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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
緑の星の戦争

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第59話 天空要塞のなりたち




「申し訳ありません皆様、このような手荒な真似をして」


僕たちの目の前で、玉座から立ち上がり頭を下げる女性がいる。

この天空要塞の主であるアリシア様だ。


「ですが、皆様をあのまま地上の国の王たちに会わせるわけにはいかないのです」


ここは天空要塞の謁見の間に当たる場所で、玉座とその後ろに女神像があるだけの場所みたいだ。

この謁見の間の両端に騎士や兵士がいることもなく、まして貴族や大臣たちがいるわけでもない。

巫女であり主でもあるアリシア様お1人だけが、僕たちと会っている。


「……聞いていますか?レオン君」

「あ、はい、聞いています」


キョロキョロしていたから、アリシア様から注意されてしまった。

でも、地上の王たちと会わせるわけにはいかないか……。


「あの、アリシア様は僕たちが何者なのかご存じなのですか?」

「はい、皆様は『天を翔る者』

この天空要塞よりも高く飛んでいるアレを飛ばしているもの、ですよね?」


人工衛星のことは知っているんだな。

そして、それを飛ばしている本人だということも知っている。


「そうです、それが分かってアリシア様は何を望むのですか?」

「……しいて言うなら、この世界に関わらないでほしい。ですか」


関わるな、か……。

しかし、この天空要塞の魔道具や武器を、先ほどの待ち時間に少し聞いたんだけど今一つ納得できなかったんだよね……。



「アリシア様、質問いいですか?」

「はい、レオン君。聞きたいことがあるなら遠慮なくどうぞ?」


笑顔で僕に応対してくれるアリシア様。


「実は、この天空要塞の魔道具や武器のことを少し聞いたんですが、どうにも納得がいかないんです。

魔導銃や浮遊魔道具、さらには太陽光を収束させた光魔法。

基礎学や応用学が分からない技術を、何故天空要塞を造りだした人たちは知っていたのでしょうか?」


「……それは、どういうことでしょうか?」


「この天空要塞、この世界の人達では造りだせない技術が使われているってことです」


考え込むアリシア様。

そして、ある事を思い出し話始めた。




今から約800年程前の出来事です。

ある日、空から天使が二人、私どもの島に降り立ちました。

その二人の天使は、私たちとは違う言葉を話し意思疎通が出来なくて困ってしまいました。


どうしたものかと私たちが困っていると、天使の二人は懐から白い箱を取り出しました。


「白い箱……それってロージー」

『はい、800年前の翻訳機ですね』

「今の翻訳機は学習型が一般で、一晩で覚えるのが主流だよね」


意思疎通ができるようになった私たちは、天使の二人の正体も聞くことが出来ました。

その時『天駆ける者』と呼ばれるようになったのです。


そして天使のお二人は、地上で私たちと共に暮らし始めました。


ですが、すぐに問題が発生しました。

それは、天使のお二人が魔法を使うことができなかったからです。

しかも、そのことが天使のお二人を蔑む者たちの出現を許してしまいました。


「昔は、魔法が使えない人なんていなかったんだね……」

『その世界で生まれてない者たちは魔法が使えない。

間違いなく、その天使の二人は外からやってきた者たちですね……』


そこで天使のお二人は考え生み出しました『魔導銃』を……。


ダンジョンから出土する魔導銃とは違い、天使のお二人が作りだした魔導銃は魔石さえあれば魔力を生まれつき持たないものでも扱えるというところです。


しかも、魔石を交換することでどんな魔法でも使えたそうです。



「……魔力が無くてもってことは、魔石の魔力を使用するってことだね」

「使える魔法は、魔石に籠められている属性で仕える魔法が決まるのじゃな?」

『消費魔力が小さいものなら、連射も可能とは考えましたね』


コホン。

この島で開発された『魔導銃』は、すぐに噂が広がり大陸中の国々が作り方を、魔導銃を欲しがり押し寄せました。

そして、あっという間に各国で研究された改良型魔導銃が戦場で使われるようになるまで一年かかりませんでした。


「技術が戦争に利用される、どこの時代でも世界でも考えることは同じだね」

「それだけ、思考が似ているということかのう……」

「ダンジョン攻略にも魔物討伐にも、利用できますものね」


各地の戦場で、研究された魔導銃が使われ始めると私たちの島のことは忘れ去られていきました。

……私たちの島は、世界から孤立したのです。



天使のお二人は、魔導銃の戦争転用に酷く嘆いていました。

しかし、それから一年ほどが経過したころ天使のお二人は、島の奥深くに隠れてしまわれました。


それから約800年がたったある日、島の奥から天使のお二人が姿を現したのです。


「800年も引きこもっていて、出てきた二人がよくわかったね?」


天使のお二人の話は、島のもので知らないものはいません。

父から子へ、孫へと繰り返し言い伝えとして残っていましたから……。


でも、正直最初は誰だから分からなかったそうですが……。


「でしょうね」

「私も、800年前の人って言われても分からないわね」


でも、天使のお二人だってことは肖像画を見れば分かりましたよ?

お隠れになった800年前と、何故か姿形が同じでしたから……。



「……それって生体強化で、寿命が延びたせいだよね?」

『800年ぐらい前の生体強化ならば、寿命1000年は簡単ですからね』

「そういえば私も、生体強化しているから長生きできるのか……」


……天使のお二人が現れると、島の者を集めてある計画をお話になられました。

それが天空要塞による世界管理計画です。


圧倒的な力をもって、上空に浮かべた要塞から世界を管理する。

二度と戦争を起こさせないように。


「なるほどね、すべてはその天使二人による計画だということなのか」

「そうです、私たちはその計画に乗りました。戦争をやめさせるために……」


すべてはその二人の罪滅ぼしってところか……。

でもそれなら、その二人はまだここにいるってことだ……。







第59話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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