目から涙が零れ落ちた。

……ような気がした。



『では、金貨100枚からスタートです!』



………見捨てられた第二王女様か。

隣の国の王様も、すごいことするよな。

う~ん、セーラの友達として購入してみるかな?


『金貨2500枚!2500、2600!ここで『222』の番号札の方が参戦!さあもうないか?!

金貨2700!2700!2700!金貨2800!2800!……さあ他にないか?ダメ?ダメ~!


金貨2800枚で『222』の番号札の方が落札!おめでとうございます!』



ようやく競り落とせたか……。

でも初日から、かなり使っちゃったかな。



『参加者の皆様、お疲れ様でございました。

明日も今日と同じ時間に始まりますので、受付でカードを提示してご来場ください。


では、また明日……』


42の札をもらい、今日いくら使ったか思い出しながら計算していると、若い男が訪ねてきた。

恰好から見て、冒険者だろう……。









第69話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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