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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
宇宙で生きる者たち

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第44話 宇宙の墓場




宇宙歴4262年3月2日、奴隷たちを購入し拠点の町に届けて3か月が経過した。


今僕は宇宙のハルマスティの船内にいない。

僕専用の長距離移動用の宇宙船『キャメロット』のブリッジにシンシアと一緒に乗り込んで、目的の惑星に向かっていた。



宇宙船『キャメロット』は個人専用で発売された宇宙船で、団扇のような形をしている。全長68メートル、全横52メートルあり、個人用の宇宙船としては大きい方だ。


三人乗り用で開発されており、移動をメインとしているため攻撃力のある武器は積んでおらず防御力のあるシールドで身を守るのみの宇宙船になっている。

発売当初は、貴族や王様専用で発売されたので防御のみを強化されていたが今は個人用として発売され出し、武器を乗せることもできるようになったらしい。


レオンの宇宙船『キャメロット』の全体の色は白で、縦に一本青色が走っている。

普通はその大きな団扇のような場所に、貴族の紋章などを書いたり企業で購入した場合は宣伝したい商品を書いたりして使うらしい。



さて、僕が今回こうして向かっている惑星は『宇宙の墓場』と言われている場所だ。

別にサルガッソーのように宇宙船の墓場のような場所ではなく、ただいらなくなった宇宙船が集まる場所、というだけの星なのだ。


それで『宇宙の墓場』と宣伝したらしい。

その星の代表者のセンスを疑う宣伝の仕方だ。が、いらなくなった宇宙船を集めるには分かりやすかったな……。


『若、若はいつも宇宙の墓場で宇宙船を見つけていたんですか?』

「新品の、しかも発売された宇宙船を僕が買えるわけないでしょ?」

『確かにそうですが、いつからです?』


僕は少し考えて、シンシアの質問に答えてあげる。


「一年前かな、父さんの輸送船に乗って宇宙の墓場への運搬の仕事についていったときにね」

『なるほど、若の持つ宇宙船はそこの再利用品ですか』

「新品は高いからね、あそこならいらなくなった宇宙船はタダ同然だし……」


そう、宇宙の墓場に集まってくる宇宙船は壊れたものや破損したものなど多種多様だ。

中にはデザインが気に入らないとかで捨てられる宇宙船があるのだから、金持ちの感覚は分からない。


宇宙船って結構するんだよね。

うちのオーバス運輸で使っている貨物船も、結構な値段したそうだ。

中古品でありながらいまだに、宇宙船のローンを払っているのだとか。


がんばれ父さん、完済まであと少し!


そんな状況だから、宇宙海賊用の戦闘艦を買うお金はないんだよね。

そこで宇宙の墓場に捨てられた宇宙船を使おうとしたんだよ。

捨てるのもタダだし、拾って持って帰るのもちょっと許可を取ればいいだけだしね。


どうやらその星は、宇宙の墓場として利用されるだけで補助金が出るらしい。

そのお金目当てに星を1つ丸ごと、宇宙船の墓場にしたらしい。


管理者の考えることは、よくわからないね……。



僕が宇宙の墓場で宇宙船を拾えるのは、僕の持つ『亜空間ドック』のおかげだろうね。

通常、亜空間倉庫はコンテナ一台分しかないそうだが僕の亜空間倉庫は星一つ分もの大きさがある。


つまり、未だ空いている空間があるのだ。

多分これこそが転生者のチート能力、といったところか。

ホント、ありがたい能力だよ。


亜空間ドックを使い、廃棄された宇宙船を再利用し戦闘艦へと仕上げる。

もちろん最新の品を購入しないといけないときもあるけど、大半は自作できるからアドバンテージは大きい。


まあ、考えてもみれば6歳の子供がやることじゃないよな。

よく見逃しているよね、うちの両親……。





『若、青い星の拠点の方はどうです?奴隷を導入して変わりましたか?』

「そうだね~、最初はみんな驚いていたけど奴隷から解放したらあの島で生きていこうって気になったみたいだよ」


『まあ、逃げ場はありませんからね……』

「それもあるけど、新天地ってところが良かったんじゃないかな?まずは家をそれぞれで作っていたし、クレアが魔法で畑なんかを耕していたし、あの貴族のセーラさんが孤児院を開いたしね」


そう、貴族のお嬢様というよりお姫様が孤児院を開いて子供の面倒を見ようって考えていた。

みんなの役に立つことを考えての行動だったようだ。


もちろん最初からうまくいくとは思っていないらしく、家族奴隷の奥様たちにいろいろとアドバイスを受けていたな……。

新天地である拠点の島は外部からの干渉がないし、利用されることもない。


地位や生まれなんてないも同然だからね。

セーラさんなりに考えて、頑張って生きていくんだろうね。


『他の方たちはどうなんです?』

「ほとんどの大人が、拠点の外の森で鍛えなおすとか言っていたな。クレアやソフィアが面倒を見るらしいけど、どこまで強くすることやら……」


『そういえば、日用品の買い出しにまたトラブルがあったと聞きましたが?』

「ああ、それは行った町が悪かったんだよ。何せ、奴隷を買った町の所属する国の王都に行ってしまったからね。

日用品など欲しいものは買えたけど、王都を出てすぐにセーラさんを利用しようとしている奴らにつかまってね……」


『それで、騒ぎになってしまったと』

「とりあえず撃退はしておいたし、あの拠点の島までは来れないだろうから大丈夫とは思うけど、一応監視はしてあるよ」


何かあれば、今度はどうしようかな……。







第44話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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