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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
星の管理人に

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第35話 誕生、星の管理人




――――宇宙海賊確認、エネルギーシールド展開!


正面に足らえた敵、宇宙海賊の戦闘艦は速度を落とすことなくこちらに突っ込んでくる。

どうやら、船ごとこちらに攻撃してくる気だろう。


――――戦闘陣形展開!威嚇ミサイル3発発射!


一向に速度を落とさない敵戦に向けて、ミサイルを発射!

敵の宇宙船の周りで爆発し、速度を落とさせる狙いだ。


だが、狙い通りミサイルが爆発しようとも敵宇宙船は速度をゆるめることなく突っ込んできている。

このままでは、シールドに守られているとはいえ船体に何らかの傷がつくことは避けられない。


ただ、船体に対する衝撃は人が乗っていない時点で関係ないようだ。


ブリュードも、敵戦闘艦を止めようとあらゆる武器で攻撃するも効果なし。

そこで、今あるシールドを二重にすることで衝撃を拡散させようとする。



そして10分後、敵戦闘艦はブリュードの展開したエネルギーシールドに直角に突っ込んだ!

宇宙空間でも、ものすごい衝撃波を感じてしまうほどの衝撃が周りを襲う。


だが、宇宙船同士が衝突したわけではない。

宇宙船とシールドが衝突したのだ!


結果は、宇宙船の先端が原形をとどめないほど変形したもののシールドに止められている。

シールドも法則が破られそうな衝撃で、シールド状態が保てないほど不安定になっていた。


だが、シールドが二重になっていたために今もなおシールド状態を保ち敵戦を押しとどめているのだろう。


しかし、ここで敵戦闘艦はエンジン出力を最大へ上げ、スラスター全開でさらに突っ込ませてきた。

エネルギーシールドは、表部分を突き抜け裏の部分に到達。

何時、突破されたもおかしくない状況へと刻一刻と変わっていく。



ブリュードは、こんな時どうすればと考え学習していく。


そして、答えを導きだした。



――――前衛艦2隻を上下に配置!


前衛でシールドを展開していた戦闘艦を、ブリュードの上下に配置しなおした。

一方は見下ろす形で、敵宇宙船にビーム攻撃を仕掛ける。

もう一方も、見上げる形でビーム兵器を使う予定だ。


今敵戦闘艦は、シールドを破ることに集中しているようで攻撃をしてきていない。

その代わり、後方にいる貨物船からひっきりなしに攻撃されているが。


敵戦闘艦のシールド突破まで時間がないように思われたころ、上下に展開している見方戦闘艦からビーム攻撃を敵戦闘艦へ打ち込む。


――――ビームのシャワーをくらえ!攻撃開始!


攻撃の合図とともに、上下に配置した戦闘艦から連続ビーム攻撃が発射された。


上下から襲い来るビーム兵器を、防御する力もすべて突破に回したのだろう。

発射されたビームは、敵戦闘艦を簡単に貫いていった。


無謀な突破は、宇宙海賊たちのすべてを奪って死を与えた。


敵戦闘艦は、すべてのビーム攻撃をその船体に受け爆散した。

まさに、考え無しの攻撃だった。


――――敵、戦闘艦爆散を確認!後方の貨物間へ狙いを移行。


さらに宇宙海賊の貨物船は、降伏することなく攻撃をしてきた。

これもまた無謀といえるだろう。


残った宇宙海賊の船は、今目の前にある貨物船のみ。

にもかかわらず、宇宙海賊たちは徹底抗戦で攻撃を仕掛けてくる。


ブリュードは、貨物船からの攻撃をシールドで防御しながら考える。

目の前の貨物船を捕らえることはできないか?と。

しかし、宇宙海賊は生き残れば縛り首が待っているだけだ。


そこに慈悲はない。


つまり、それだけの犯罪というわけなのだ。

宇宙海賊という行為は、死罪以外ありえない犯罪ということになっている。



そして、考えたブリュードの答えは敵殲滅を選んだ。


ミサイル10発を打ち込み、ビーム兵器で完全に止めを刺していった。

敵貨物船内は大混乱で、必死に逃げ惑う海賊たちで溢れていたがミサイルの爆発やビームによって焼かれていくことで生存者は減っていく。


そこに慈悲はないし差別もない。男だろうと女だろうと平等に死が与えられる。

そして、貨物船は連続する攻撃にさらされ、最後は爆散してしまった。


――――敵貨物船の爆散を確認。生存者無し。


ブリュードは、確認を終えると青い星の宇宙港に引き返していく。




▽    ▽




「宇宙海賊に対応する戦闘力を、確認させてもらいました」


審査官のモニカさんが、レオンに向けて喋っている。

どうやら、レオンのいた宇宙船ハルマスティの隣の宇宙船ハルマスラインからこの戦闘を見ていたようだ。


「私も、確認させてもらいました」


その証拠に、モニカさんに続きベルニーさんも戦闘確認できたようだ。

そして、モニカさんはレオンに近づきメダルの入った箱を渡している。


「レオン君、星の管理人審査は合格です。

合格者にはこのメダルが授与されます。このメダルは星の管理人の証、必ず自分で管理してくださいね?あなたが管理することになるこの青い星と同じく」


レオンは箱に入ったメダルを受け取り、満面の笑顔で返事をする。


「はい、ありがとうございます!」


ここに、何百年ぶりかのレア惑星、魔法を使う星の管理人が誕生した。

弱冠6歳の子どだが、星の審査官2名が正式に認めた人物だ。


これからどんな困難が待ち受けるかは、時の流れだけが知っているのだろう。

それでもレオンは、持ち前の賢さで乗り切れるだろう。



「そうだ、星の管理人には、中央政府から毎月給料が出ますからお楽しみにね?」



……てことは、報告の義務が生じるってことじゃないですか!

お役所のようなところにはなりたくないな……。







第35話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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