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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
宇宙で生きる者たち

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第47話 もう1人の転生者




宇宙歴4262年3月18日、亜空間航行に入ってから6日が経過した。

ここは移民船用の大型宇宙船の中、後部にあるレクリエーションホールのゲストルーム。

広さはテニスコート3面分ぐらいかしら。


船内から外の宇宙を見るなら、この場所が私は一番だと思っている。



今から30日ほど前、私たちが住み慣れた惑星が消滅した。

前兆はいくつかあったが、まだ大丈夫だろうとタカをくくっていたがついにその時が来た。


最後の移民船に乗せられ、その宙域を脱出。

その2日後、惑星は別惑星に衝突し消滅した……。


私の父であるグリーダマイン大統領の決断で始めた戦争が、とうとう私の住んでいた惑星を消滅させるまでに至ったのだ。

もちろん、その5日後には報復として二つの惑星がチリとなったらしい。


今もなお続く戦争に、グリーグ宙域とジャニー宙域の平和は遠い。


人類が宇宙に出て4000年以上たつというのに、今だ人は争いを捨てることができないでいる。

そんな争いに巻き込まれるのは、いつの時代も弱い者たちだ……。




「シャロン様、そのような昔の本を読まれて妄想する癖、何とかなりませんか?」

「……もう、せっかくいい所だったのに……」

「いい所だったに、じゃありません。

……『移民船団の乙女 ジェニーの戦い』ですか?このような昔も昔、大昔の本をよく見つけてきましたね……」


「その反応、ケニーも読んだことあるのね?」

「む、昔の、それも、ほんの200年程前ですけどね……」


200年前……この世界の人たちは、生体強化とかで長生きができる。

私がいた時代には、考えられなかったことだ。何せ、長生きな人の年齢でさえ百何歳とかだからね……。


でも今は、100年200年は当たり前に生きている。

私の父だって、見た目四十代なのに実年齢千七歳……もう笑うしかないよね。

前世、交通事故で死んで転生したらお姫様だった。


私の名はシャロン・アルブ・ロスティック。

24人目のお姫様で、一月前10歳になったばかりだ。


父からすれば51番目の子供かもしれないけど、私からすれば父とはもっと話したかった。

アースロスティック宇宙域の守り人の家系だからって、私にまで星を与えるなんて……。



「おかげで、口うるさい侍女が教育係……」

「何か言いましたか、シャロン様?」

「いいえ、何も……」



宙域の守り人。星の管理人とは違い、一つの星を管理するのではなく一つの銀河を守ることを運命づけられた人のこと。


生まれてから10歳の誕生日に、銀河を1つ任せられる。

任せられた守り人のものは、自分の精一杯の頭と人脈を使って銀河を平定しなければならない。


シャロンの兄や姉たちは立派に、任せられた銀河を平定しアースロスティック宇宙域の平和を維持していた。



「はあぁ……」


シャロンは頭が痛くなる思いだ。

誕生日とともに任せられる銀河が発表された。


『オレオン銀河』


ここ最近発見された二つある銀河の二つ目、中央政府から遠い方の銀河、新しく星の管理人が誕生した星から近い銀河だ。

すでに、いろんな人が動いており『オレオン銀河』は今、荒れているらしい。


私が赴任する惑星は、オレオン銀河の端にありそこから指示を出して平定してかなければならない。

今から、本当に頭の痛いことだ……。


転生者の知識って、この時代だと本当に役に立たないな……。




「シャロン様、ほら、もうすぐ亜空間から通常空間に出るみたいですよ?

……あら?個人用の宇宙船でしょうか?」


ケニーが、外の様子を窓から見ていた時この宇宙船と並走する宇宙船を発見したらしい。

私も見に行くと、宇宙船がいた。


よく見ると、コックピットに私と同じぐらいの子供が乗っている。

私は何気なしに手を振ってみたら、向こうの子供の手を振ってくれた。

二人乗りの宇宙船のようだ。


でもまるで団扇のような宇宙船ね……。

私は無意識のうちにあの少年に向かって手を振っていたようだ。


……何か引っかかる子供だったな。




▽    ▽





亜空間ゲートを大きな宇宙船とともに出て、それぞれ反対の方向へ飛んでいった。

何故か気になる女の子が手を振ってくれたが、追いかけていくわけにもいかずまた会えるだろうとタカをくくって放置した。



ところがその2時間後、救援信号をキャッチした。

この信号は、宇宙海賊と戦闘中です、助けてくださいって時に流れるようだ。


「アシュリー、信号はどこから送られてきた?」

『信号はさっきの大型艦からです、若』

「大型艦の現在位置は?」


『ここから進行方向と真逆に行った先にいます』

「じゃあ今一番近いのは、僕たちか?」

『どうやらそのようです、周りに反応なし!』


ならば迷うことはない!


「これより、救援に向かう!シールドレベルを6に上げて発進!」

『了解、シールドレベル6へ上げて救援に向かいます!』


こうして、僕たちは大型艦の要請に従って救援に向かった!

『宇宙の墓場』へ材料調達に向かわなければならなくなった、原因の最近完成させた戦闘艦のお披露目にはちょうどいい相手だろう。


待っていろ宇宙海賊!僕の新しい戦闘艦が殲滅に向かうぞ!!









第47話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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