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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
星の管理人に

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第25話 生活空間




宇宙では一日の変化は時間でしか分からない。日が昇ったり沈んだりは衛星軌道上でどのくらいの速度で星を一周するかで変わるからね。


何が言いたいかといえば、ロージーたちと宇宙船ハルマスティのブリッジで緑の星について意見交換をしていたらすでに夜中の時間だったからだ。


どうりでお腹が空くはずだよ、僕はクレアとソフィアを連れて宇宙船ハルマスティの居住区へ移動してきた。


ハルマスティの居住区は、長期航行をする際船員が仮住まいとする区画だ。

ここには僕に割り当てられた部屋があり、ロージー達アンドロイドのメンテナンスや休息をとるための部屋もある。


また、今は空き部屋となっているが船員が増えた時のためにと用意している部屋もあるのだ。




扉の取っ手を僕が握ると、ピッという音とともに鍵が開く音がする。

密閉された宇宙船の中で泥棒なんかいないのだが、この鍵は自動でかかるのもなので外せないのだ。


「どうぞ、僕の部屋へ」


僕が扉を開け、クレアとソフィアを中に招き入れる。

僕に割り当てられた部屋は、マンションの一室のように広い。部屋数もあるしリビングやダイニングまである。


ぶっちゃけ、6歳児が1人で使う部屋ではないな……。


でも、宇宙船ハルマスティに人間で乗り込んでいるのは僕だけなのでこの人間用の部屋は僕一人で使う羽目になるのだ。


「あの、この部屋をご主人様一人でお使いになっているのですか?」

「普通は両親と使う予定だったんだけど、別の船で別の仕事に行ってね、僕一人で使うことになったんだよ」


「しかし、分からんものがいっぱいあるのう……」

「聞いてくれれば、答えるよ?」


僕はキッチンにある冷蔵を開けると、渋い顔になった。


「……飲み物しかないな。普段からこの部屋は、寝る時しか帰ってこないからしょうがないか……」


僕は冷蔵庫を閉めてキッチンを出て、クレアとソフィアが座るリビングのソファに座った。

そして、懐から小型の薄いリモコンのような携帯電話を取り出すと、ブリッジのオリビアに連絡を入れる。


「………あ、オリビア?『はい、どうしたんです?』悪いんだけど、居住区の僕の部屋に食事を届けてくれる?『構いませんよ、どんなものが食べたいですか?』そうだな……この後はお風呂入って寝るだけだし、軽いサンドイッチみたいなものでお願い『畏まりました、少々お待ちくださいね』分かった、よろしくね」


携帯電話を切ると、側にいたクレアとソフィアが驚いた顔をしている。


「……どうしたの?二人とも」

「ご主人様、今、オリビア様の声が聞こえましたが……」

「そうじゃ、お主はそのオリビアと話をしとった……。オリビアの姿は見えぬのに……」


どうやら携帯電話に驚いていたようだ。

そこで、僕は遠距離の人と通話できる魔道具みたいなものだよというと説明すると納得したみたいだ。


クレア曰く、ギルドにはそんな魔道具があるそうだ。ただ、誰でも利用はできないし通話の相手は決まっているそうでギルド間の連絡のみに使っているそうだ。


ソフィアは昔、遠距離念話の魔法があったなと思い出していた。

ただ、魔力をかなり消費するらしく使える者も限定されすぐに廃れてしまったらしい。

いろんな魔法があるものだな……。



少しの間、クレアやソフィアと話をしていると玄関のチャイムが鳴る。


「な、何ですか今の音は?!」

「向こうから聞こえたようじゃが……」


これも驚くのか……。


「部屋の前に誰か来たみたいだ。それと、今の音はそのことを知らせてくれる音なんだよ」


僕がそう言うと、クレアとソフィアは安堵して再びソファに座ってくれた。

僕は玄関に行き、ドアを開けると岡持ちを持ったオリビアが立っていた。


「……岡持ち?」

『はい、料理を運ぶときなどは便利なんですよ。骨董市で見つけたんです』

「へぇ~、あ!3人分頼むの忘れてた……」


『そうだろうと思って、3人前用意しておきました。次からは、人数はちゃんと知らせてくださいね?』

「ゴメン、ありがとうオリビア、助かったよ」


オリビアは笑顔で僕に岡持ちを渡すと、帰っていった。

僕は玄関を閉めて、岡持ちごと中へ入ってクレアたちのもとに行く。


「ご主人様、それなんですか?」

「これ?これはね、料理を入れて運ぶ岡持ちっていうものらしい」

「ほう、面白い物じゃのう」


岡持ちを開けると、中にはお皿にのったサンドイッチと飲み物が3人分入っていた。


「美味しそうなサンドじゃな……」

「サンドイッチを知っているの?ソフィア」

「勿論知っておるぞ、確か青い星にもパンに何か挟む料理があったじゃろ?」


「あ、はい、私も忙しいときはパンに肉などをはさんで食べるときはありますが、料理の一つとして出されたのは初めてです」

「じゃあ、食べようか?」



この後、クレア、ソフィアと一緒にサンドイッチを食べた。

クレアはサンドイッチに興味を持ったのか、いろいろ聞いてきたがソフィアは食べることに夢中だったな。


夕食を済ませた後は、順番に風呂へ入った。

ここでも、クレアとソフィアは驚いていたが使い方を教えると2人で入っていた。

……6歳児とはいえ、女性と入るのは勇気がいる。


無論、2人が出てきた後僕が入った。

風呂の掃除とか後始末をしておかないといけないからね……。


その後はクレアとソフィアの部屋を決めようとしたんだけど、一緒でいいと言われて断り切れなかった。

まあ、ベッドは大きいキングサイズだから問題ないだろう。







第25話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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