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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
青い星を発見して

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第17話 オークション 1




宇宙歴4261年10月12日、ディルナートの町の商業ギルドの隣の建物でオークションが開催される。

普段、この建物は劇場として使われているらしいが今日は商業ギルド主催のオークション会場というわけだ。


僕が商業ギルドに売った宝石は、全部で金貨1622枚になった。


滅多にお目にかかれない意匠や宝石の大きさなどが決め手になったのだとか。

ギルド職員のミリーの話では、オークションでは一品一品バラバラで売った方が大金が動くことになり儲かるそうだ。


で、僕はオークションでロージーたちのお土産を探すことに。

金貨1500枚もあれば、いい物を買うことができるだろう。




会場入りは早くて朝の鐘三つ時、僕たちの時間にして朝9時ぐらいか。

その頃に、アルと一緒に会場に入ると番号札と一緒に仮面を渡された。何でも正体を隠す人ようなのだとか。


オークション参加者の中には貴族階級の人たちもいて、目をつけられないように顔を隠して参加する人が多いらしい。


勿論、僕とアルも面倒ごとに巻き込まれないように、仮面をして席に着く。



僕とアルに用意された席は一般席の一番後ろ。

参加申し込みの順番が遅かったので、この位置になったんだろう。僕たちよりも遅く参加して人が何人かいて『参加申し込みが遅かったか~』との嘆きが聞こえてきた。


僕とアルが席に着き、しばらくすると入り口のドアが閉じられ会場内が暗闇に包まれる。

そして、辺りに響く司会者の声。


『皆様、大変長らくお待たせいたしました!これよりディルナートオークションを開催いたします!』


司会者の開催宣言に、会場内から割れんばかりの拍手が送られる。


『……ありがとうございます。では、これよりルールの説明とまいります。毎回……』


司会者のルール説明が始まると、会場内が少しざわつき始める。毎回参加している人にとってはルール説明など聞く必要のない事なのだろう。


だが僕は初めての参加なので、ルールは聞いておく。


ルールの中身はマナーを守ることや、オークションでは身分は関係なく入札できるとか当たり前のことを言っている。

また、落札品の受け取りはオークション終了後、お金と引き換えに渡されるみたいで、主催者に借りることやつけはできないとのこと。


また商品を渡した後のことは責任持たないことまで言っている。

……これは、襲撃騒動がありそうな予感だな。




『それでは、オークションを始めます!まずは、エントリーナンバー1番!ニバルの飛び出すメイドの絵です。

これは、さる貴族家のために書かれた呪いの絵でしたが、この度、商業ギルドが手に入れることが出来ました。現在は封じの額に入っており、呪いが発動することはございません。


では金貨1枚からのスタートです!』


……すごいオークションだなここ。

最初から何という品が出てくるんだよ。どこかの貴族家を呪うために書かれた絵?今は呪いを発動しない?確かに絵画としても価値がありそうだけど……。


『68番、金貨150枚で落札です!』


……一体あの絵を何に使うのかな?まさか飾って眺めるだけ?

こんなふうに始まったオークション、出てくる品物は驚くものばかりだ。


最初は絵画などの美術品?と呼ばれるもの。次は武器が出てくる。

出てくる商品は、どれも魔法付与がかかった魔法の武器たち。僕には用がなかったのでこんなものもあるんだと見学していくと、次が防具類だ。


防具類の出品も魔法が付与されたものが多かったが、中には本物?と疑うようなものも出ていた。それが…。


『エントリーナンバー144、ネルデール王国第三王女ニルビナ・ネルデール様の寝室着上下、合わせてです。

皆様ご存じのわが王国の至宝、第三王女のニルビナ様の寝室で着られる服が出品されました。これは第三王女の側近らしき人から王女の許可を得て出品されたものですので、本物です!


では、金貨100枚からスタートです!』


僕は耳を疑ったね、そして、入札している人たちの鼻息の荒いこと……。

一番後ろに座っている僕にまで、どこからか聞こえてくるんだから。


でも、落札者はこの服をどうするつもりなのかね~。



防具類のオークションが終われば、次はアクセサリーになる。

貴族で参加している人たちがやる気になるのは、ここからだろう。

特に、貴婦人様たちの目の色が変わったような気がする。仮面越しだけど……。



『エントリーナンバー197、ダイヤモンドとアーチ金属の指環です。

こちらは、最近商業ギルドで買い取った大変珍しい意匠の指環でございます。今まで世間に出回ったことのない斬新なデザインは、落札したあなただけの指環となりましょう。

また、すべての人が嵌めることのできるアーチ金属で指輪を造っていることから、どのようなご婦人にも似合うこと間違いなし。


では、金貨10枚からスタートです!』


あれは、僕がこの間売った指輪の一つだ。

でも、アーチ金属ってものでできていたのか。それにすべての人が嵌めることができるってどうゆうことだろう?


「なあ、アーチ金属ってどんな金属なのか教えてくれ」

「……お前、本当に学園の生徒か?」

「いいから教えてくれよ……」


僕の座っているすぐ前の学生らしき二人が、アーチ金属について話し始めた。

……僕も気になる!


「アーチ金属っていうのは、抵抗が全くないどんなものも触ることができる金属のことだ」

「……それで?」

「……あのな、この世にはある種族には触ることができない金属というのがあるだろ?」


「そういえば、魔法金属の反属性のものには触れないな……」

「他にも、聖属性がダメだったり生まれつき金属に触れない人だっている」

「そうか、アーチ金属ってのはそんな条件なしで誰でも触れる金属ってことか」


「しかも、アーチ金属はこの世界には存在しないんだよ」

「え、それってどういうことだよ……」


「アーチ金属は、空から落ちてきた金属、所謂神の落とした金属って言われているんだよ」


………。

もしかして、商業ギルドに買いたたかれた?







第17話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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