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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
オレオン銀河の反乱

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第172話 意外な理由




『……すみませんでした…』


宇宙戦闘艦『マーリン』のブリッジに、男性二人が土下座で謝罪している。

その周りには、オーリーを中心とした女性陣に囲まれて威圧されていた。


不審宇宙船の捕縛はうまくいった。

『ワイヤーネット』ミサイルは、不審宇宙船が通った瞬間反応して『ワイヤーネット』を射出!そのまま不審宇宙船に絡まり、航行不能にしてしまった。


ワイヤーが絡まっただけでなぜ航行不能になるのか?


実は惑星『グラニド』製の宇宙船には、いくつもの姿勢制御ノズルが存在する。

そして、推進力をえるメインブースターノズルは宇宙船の大きさで、数が決まっているらしい。


今回の罠は、そのすべてのノズルを動けなくしてしまったのだ。

それに伴い、宇宙船のコンピューターが航行不能を乗組員に提示して停止することに。

……その後のことは、想像するに容易いだろう。


宇宙船内は、パニックになったというわけだ。


そして、不審宇宙船の側に僕たちの戦闘艦『マーリン』が姿を表せば、降伏するしかない。

僕たちは、その降伏を受け入れ不審宇宙船の代表者と艦長を連行してきて今に至る、というわけだ。



「それで、私たちの後を尾行していた訳を聞きましょうか?」


オーリーの顔が、笑顔なんだけど怖いぞ?

周りにいる女性陣も怖いし……。


『……実は、あなた方宇宙人たちの力を借りたくて……』

「私たちの力?」

『はい、20日ほど前、我々の母星である惑星『グラニド』は崩壊しました』


「『『は?』』」


惑星崩壊?マジですか?!


『原因は、『グラニド』で起こった戦争です。


我々の惑星『グラニド』の周りには、二つの惑星がありどちらもテラホーミングによって住める惑星に変えて繁栄していました。


ところが、先の皆様方との事件により、宇宙人の存在が発覚。

さらに、我々との技術格差を見せつけられ、そんな宇宙人たちと友好関係を気付こうとした者たちと、再び侵攻して技術を奪えという過激派が対立してしまい戦争へ。


そんな戦争から逃げるように、外宇宙へ出て『グラニド』のようにすめる惑星を探そうという者たちが、外宇宙へと旅立ってしまいました……』


まあ、万が一の事態に備えてということだろう。

地球の時は、万が一はなかったけど結局外宇宙へ出て行ったしな……。

『グラニド』の政府の考え、間違ってないと思う。


『そして、数ヶ月で惑星『グラニド』と同じような惑星を見つけ、移住も始まりました。

他にも、いくつか移住できる惑星を見つけ、人々は逃げるように移住していきました。


惑星『グラニド』で起きている戦争から逃げる人たちがいなくなった時、過激派が切り札を使用しました。

それが、惑星核爆弾です……』



……極端な考え方の奴がいたんだな……。


その後の代表者の男の話は、惑星核爆弾を脅しのために政府に提示したが、提案を聞き入れてもらえることはなかった。

戦うこともできない、腰抜けばかりかと惑星核の威力を見せつけようとスイッチを押し、惑星『グラニド』で爆発。


惑星核は、その威力を発揮し惑星『グラニド』は崩壊へカウントダウンが始まり、後は、もう破滅へ一直線だった。


それからわずか二日で、惑星『グラニド』崩壊、爆発した。

その爆発の影響で、『グラニド』の周りにあった惑星にも、星の残骸が隕石として降りかなりの犠牲者を出したそうだ。


……なるほどね、シャロンのもとに来た惑星『グラニド』の動きは、避難のことだったのかもしれないね。



「……それで、私たちのどんな力を借りたいの?」

『お願いします、私たちに新しい星を用意できませんか?』


新しい星?どういうことだろう。

惑星『グラニド』は崩壊した、そして周りの人が住んでいる星にも影響が出た……。

ということは、結論は一つだね。


「どういうこと?新しい星って……」

「ねぇ、もしかして惑星『グラニド』の周りの星にも崩壊の予兆が出ているの?」


正座していた代表と艦長は、艦長席に座って傍観してた僕を凝視する。

……どうやら、正解だったようだ。



「崩壊の予兆って、どういうこと?」

「オーリー、そのままの意味だよ。

惑星『グラニド』崩壊の影響が、他の惑星にも出ていたんだよ。

……そうですよね?」


『はい、テラホーミングで住めるようになった惑星に降り注いだ『グラニド』の残骸が、重大な影響を与えていたようで……』

『お願いします!時間が無いんです、後をつけていたことは謝ります。

我々人類を、助けてください!』


そう言うと、二人そろって再び土下座する。

床に頭をこすりつけるように……。


オーリーたちは、困惑している。

それを見ていた僕は、立ち上がりすぐに指示を出した。


「アシュリー、シャロンに連絡!さっきの話を教えてあげて」

『りょ、了解です!』

「エリーは、ドワーフロボットを連れて彼らの宇宙船に絡んでいるワイヤーの撤去を!」

『任せて~』


そこに、モリーとロビンも手を上げる。


『私たちもお手伝いします!』


そう言ってブリッジを出て行った。

残ったのは、オーリーとユリアさんと僕。


「ユリアさん、その2人を向こうの宇宙船に送ってあげてください。

簡易通路の側まででいいですから。

その後、けん引アンカーを取り付けてシャロンの元まで戻ります」


「分かりました」


ユリアさんは、二人を絶たせると、ブリッジを出て送って行った。

二人の男性は、僕にお礼を言っていたがこれからどうなるかはシャロン次第だろう。


「……それにしても、意外な理由だったわね」

「惑星の崩壊のこと?」

「そうよ、惑星『グラニド』のことはシャロンから聞いていたけど、こんな結末になるとはね~」


「宇宙は、何が起きるか分からないからね……」


その後シャロンと連絡をとり、ワイヤーを回収して相手の宇宙船を引っ張って出発するのに、一日かかることになった……。







第172話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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