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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
きっかけは時空乱流
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第5話 のみこまれたその後




僕が目を開けたのは、けたたましい警報音がきっかけだった。

しつこいくらいに鳴る警報音に、夜勤明けの眠い感覚で目を開けると船の目の前には一つの惑星が迫っていた。


どうやら、時空乱流に抵抗した時のままで時空乱流から出されたようで、ブースト加速しながら惑星めがけて進んでいたのだ。


「何っ!まずいまずいまずい!!」


僕はすぐに艦長席のパネルを操作、そしてブーストを切りいきなり逆噴射をかけて急制動をしてしまった。

その急制動により、同じブリッジにいたロージーたち5人のアンドロイドが体のあちこちを打つことに。


『ギャン!』

『痛っ!』

『……ちょっと、何?!』

『!!時空乱流は?!』

『……』


非難めいた目を5人から向けられるが、今はそれどころではない。

僕たちが時空乱流に巻き込まれてどうなったのか、これを調べないといけないからだ。


「みんなゴメン!それと、ロージー、星天体図で現在位置を確認してくれ。エリーは船の操縦を任せる、目の前の惑星の衛星軌道上に待機できるように調整を。

アシュリーは、通信機器類の点検を。シンシアとオリビアは僕と一緒に船体の点検をする」


『『『了解』』』


僕の指示通り、みんなそれぞれのやるべきことをすることに。


物語何かでは、時空乱流に巻き込まれて出た場所は全く知らない場所だったとか、昔の場所だったとかあるが僕たちはどうなるのかな……。




▽    ▽




2時間後、船の点検を終えた僕たちがブリッジに戻ってくると、ロージーたちが報告をしてくれることに。

僕たちはその報告を聞いて、今後どうするか考えよう。


「それじゃあ、まずはエリーから頼む」

『はい、この船『ハルマスティ』を目の前の青い星の衛星軌道上に安定させることに成功しました。これでしばらくは、星に落ちることもなくあの青い星の周りをまわるだけとなります』


ん、これでこの星を調べることもできるし、船ごと地上へ落下することもないだろう。

僕はエリーの報告に頷くと、次の報告を聞くことに


「次はロージー、頼む」

『私は若旦那に言われて、ここが今何所なのかを探しました。あと、一人では大変だったので点検作業を終えたアシュリーにも手伝ってもらって分かったわ。


星天体図で確認作業をしたところ、今いる場所は、時空乱流に巻き込まれた場所から2億光年離れた別銀河だということが判明したわ』


「2億光年?!」

『はい、でもご安心ください。別宇宙ではないので社長たちと連絡がとれそうです』


「……よかった~」


僕の安堵の表情に、ロージーたちもホッと肩の力を抜いたようだ。

みんな、結果を聞くまで緊張していたんだな……。


「次は僕たちの報告といこうか。僕とシンシア、オリビアの3人は船全体の点検に向かった。もちろん、ここがどんな宇宙か分からなかったから船外に出ての点検はロボットに任せたよ。


で、分かったことは船体のあちこちで傷が見つかったこと。

これは時空乱流の雷や時空乱流内の空間歪曲の影響によるもの、さらに海賊の攻撃跡も見つかった。それで今、ロボットたちを使って修理修復をおこなっている。


1日あれば完全に治るはずだ。 それで、治ってからでいいから……」


『分かってますよ、若旦那。目の前に見えている青い星を調べたいのでしょう?

惑星管理法に基づいて、自分だけの管理できる土地がほしいと』


「さすがロージー、よくわかったね」


『フフ、ロージーじゃなくても分かりますよ。若旦那は顔に出やすいですからね』


エリーの言うように、そんなに僕は顔に出やすいのかな?



それと、今ロージーの言っていた『惑星管理法』というのは、人類が地球から外宇宙へ向かうことを考えて制定された古い古い宇宙法の一つだ。


宇宙のどこかには、地球と同じような人類が住める惑星が存在する。そんな惑星には、おそらく知的生命体がいるかもしれない。


そんな知的生命体から武力を行使して奪うという行為を禁止したり、騙し取ったり、毒ガスなどで知的生命体を絶滅させないようにした法律だ。


そして、最初に発見したものはその惑星の管理者となり、交渉や貿易などを最優先でできる権利が与えられたりする。

また、その惑星に土地を持つことができ住むことも許可されるのだ。


だが、今や超広範囲に及ぶ生命権を獲得している人類にこの法律は必要か?と疑問の声も上がっているが、100年に何度か申請があるそうで改正は何度かあるもののそのままとなっていた。



『それよりも、若旦那にはしなければならないことがあるでしょ?』

「ん?何かあった、アシュリー」


「……通常通信は使えませんでしたので、亜空間通信でご両親につないであります。

ご報告されますか?』

「もちろんっ!」


僕はすぐに艦長席の通信パネルを操作し、目の前にモニターを出現させ両親と対面した。


「父さん!母さん!」

『レオン!……良く、よく生きていてくれた……』

『う、ううぅ~~、レオン………』


目の前に移る両親ともに泣いている。時空乱流にのみこまれ、こんな場所にまで移動してしまったのだ、さぞ心配したのだろう。

僕も両親の顔を見たら、涙が止まらなかった。


お互い、喋ることなく名前を呼び合うだけでしばらく泣いていた……。


この時ロージーたちは、黙って僕と両親の通信を見守っていてくれたようだ。

ただ、エリーはともかくあのロージーがもらい泣きしたと後で聞いて驚いたけどね。








第5話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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