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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
星の管理人に

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第30話 審査2




宇宙空間にうかぶ、真っ白な宇宙戦艦が7隻。

その昔、地球の海で戦っていた戦艦を思い出させる形をしている。歴史に名を残している戦艦も、今の時代まで名が通っているものは少ない。


そんな戦艦の形が今、私たちの目の前によみがえっている。

レオン君はどこからこんな宇宙戦艦を調達してきたのだろうか?現宇宙戦艦は、形が違い円盤型や半円盤型が主流だった。


だから、目の前の船からの戦艦型はめずらしい……。


「レオン君、質問いいかな?」

「はい、どうぞ?」


「まず、この宇宙戦艦の形は昔の形だよね?現行のものとはかけ離れているみたいだけど、何故?」


「それは、防衛を主としているからです。今の宇宙戦艦は、攻撃を主体として置いているため攻めるにはいいんですが星の守護をするには速度がありすぎて防衛に向かないんです。

そこで、昔の歴史資料を調べて防衛に向いた戦艦を考案しました」


「それで、この形なのね……」

「僕たちは星を管理するものです、積極的に宇宙海賊や犯罪者を退治する必要はないと思ったんです。

そう考えると、現宇宙戦艦は不向きではないかと思いました」


……確かに、防衛には向いていないわね。

でも、積極的に犯罪者を退治する必要がないとは思いつかなかったわ。でも、よく考えれば管理する星に近づけなければいいわけだし、紛れ込んだなら地上で対処すればいい話。


現宇宙戦艦が必要とは思えないわね……。



「次の質問ね、宇宙艦隊はこの7隻だけなの?」

「今のところは、この7隻だけです。亜空間ドックであと何隻か建造中だけど、もう少し時間がかかります。

でも1年以内にあと2艦隊の14隻は、増える予定です」


良かった、この7隻だけだと管理人は任せられないところだったわ。

資料によれば、この青い星は地球によく似た大きさをしているのよね。違いは魔法が使えるか使えないかぐらい。


だとすれば、珍しい鉱石とかが採れるらしいからそれ関連の犯罪者たちが集まってくるのよね。そいつらを払いのけるだけの力があってよかったわ。



「モニカ、私もレオン君に質問していいかな?」


ずっと私の横で審査を撮影していたベルニーが、聞いてくる。

ベルニーとは、私が星の管理人を選ぶための審査官になった時からの同期だ。

いっしょに組むことも多く、プライベートでも仲がいい。


そんなベルニーが、少し困った表情で質問したがっているようだ。納得いかないことでもあるのかな?


「いいわよ。レオン君、次はベルニーの質問に答えてあげて?」

「はい、ベルニーさん、質問をどうぞ」


「えっとね、外の白い戦艦を見て気付いたんだけど、あれ、攻撃はできるの?砲塔がどこにも確認できないんだけど……」


え?いくら宇宙戦艦だとしても、攻撃用の砲塔はあるはず。ビーム兵器でもエネルギー砲でも発射する砲塔は存在するはずよね?


私は、ベルニーの質問を聞いてすぐに外の白い戦艦を見る。

ただ、距離があるためよくわからなかったので双眼鏡を取り出し、確認する。

すると、砲塔があると思われた場所にはガラスか何かでできた透明なドームのようなものがあった。


そのドームは7隻の艦船のうち4隻に搭載されており、その4隻に砲塔は存在しなかった。


「……確かに、砲塔がないわね」

「その答えは、防御主体の艦隊であることが答えになっています。

7隻の艦のうち4隻には、艦の真横にビームシールドやエネルギーシールドが半円状に展開するようにできています。


艦の上下前後にはシールドは展開しませんが、艦全体を守るシールドは発生しますから砲塔から攻撃をしようと思ったらかなりの長さが必要になります。


そこで僕が考えたのが、砲塔の無い戦艦です。

あの透明のドームの中には、ビームの射出口が5つありそこから攻撃のためのビームを発射、ある程度飛んだあと標的に向けて曲がり飛んでいくようにしました」



もしかして、追尾型ビーム兵器を搭載しているの?

……でも追尾型なんて、ずいぶん前に一時期流行った技術だよね確か。それを復活させて、しかも進化させちゃったんだ……。


「レオン君、それって追尾型ビーム兵器じゃない?昔流行った攻撃方法だよね?」


「星の防衛には有効だと思ったんで、参考にしてみました」




▽    ▽




それからいろいろ質問や、今後の目標なんかを聞きレオン君の意思表示の確認をすると審査官の仕事は終わる。

後はこのデータを中央に送り、裁可を待つのみ。


「これであとは中央政府が判断してくれます。でも、心配はいらないでしょう。

レオン君の石や準備はなかなかのものですし、足りないものは今後そろえていけばいいのですからね」


「モニカさん、審査ありがとうございました。ベルニーさんもお疲れさまでした」


レオン君があいさつをしてくれる。本当によくできた子だ。

これで6歳児なんだから、将来が本当に楽しみだね。


「そういえばレオン君、あそこに見える緑の星には知的生命がいないの?」


「ベルニーさん、実はあの緑の星はちょっと特色が違うんですよ」

「特色、ですか?」


審査の時にも見せなかった真剣な表情のレオン君が怖いな……。


「あの緑の星は、青い星同様魔力がある星なんですが使われ方がかなり違うんです。

今は、衛星軌道上からの観察だけをおこなっているんですが、今までの魔力がある星とは違うんですよね……」


「えっと、どう違うか教えてくれる?」

「ベルニーさん、あの緑の星では人々が直接魔法を使っていないんです。

所謂、魔道具を使って魔法を使うんですよ」


「直接魔法が使えない?」

「ええ、しかもあの緑の星に住む人類には僕たちと同様に魔力がないみたいなんです」


「「え?」」








第30話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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