第136話 帰還に向けて
僕がモニター越しに謝っている姿は、側にいるシャロンや許嫁のオーリーからは見られているわけで……。
モニターに映っている金髪碧眼の美女たちに、オーリーは側にいるシャロンに質問していた。
「ねぇ、あのモニターの向こうで腕を組んで怒っているのが、レオン君のアンドロイドたちなの?」
「そうよ、一番手前にいる肩まで髪を伸ばし、少しウェーブがかかっている子がロージー。レオン君のアンドロイドの中で、リーダー的存在ね。
その右後ろの後ろで髪をまとめているのが、アシュリー。
そして、左後ろにいるのがオリビア。彼女だけ髪の色が薄いグレーなのは、制作会社が違うからよ。
あと、モニターには映ってないけど、シンシア、マリアと2人いるから向こうに行って確かめてね」
「レオン君の側には、たくさんいるのね~」
「レオン君は、星の管理人だからね。それだけ大変なんでしょうね」
シャロン、オーリー、その会話、丸聞こえなんだけど?
あと、僕の側にアンドロイドが多いのは、父さんと母さんに押し付けられたのが最大の理由だよ。
マーティニック社の傘下になるとき、親会社からのご厚意でアンドロイドを融通してもらったんだよね。
もちろんその時、父さんたちや僕には、側にエリー達教育係みたいなアンドロイドがいたんだけど仕事が増えると手が回らないだろうという親会社の親心で、融通してもらった。
そんなわけだから融通してもらったアンドロイドたちをどうするかで、父さんたちは僕に押し付けたんだよ。
そういうわけで、僕の側にはこんなにアンドロイドがいることになった。
でも、今では父さんたちに押し付けられたことに感謝している。
星の管理人になる前から、退屈しなくて毎日が楽しかったからね。
アンドロイドとはいえ、僕にとっては人と同じような感覚で話してしまうんだよね。
前世には、アンドロイドなんて想像の中でしかなかったし。
『聞いているのですか?若旦那!』
「は、はい、聞いています、聞いていますよロージー」
『とにかく、報告書など仕事が溜まっていますからすぐに帰ってきてください!
よろしいですね?若旦那』
「了解しました!すぐに帰還します!」
そう僕が宣言すると、満足したのかロージーたちは頷いて通信を切った。
……あ~、怖かった。
「シャロン、そういうわけなんですぐに帰るね」
「レオン君も大変ね~尻にひかれて」
シャロンはニヤニヤしながら、僕をからかってくる。
オーリーも、何故かニヤニヤしていた。
「まあ、こんな長い期間お邪魔しちゃった私たちもいけなかったんだし、早く帰りましょうか」
「オーリー、また遊びにきてね?」
「ええ、今度はちゃんと休みを取って遊びに来るわね」
シャロンとオーリーはお互いを友達として、認識したようだ。
連れてきてよかったけど、こんなにここで過ごすことになるとは思いもよらなかった。
「エリー、『マーリン』のチェックは終わった?」
『はい、いつでも発進できますよ~』
戦闘艦『マーリン』の船体チェックも終わっているようだし、すぐに出発といくか。
これ以上、ロージーたちを怒らせるわけにはいかないし報告書が大変だしね。
それにしても、シャロンとオーリーが、こんなに仲良くなるとは……。
僕の管理する惑星『青い星』に、近い場所の知り合いを紹介しておこうと寄ってしまったのが悪かった。
シャロンもオーリーも年の近い友達なんていなかったから、喋り出すと止まらないんだよね。
シャロンの使命っていうのか、そのことにしてもオーリーなりの意見をズバズバいうし。
またそれが、的確だから困ったものだ。
シャロンなんて、頷きながら聞いて、計画を直していたし。
オーリーも、シャロンの仕事が面白くて、手伝いだしたし。
そして、気づいてみれば親友と呼べる仲になっていた。
そんなわけで、何日もここに足止めというわけだ。
で、僕はやることがないので新しくもらった最新のアンドロイドを起動させることにした。
一体は、オーリーに付けることにしているし、ちょうどいいだろうというわけだ。
そして起動したのが、オーリーの後ろに立っているユリアさんの横にいる女性。
名前はロビン。金髪碧眼の美人さんで、薄い赤のラインが髪に入っている。
髪は短めで耳が見えている。
また特徴としては、メガネをかけていることかな。
アンドロイドにメガネなんて珍しいみたいだが、視力が弱いわけじゃない。
なぜなら、伊達メガネだからね。たぶんファッションなのだろう。
もう一体のアンドロイドは、木の箱から出して初めて分かったがメーカーが別のものだった。
箱の中に入っていた説明書を見ると、ロージーたちを造った『リニシィ』から独立した新しい製造会社らしい。
で、その最初のアンドロイドだそうだ。
名前は、モリー。薄い緑の髪で青い瞳をしている。
肩まで伸びた髪は、少しウェーブがかかっていてフワフワだ。
あと、ロビンもモリーもスタイルが良くて胸が大きい。説明書にはFカップと記されていた。
身長も170センチあるようで、まさに魅力的だね。
初めてロビンとモリーの姿を見た時は、シャロンとオーリーの視線が怖かったけど、今は何ともない。
『若旦那、オーリー様の用意が出来ましたので『マーリン』に戻りましょう』
「うん、わかった」
さて、急いで『青い星』に帰りますか……。
第136話を読んでくれてありがとうございます。
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