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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
青い星の拠点

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第43話 実力差




「ご主人様、全員確認しました」


クレアがブリッジに入ってくると、僕に奴隷たちの人数確認完了を教えてくれる。

僕はそれを聞いて、メインハッチを閉めて目的地の島へ行くようにアシュリーに指示を出した。


『了解、ガラハッド、発進します』


これで町を造るうえでの人手不足は一応解消となるはず。

でも、今回は買い忘れたものがたくさんあるんだよね……。


「そういえばレオンよ、我らの防具など買えんかったのう」

『後、奴隷たちの服や日用品も買えませんでした』

『こりゃあ向こうについても、何もできん可能性があるのう』


ブリッジにいるソフィアやアシュリー、それにアルの視線まで僕に集まってくる。

しょうがないじゃない、奴隷購入で全金貨のほとんどが消えたんだから……。


「あー、日用品などの購入は、奴隷たちを島に送り届けてからね」


「大丈夫なのか?」

「ご主人様、お金が無くて無理をする必要は……」

「大丈夫、お金はちゃんとあるから。それに売って換金できるものがまだあるからね?」


アシュリーとアルは、そんなやり取りを見てニヤニヤしている。

大丈夫だ、まだまだ売れる宝石類はあるから。



もうすぐ出発というところで、船体に衝撃が走った。

揺れは微々たるものだったが、何が起きたのか窓の外を見ると大勢の騎士や兵士に囲まれていた。


どうやら、ゆっくりしすぎていたせいで例の騎士たちが到着したようだ。


「アシュリー、シールドレベルを3へ上げて」

『了解です、レベルを3へ上げます』


これで外からの物理攻撃も魔法攻撃も効かなくなる。

それにしても、浮き上がっているガラハッドに良く攻撃してくるな……。


「アシュリー、外の音声を拾ってみて」

『……流します』



『兵士たちは落ちてきてもいいように囲め!騎士はその後方に!弓兵は攻撃を続けろ!魔法部隊は次の攻撃の詠唱に入れ!何としてもこのゴーレムを落として中のセーラ様を救出するのだ!』


……どうやら、この宇宙船がゴーレムの類と勘違いされているようだね。

それに食べられたって感じだし……。


『ミリーガル卿!さっさと魔法部隊の一撃であのゴーレムを地面に落とせ!』

『ラーナス卿、今やっている!焦るな!セーラ様はまだ死んだわけではあるまい!』

『……生存は確認している、しかし、何なんだあれはっ!』


お、アルにぶっ飛ばされた騎士だ。

どうやら仲間に回復されて、ここまでたどり着いたようだな……。



『若旦那、このまま何もせずに飛び去りますか?』

「こうもしつこいと、一発何かしてやりたいんだよね」

『よく言った、儂もイライラしとったとこじゃ』


「ご主人様、私が魔法で攻撃しましょうか?」

「……いや、ここはこの船の攻撃を試してみよう」


そうだよ、この世界で宇宙船の力がどれほどのものなのかまだ試してなかったな。


「アシュリー、衝撃のみで攻撃できるかな?」

『ん~、つまり誰も殺すなということでしょ?』

「よろしく頼むね?」


『了解』


アシュリーが手元のパネルを操作し、準備ができたのか僕を見た。


『準備完了』

「では、発射!」


アシュリーが僕の命令とともにパネルを触りピッという軽快な音がすると、外の光景が一変する。


大きなドンという音とともに、浮かんでいたガラハッドを取り囲んでいた兵士や騎士たちが後ろに吹き飛び、弓兵や魔法部隊を巻き込んでさらに吹き飛んでいった。


『何だこれはっ!!』

『ぐあああぁぁ!!』


外の声を拾っていた音声は、衝撃に耐える声を拾った後何も聞こえなくなった。

どうやらしゃべる人がいなくなったようだ。



「アシュリー、生命反応は?」

『……死者無し、全員気を失っています』


一撃でこれか、やっぱりオーバーテクノロジーだな。

魔法世界にあってはならないものってことだな……。

生活必需品の買い物とかは、別の地域の町にしよう……。


「アシュリー、出発して」

『了解』


宇宙船ガラハッドは、地上の惨劇を無視して拠点のある島へ飛び去って行った。

それから5分ほどして、気を失っていた兵士たちが起き出す。


辺りを見渡すが、仲間たちが倒れている光景だけが見えた。

そして、足を震わせその場にしゃがみこむのであった……。




▽    ▽




宇宙船『ハルマスティ』のブリッジで、ロージーは警告音を聞く。


『エリー、警告音の発信地を調べて』

『今、やって、ますよ………出ました』


その警告音は、先ほどのレオンが宇宙船ガラハッドからはなった攻撃に対するものだ。

そう、星の管理人であるレオンは法律違反を犯しそうになったのだ。


『ロージー、原因は若旦那のガラハッドの攻撃みたいね』

『……若旦那は星の管理人の自覚があるのか・し・ら?』


ロージーは怒っていた、星の管理人が管理する星の住人にむやみやたらと攻撃してはいけないことを知っていたのかと。


『ロージー、若だって分かっていると思いますよ?今回の攻撃も死者はいないようですしね』

『死者がいなければいいというものではないでしょうに……』


シンシアがレオンの行動をかばうように発言してくる。

みんな、本当にレオンに対して甘い!とロージーは言いたくなった。


『いいわ、オリビア、状況を付け加えて報告書をまとめておいて』

『了解ロージー』


でも言えなかった、結局私もレオンを甘やかせてしまうのだから。








第43話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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