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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
星の管理人に

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第28話 亜空間ゲート




現在、青い星が大きく見える距離で俺たちは作業をしていた。

太陽系でいうところの火星辺りになるだろう距離の場所に、超長距離もスムーズに航行するためのシステム亜空間航行の入り口『亜空間ゲート』の設置だ。


この四重の大きな特殊金属の輪をこの場所に固定することで、この空間とは別の空間である亜空間に入ることができ、しかもその亜空間を宇宙船で航行することによってどんな長距離も時間をかけずに移動できるのだ。


人類がこの広大な宇宙をどのように航行しているかを考えれば、当然の技術だろう。



「亜空間ゲートは、あとどれくらいで設置できるんだ?」

『社長、あと二日あれば稼働させられます。問題は管理ですよ』

「それは心配ない、稼働と同時に向こうから先発隊が管理人たちを連れてくることになっているからな」


『それならよろしいのですが……』

「そう心配するなグリー、これで銀河を二つも横断することなくこの宙域に来られるのだからな」

『……二億光年は長かったですね』


「連続ワープとか無茶をしなければ、かなり日にちがかかるからな……」

『奥様には勝てませんか?』

「勝てないというより、悲しい顔はさせたくないってところだな!」


レオンの父、ニードルのドヤ顔を見て、彼の側付きのアンドロイドのグリーは渋い顔をするのだった。



レオンが飛ばされた場所は、二億光年離れているだけではなくその間には銀河系が二つも存在していた。

ニードルたちは、銀河系を突っ切る形ではなく避ける形でワープの連続使用などを使い二つの銀河系の外側を移動して、この場所にたどり着いたのだ。


まさに、強行軍でどれだけ無茶をしたかニードルたちが知るのはもっと後の話だ。




宇宙歴4261年11月15日、一日オーバーで亜空間ゲートの設置が完了した。

これでいつでも、オーバス運輸の本社がある惑星『ボルトン』へ戻ることができる。

家族経営のオーバス運輸だが、本社兼我が家をほっておくわけにもいかないだろう。



そうこうしているうちに、亜空間ゲートが作動し中から3隻の宇宙船が出てくる。

どれも全長2キロメートルを超える大きな貨物輸送の宇宙船だ。


俺たちはブリッジでその宇宙船の到着を眺めていると、通信が入り応対することにした。


「こちら、第一亜空間試験航行船『ダイナモ―ル』だ。ゲート設置をおこなったオーバス運輸のニードルさんはおられますか?」


俺は艦長席を立つと、目立つ位置まで移動し通信に返答した。


「初めまして、ゲート設置をしたオーバス運輸の宇宙船『ハルマスライン』の艦長兼社長のニードルだ。こんな遠い場所までご苦労様だな」


「何、探査範囲が広がるのは人類にとってはいいことだからな。苦にはならんさ。

それよりも、この場所の亜空間管理は俺たちに任せてくれるんだろう?」


「ああ、星の管理審査官のおススメだからな。

こういう人脈は、普段輸送業務ばかりの俺たちでは分からないところなんでな。餅は餅屋ということで、あんたのところに連絡したんだ」


モニターの向こうで、ダイナモ―ルの代表者が二ッと笑う。


「俺の名前はドルゴ、これから先、長い付き合いになるがよろしく頼むぜ」

「ああ、亜空間ゲートとその周辺の管理をよろしくな!」


こうして通信は切れる。

俺以外のブリッジのものはみんな驚いているようだな。


「……驚いている場合じゃないぞ?ここはドルゴたちに任せて、俺たちは息子に会いにいくぞ!」


そう声をかけると、皆動き出した。

ようやく、ようやくレオンと再会できるのだ。みんな待ち遠しかったに違いないだろう。

勿論俺も、レオンを抱きしめてやりたい。




▽    ▽




通信を着ると、すぐに号令を出す。


「全員作業に取り掛かれ!この一か月で亜空間ゲートを管理する宇宙港を造るんだからな!」

『『『了解です!』』』


そうやって全員が動き出したころ、さっきの通信の相手の宇宙船三隻が青い星に向けて出発した。

何でも、息子が一人でこの宙域に飛ばされたとかなんとか。

で、その息子に会いに行くらしい……。


この仕事を頼まれるときに、奥さんから聞かされた話だ。

だが俺は信じられなかった。なぜなら、飛ばされた息子ってのが6歳のまだガキもガキだからだ。


俺の息子もそうだが、俺自身6歳って言ったらまだわがままに遊んでいたころだ。

その6歳が親の仕事の手伝いができるって、どんだけ天才なんだよ!


……だが、賢い子供にはそれなりの苦労があるようだったな。



まあ、よその子供まで心配しなくていいか。

とりあえず、まず作るのは亜空間ゲートを管理する管理港だ。


これは、宇宙港ではなく亜空間ゲートの管理を主にすることになる。メンテナンスや修復。

場合によっては封鎖をすることができるようにするのだ。


この亜空間ゲートは利用料は徴収されない。なぜなら、星の管理法に基づき設置者が払うことになっているからだ。

今回の場合は、オーバス運輸が支払うことで契約を結んでいる。


また、対宇宙海賊などの犯罪者への抑止力の設置も義務付けられているが、それはオーバス運輸が設置するらしい。


「……オーバス運輸なんて会社、初めて聞いたがかなりのやり手なのか?」


普通はどこかの大手の会社と組んだり、貴族や王族なんかを抱き込んで協力してもらったりするもんだが……。


「まあなんにせよ、俺たちは亜空間ゲートの管理だけをしていればいいんだよな」


そして、異常や盗賊などがゲートを通過したとき連絡するだけだ。

対処は、向こうさんがやるだろう……。








第28話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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