第36話 今日の報告
宇宙歴4261年12月17日、星の管理人に決まりお祝いのパーティーを身内で済ませるといつもの日常が戻ってきた。
両親が、オーバス運輸の仕事のために本社のある惑星に戻ると、審査官の二人もいっしょに戻っていった。
でも、モニカさんとベルニーさんの二人から聞かれたんだよな。
あの『緑の星』はどうするのかって……。
「確かに、すぐにでも緑の星の管理人にもなりたいけど……」
『そうですね、申請の段階で発表されますからね~』
「……ロージー、僕の心を読まないでほしいんだけど?」
『なら、仕事をしてください』
そう言うと、僕の机の上に書類の挟んであるファイルとデータカードを置いていった。
星の管理人の仕事って、地味なのね……。
と、それよりも星の管理人申請は新聞なんかの記事にのるんだよね。
二重申請とかを防ぐために。
どこにあるどういう惑星の管理人にありたいために申請したのかってね。
誰がとかはこの段階ではまだ載せない、もし載せてしまうと、犯罪組織とかが暗殺者を送り込むことがあるそうだ。
自分たちの利益のためなら何とやらだな……。
とりあえず、緑の星は当分申請は無しで周辺を戦闘艦隊を置いて警戒する予定だ。
緑の星の価値は、発表と同時に大混乱が予想されるからな……。
それから、亜空間ゲートが完成した。
両親や審査官たちは、式典に参加してそのまま向こうに帰っていった。
そして、開通からまだ2日しかたっていないのにすでにすごい数の宇宙船が通過しているそうだ。
しかし、これは青い星へのお客さんではない。
入り口から出口の間にある銀河系二つ分を開拓しようとしている人たちだ。
亜空間ゲートを出て、すぐに青い星とは反対方向へみんな飛んでいっている。
まあ、こちらに来られても対応できないからある意味助かっている。
それと、青い星に建設中だった拠点はすでに完成。
そのまま、軌道エレベーターを設置して簡易宇宙港と連結した。
これで、衛星軌道上に浮かぶコロニー『ガーデン』と繋がり、本格的に拠点として動いている。
また、拠点には町も造っておいたが今は誰もいないのでゴーストタウンとなっている……。
今度は、たくさんの奴隷を購入しようかな?
それと、クレアがついにレベル100を超えた。
その報告が来たのが昨日のことだ。宇宙海賊だの両親だの審査官だのといろいろあってすっかり忘れていた。
拠点のことも忘れていたぐらいだから、ここは許してもらおう。
ともかく青い星でレベル100ってどんなものなのってソフィアに聞くと、一人で国を相手に戦うことができるほどだそうだ。
……強くなったんだねクレア、本当におめでとう!
さて、肝心の緑の星のことだけど、今のところ手はつけていない。
衛星軌道上からの監視によれば、いくつかの国同士で戦争が始まったらしい。
魔導銃を持つ兵士たちが大量に投入されて、戦いが繰り広げられているようだ。
そんな戦場で見つけてしまった。
その形はまさに戦車そのものだった。大きな砲塔はなかったから、もしかすると装甲車といった方がいいかな?
車の形で、側面の板に魔法耐性の陣を書いて攻撃を防いでいた。
大型のバズーカのような魔導銃を使い攻撃していたから、魔導砲塔とでもいうようなものが開発されてもおかしくないだろうな……。
今までの資料によれば、緑の星には魔法が使える種族が決まっている。
そのきまった種族以外が魔法を使うことはありえないみたいだ。
人族、獣人、エルフ、ドワーフ、竜人、魔族、天使族の7種族が確認できた。
他にもいるだろうが、今はこの種族だけが確認できたんだ。
この中で魔法が使えるのは、エルフ、魔族、天使族の3種族のみ。
後は身体能力に秀でた獣人。鍛冶や物作りに秀でたドワーフ。ドラゴンへの変身能力があり変身後は竜魔法が使えるようになる竜人。
人族の誇れるものは、数が多いぐらいだろうか?
すべての大陸で存在を確認し、生きていた。
それから、魔導銃なんだがどうも出自が謎みたいだ。
詳しく調べるために、虫型のスパイを飛ばしいろんなところを調べたがどの緑の星の歴史書にも詳しく載っていない。
だが、考えたのは人族、造ったのはドワーフ、そしてエルフと魔族が協力したということは分かった。
これは僕の考えなんだが、魔導銃を考えたのが人族ってところが注目すべきところだろう。
この緑の星にも奴隷制度はある。
この奴隷制度で、あとの種族をそろえれば……。
現に、開発競争何かはこのやり方をしているようだしな……。
これはもう少し調べてから、どう付き合っていくのか考えよう……。
今のところ、報告は以上かな?
あと、亜空間ゲート開通から宇宙海賊や悪人らしき人は通過していないようだ。
もっとも、通過したとしても全員が青い星とは反対の銀河系へ直行しているからね……。
当分の間は、青い星も安全だろうということみたい。
そうそう、一番大事なことを報告し忘れた。
僕に、妹か弟が出来ました!
『やっぱり、私の予想通りでしたね若旦那』
「ロージー、この書類に誤字があったから直しておいて。
それと、僕の思考は読まないように!」
『これは失礼……』
ロージーは僕から書類を受け取ると、艦長室を出て行った。
……今日中に書類仕事を終わらせて、明日は青い星の拠点に行くかな。
第36話を読んでくれてありがとうございます。
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