第39話 奴隷購入
ボルゴル商会で家族奴隷を見せてもらった。
その部屋の牢屋には、家族ずつ分けられていてそれぞれ値段が違っている。
戦争の影響か、ここにいる家族たちは7組いて皆体のどこかが傷ついていた。
奴隷商会側も、一応傷の手当はしているが完治までにはなっていなくて所々傷跡が残っていた。
僕は商会側からの商会を聞く前に、7家族すべての購入を即決する。
「あの、本当によろしいのですか?」
「ええ、ここにいる7組の家族奴隷をすべて購入します」
案内をしているロングさんは、僕の側にいるアルやソフィアを見るも二人が頷いたため購入を了承した。
「では、7家族合わせて金貨1700枚としましょう。
大勢購入していただいたサービスということで……」
「サービスとは有り難いです、ありがとうございます!
では、今度は子供奴隷を見せてもらえますか?」
子供奴隷とは、戦争で親と死に別れたり、子供自身が攫われたりして孤児になっていまった子供たちのことだ。
孤児は、各町や村の孤児院に預けられるのだが戦争なんかで数多く孤児が出ると、こうして奴隷商会に売られるケースが出てくるのだ。
もちろんこれは法律違反なのだが、取り締まればその町の孤児院に引き取ってもらわなければならず、孤児院が満杯の時は見逃されている犯罪だった。
ロングさんは、家族奴隷の部屋を出て次の部屋に案内してくれた。
そしてそこには、僕と同じような歳の子供たちが20人もいた。
『……みんな声一つ上げねぇな、食わせてねぇのか?』
「滅相もない、ちゃんと一日二食与えておりますよ?
元気がないのは、私どもの所為ではございません」
ロングさんの話では、この子供たちはここに連れてこられた時から大人しかったそうだ。
おそらく連れてきた奴が、影で躾をしたんだろうという話だった。
子供たちをここまでおとなしくさせる躾って……。
僕は即決で、ここにいる子供たちも購入した。
そこで問題になるのが、拠点への輸送手段だ。ソフィアはもう運ばないと断言しているから僕の宇宙船『ガラハッド』を使うしかないだろう。
ガラハッドなら、100人や200人簡単に乗せることができるサイズだしな。
ただ、ガラハッドを町中に呼びだすことはできないから、呼びだすのに適した場所まで奴隷たちを運ばなければならない。
そこで、僕はアシュリーとクレアとソフィアに馬車の手配をお願いした。
馬車が三台もあれば、このあともう少し購入する奴隷も運ぶことができるだろう。
「分かりましたご主人様、馬車の手配、お任せください」
「アシュリー殿は馬車を操れるのかの?」
『一通りの経験は積んでありますので、大丈夫です』
金貨1000枚を渡すと、奴隷商を出て行った。
「……では、子供奴隷のお値段を聞きますか?」
「はい、お願いします」
「今回の子供20人のお値段は、金貨2000枚といったところですね」
1人金貨100枚、子供は将来性があるおかげで成人奴隷よりも若干高いらしい。
でも、払えない額ではないので購入を決定。
「次は女性奴隷に戻りますね」
ロングさんの案内で女性奴隷の部屋にやってくると、ここも戦争の影響か数が多い。
さっきは素通りだったが、今回はじっくり選ばさせてもらおう。
そうだ、さっき通り過ぎただけの時見かけたエルフの奴隷は………いた。
やっぱり、こうしてじっくり観察してもクレアと同じ感じだ。
このエルフは購入だな。
他にもいろんな女性奴隷がいるけど、孤児たちの世話ができる女性や魔法が使えたり料理が出来たりといろんな理由をつけては購入していく。
「では、全員で金貨1200枚にしておきますね」
「ここでもサービスを、ありがとうございます」
「いえいえ、女性奴隷を40人も購入していただけたのですから」
しかし、成人奴隷は安いな。1人金貨30枚とは、いくらサービスだからとはいえ利益はあるのだろうか?
心配になってくる……。
「次は男性奴隷の部屋に案内します」
さて、男奴隷なんているのか?という疑問が出てきそうだが、僕たちは何のために奴隷が必要なのか覚えているだろうか?
そう、拠点の町の住民を奴隷で賄おうとしているためだ。
だから、男性奴隷もいる!
とくに大工や木こりなど手に職を持った人を中心に選んでいこう。
『開拓のための奴隷なら、何か手に職を持った奴隷がよさそうじゃな』
「そうですね、ドワーフの奴隷もいますからその人たちを中心に見繕いましょう」
「お願いします、ロングさん」
ロングさんが見繕ってくれた男性奴隷20人を、金貨400枚で購入した。
どうやら、男性奴隷は戦闘ができる男以外は安くなるようだ。
さらにサービスも加わり、さらにさ少なっていた。
『どうじゃレオン、予算内におさまりそうかのう?』
「余裕で購入できますから、貴族関連の奴隷も見ていきませんか?」
「では、ご案内します。見るだけでも構いませんしよろしければご購入下さい」
そう言われて、僕たちは貴族関連の人たちがいる部屋へ案内された。
貴族の人達は勿論、貴族に仕える家令や執事にメイドがいるのだろうか?
だんだんと、楽しみになってきていた……。
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