表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
緑の星の戦争

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/181

第52話 誕生日を祝う




緑の星の状況に対して頭を抱えていると、いきなりロージーが歌い出した。


『ハーピバースデイ、トゥユ~。ハーピバースデイ、トゥユ~。ハーピバースデイ、ディア、若旦那~。ハーピバースデイ、トゥ~ユ~』


ロージーが歌い終わると拍手しながら父さんと母さんがブリッジに入ってくるし、またエリー達も拍手をしながら入ってきた。


そして最後に入ってきたのが、クレアとソフィアの二人がバースデイケーキと一緒に入ってきた。

そう、今日5月5日は僕の誕生日。


どうやら、僕を驚かそうと思って母さんが計画立案者だそうだ。

で、ロージー達アンドロイドや青い星の拠点にいるはずのクレアとソフィアも巻き込んで、こうして僕の誕生日を祝ってくれたのか……。


「お誕生日おめでとう、レオン。これで、7歳になったのね~」


そう言って、僕をギュッと抱きしめてくれる。

何か、すごく安心するんだよね、母さんにギュっとされると……。

でも、こういう時は決まって……。


「おいおい、父さんも混ぜろ~、寂しいぞ~」


そう言って、僕と母さんごと抱きしめてくる。

母さんにギュッと抱きしめられるときのいつもの光景。

……前世の僕の両親は、小さい頃に亡くなったから覚えてないんだよね。


母さんの温かさや、父さんの優しを知るにはギュっとされるのが一番かもね。


でも、その後待ってましたとクレアとソフィアにギュっとされるとは思わなかった。

母さんとは違う女の人に、ギュッとされるの………悪くないね。


寧ろ、いい匂いがしたり、クレアやソフィアの柔らかさが伝わって気持ちがいい。


「……見て、あなた。レオンのあの顔。まるで、天国はここにあったとでも言いたそうな顔よ」

「……羨ましいぞ、レオン」

「………あなた?」


何故か、僕の知らないところで父さんと母さんが揉めている。

どうしたんだろう……。



クレアとソフィアが離れると、エリーが最初に抱き着いてきてギュッとしてくれた。


『おめでとうございます、若旦那!』

「ありがとう、エリー」


エリーって、結構いい匂いがするんだな……。

これって柑橘系かな?僕の好きな、いい匂いだ。


アンドロイドといえど、女の子なんだなと再確認した。

エリーも、ギュッとされた感じは柔らかかったよ。



エリーが離れると、左右からシンシアとオリビアが抱き着いてきた。


『お誕生日、おめでとうございます若旦那~』

『おめでとう、若。今日から7歳なんだね?』


痛くない、結構勢いよく抱き着かれたのに痛くなかった。

それよりも、今もこの僕の両脇に当たっているものすごく柔らかいものって……。


くっ、これが孔明の罠とかいうものなのか!


か、顔がとろけてきそうだ……。

し、仕方ないじゃないか!男の子なんだもん!

ああ、父さんがこの上なく羨ましそうな顔を僕に向けてくる……。


何だろう、この高揚感は……。


僕はいい笑顔を造り、シンシアとオリビアにお礼を言う。

それに満足したのか、二人は離れていった……。



次のアシュリーは、真正面から抱き着いてギュッとしてくれる。


アシュリーの身長は、5人のアンドロイドのメンバーの中で一番小さい。

それは、僕と同じく子供というわけではなく、単に身長が低いだけなのだ。

もちろん、低いといっても僕よりまだ高いんだけど……。


アシュリーにギュッと抱きしめられると、アシュリーの身体の柔らかさを認識すと同時に、アシュリーの髪が僕の顔にかかってくる。


そのせいか、アシュリーの髪の匂いを嗅いでしまった。


『おめでとうございます、若旦那……』


この匂い……もしかして、アシュリーってシャンプーを変えたのかな?

いつもとは違った匂いが空けど、僕はこっちの匂いが好きだな………ハッ!


もう少しで、目を閉じるところだったぞ!

もしかして、これこそが本当の孔明の罠か!


僕はすぐにお礼を言って、アシュリーに離れてもらう。



どうしたんだ?今、僕は、アンドロイドたちに『女』を感じているのか?

7歳の子供が?……これでは『マセガキ』と呼ばれそうではないか!


そして、最後にロージーが抱き着いてこないでお祝いの言葉をくれる。


『お誕生日、おめでとうございます若旦那』


「ありがとう、ロージー」


少し残念ではあるが、ロージーのお祝いに笑顔でお礼を言った。

すると、ロージーが僕の側に近づいてくる。


プレゼントでもあるのかな?と思っていると、ロージーが抱き着いてきた。

しかも、ロージーは自分の両腕を僕の腕の下に入れて、さらに僕の肩に顎を乗っけるほど近づいてほおずりまでしてきた。


あまりの行動に僕の思考はなかなか追いつかなかった……。


「ああ!ロージーったら、頬ずりまでしたわよ?」

「……アンドロイドの頬ずりか……」


「ご主人様、赤くなってる」

「うむ、どうやら今回はロージー殿の勝ちのようじゃ」


『その手があったか……シャンプーを変えただけではだめなのね』

『私たちの胸なら大丈夫って、言ってもらったんだけどね~』

『もう少しって感じだったわね』


『みんな、若旦那で遊び過ぎだよ~。今日は誕生日なんだよ~?』



どうやら、アンドロイドのみんなで僕に抱き着いて赤くさせた者が勝ちってやってたみたいだな。

しかも、クレアやソフィアまで参加して……。


で、エリーだけか、僕で遊ばずに純粋に誕生日を祝ってくれたのは……。


く~、今の僕はロージーの普段とは違う行動のせいで、顔が赤くなってしまったのか。


何か悔しい!

でも、うれしい!

緑の星の不安がどこかに吹き飛んじゃったよ……。


みんな、ありがとう……。








第52話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ