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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
宇宙で生きる者たち

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第46話 移住宇宙船




『レオン様、準備が整いましたので収納をお願いしますね』

「了解ユニ、亜空間倉庫の入り口をこの場に一時固定させるよ」


貨物室で待っていると、すぐにユニが入室してきて商品を運ぶめどがついたようだ。

星の表面に捨ててある宇宙船を、重力を操ってステーションの貨物室まで運んでくる。

管理は結構徹底されていて、どこに何があるかすぐにわかるそうだ。


僕は自分の亜空間倉庫の入り口を、貨物室の壁に広げて固定する。

これで、運ばれてきた商品は僕の亜空間倉庫へダイレクトに放り込むことができるわけだ。


『では、搬入を始めます』


ユニの合図で、貨物室の下降搬入部からスクラップとなっている軍の宇宙船や民間の宇宙船やらが運ばれ、亜空間倉庫の中へどんどん放り込まれていく。



僕はその光景を見ながら、どんな戦闘艦を造ろうか妄想を広げていた。

また、旗艦を造るならどんな性格をつけるかも楽しみだ。



さて、不思議に思う人も多いのではないだろうか?

何故たかが6歳児の子供が、宇宙船や戦艦を造ることができるのか?


実は僕も勉強はしているのだ。もちろん普通の勉強では追いつかないので、睡眠学習装置を使って頭に入れている。

普通の子供では、そんな製造の勉強をしたところで分け分からないとなるが、僕は転生した子供だ。


転生前の記憶が残っているため、理解力があるので勉強が役に立つ。


また、僕の亜空間ドックには宇宙船などを造るためのサポートロボを100体ほど常駐させている。

これらを駆使して、オリジナルに近い宇宙船や戦闘艦を製造していたのだ。



あとは戦闘艦が考えたり喋ったりすることかな?

あれはAIが組み込まれているため、考えたり喋ったりできる。


AIに入れるプログラムは、基本となる性格が売り出されていてそれをもとに自分好みに仕上げて使うのだ。

購入者のほとんどは、量産型アンドロイドに自分好みの性格にしたプログラムを組み込み専用のアンドロイドを造っているが、僕はそれを戦闘艦に組み込んでみた。


楽しむためとか面白そうとかではなく、人手不足解消のためだが……。


だけど、それがうまくいきブリュードやアーサーなどの戦闘艦が役に立っている。

今後は、さらに戦闘艦を増やして艦隊を造り青い星や緑の星周辺の護衛に使いたいね。




搬入開始から1時間が経過したころ、ようやくすべての商品を受け取ることができた。


『これで、搬入は終わりです。お疲れさまでしたレオン様』

「ユニこそお疲れ様、それじゃ、僕たちは帰るね」

『はい、またのご利用をお待ちしています』


僕は手を振り、シンシアと貨物室を出ると自分の宇宙船へ移動した。


このまま帰ってから星の管理人として過ごしながら、戦闘艦や艦隊を製作して護衛の人手不足を解消し過ごしていけばいい。

当面は問題なく過ごせるはずである。



僕は自分の宇宙船キャメロットを操りながら、宇宙の墓場を離れていく。


「シンシア、どこか寄り道していくかい?」

『それはやめておきましょう若、ロージーに怒られる未来しか見えません』

「………確かに、それじゃ早く帰ろうか」


僕たちは寄り道せずに、まっすぐ帰ることを心に誓い発進した。




▽    ▽




亜空間航行を何度かして、ようやくゲートから出れた時、超巨大宇宙船と同時にゲートから出たようだ。

僕たちの乗る宇宙船キャメロットのすぐ真横を、その超巨大宇宙船が通り過ぎていく。


大きさとしては、1億人都市のコロニーとほぼ同じ大きさだ。

地球的例えなら、僕の宇宙船が自転車で超巨大宇宙船が豪華客船といったところかな。

ゲートのリングギリギリの大きさだった。



ゆっくりと、超巨大宇宙船の横を通り過ぎようとしたとき窓から手を振る子供を発見。

僕も同じように手を振るとどうやら喜んでくれたようだ。


そして、超巨大宇宙船はゲートから完全に姿を現すと、向きを変え青い星とは逆の空間へ向かって発進していった。

おそらく、未開発銀河へ向けていったのだろう。


今だ調べている最中の銀河二つだからな。

調査が終わった、人が住めそうな惑星に移住なり調査団として拠点を造るなりして、さらなる調査を期待したい。



「大きい宇宙船だったな……」

『若、どうやら惑星移住を目的とした宇宙船だったようです。今ニュースで住めなくなった惑星からの脱出者たちのことが出ていました』


「そうか、星の寿命にあたった人たちだったのか……」


星の寿命。どんな星にも寿命はある、人類が生体強化などで超寿命を手に入れたため人の寿命よりも星の寿命の方が早かったりすることがたまにあるのだ。


別に人が何億年も生きれるわけではなく、たまたま星の寿命の時に鉢合わせした人がいるってことの話だ。

どんなに人が長い気になろうが、何億年も生きている人など存在しない。


で、星の寿命がもうすぐ尽きるという時まで住み続ける人はいるらしい。

そんな人たちの脱出のさせ方には、中央政府も困っているとか。

また、移転先の惑星もなかなか見つからず、結局一時移住という形でどこかの惑星に移住させるんだとか。


「で、そのまま移住させてほったらかしか……」

『その辺りの対応は、結構上の方でも問題になっているようですね』

「自分たち政府の信用問題にかかってくるからね」


さっきの手を振ってくれた子供も、この先大変な日常が待っているのだろうか?

でも、僕に何ができるだろうか……。








第46話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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