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転生先は宇宙船の中でした  作者: 光晴さん
許嫁騒動

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第125話 許嫁候補




宇宙歴4263年4月10日、人質救出作戦から一月がたちようやく、僕の報告書地獄が終わった。

通常の報告書に目を通し終わると、暇な時間ができるようになったのだ。


そういえば、もうすぐ里帰りをしないといけなかったな……。

今回の僕の誕生日は、家族そろってお祝いをすると父さんから約束させられていて、その間だけでも実家に帰らないといけないのだ。


今回、実家に連れて行くのはエリーだけ。

他のロージー達アンドロイドは、僕がいない間の臨時の星の管理人をしてもらうことになる。


臨時とはいえ、何も無いと思うし大丈夫だろう。

もし何かあれば、僕にすぐに連絡するように言ってあるしね。



『確か、今回の誕生日で許嫁が決まるとか。

おめでとうございます、若旦那』

『『『おめでとうございます』』』


同じ艦長室で報告書を読み終わって雑談している所に、ロージーが今回の実家に帰ることで許嫁が決まるって話を言ってきた。


そして、皆のおめでとうだ。


「ありがとう、でも、僕はあんまりうれしくないんだけどね」


『何故です?今の世の中、なかなか出会いがあるわけではありません。

世の男性方はまだ、どこかの惑星の都市で仕事をしていますから出会いはありますが、若旦那は星の管理人。

早々に出会いがあるとは思えませんから、社長が気をきかせて許嫁を探したんだと思いますよ?』


ロージーの意見ももっとなんだけど、気をきかせてというより心配してだろうな、父さんの場合。

父さんも母さんと出会うまで、かなり時間がかかったって聞いたことがあるからな……。


どこかの惑星の都市で働く人は結婚しやすくて、宇宙に出て働く人は結婚しにくいってことだから、宇宙に出る仕事は人気がないのかもね。



『そうそう、それに今は重婚も珍しくないし、気になる相手が見つかったら許嫁なり奥さんなりに話して許可をもらって結婚すればいいじゃないですか?』


アシュリー、世の中そんなにうまくいくわけないでしょ。

確かに、宗教が地方のものになり法律にも重婚が認められるようになっているけど、結婚は一人ではできないんだよ。


そこには相手の気持ちが入ってくるわけで、相手がどう思うかですべてが変わるんだよね。

ハーレム、逆ハーレムがしやすい世の中ではあるけど、その分人の気持ちに配慮しないとすぐに破綻だよ……。



「いいじゃないですかって、その時の許嫁か奥さんが二人目を認めてくれるか?」

『だからこそ、話し合いでしょう。

二人目も三人目も、仲が良ければうまくいくんですから』


マリア、それどこからの知識だよ……。

前世で、結婚もできずに終わった僕としては今世でもどう接していいか分からないんだよね。

女の人は魔物だよ、ほんと何考えているのか分からない。


「まあ、そういうことは相手と会ってからだな……」

『そういえば、社長に相手が誰なのか内緒にされてましたね』


「ロージーは、相手が誰なのか知っているの?」

『いいえ、知りませんよ。若旦那に近いものに、情報が来るわけないでしょ』

「それもそうか……」


僕の許嫁か、どんな人なんだろうね~。




▽    ▽




惑星『ローフ』の衛星軌道上に浮かぶ宇宙船『エリザベート』のブリッジでは、シャロンが父からのメッセージを見てプルプルと震えていた。


「あのシャロン様、アンドリュー様も悪気があってこのようなメッセージを送ってこられたわけではないと思いますので……」


シャロンが震えるほど怒っているのも、自分の父親からのメッセージを見てからだ。

その内容は、ふざけているといってもいい内容だった。


「だからといってこの内容は何?!

私がレオン君と結婚?!どうしてそんな話になるの!!」


まったくふざけてる、レオン君とはいいお友達で、恋愛感情なんて持っていないのに。

それに、前世持ちで命の恩人、いろいろ相談にものってくれるいいアドバイザーでもある。


「しかも、我がロスティック家がマーティン家に遅れをとるわけにはいかないって、私に何の関係があるのよ!」


「まあまあ、落ち着いてくださいシャロン様。

おそらく、今度ご家族で開催される誕生日会でレオン君のお父様から紹介される許嫁が、マーティン家に近しいものということでしょう」


「だから、それとこれとどういう関係が……」


「アンドリュー様は、シャロン様からレオン君が将来有望な少年と聞かされています。

そんなレオン君が、ライバルのマーティン家にとられるのが悔しいのでしょう」


「……それで私に、レオン君と結婚しろと?」

「おそらくは……」


いい加減、お父様も他の家をライバル視するのはやめた方がいいというのに……。

競ったところで、何にもならないでしょうが。


時には、助け合うぐらいの気概を見せてほしいわね……。


「それじゃあ、今度レオン君に紹介されるのはマーティン家の女性ってことよね?」

「私、少し調べてみたのですが……」


ケニー、あなたこんな忙しいときに何を調べているのよ……。

『オレオン銀河』をまとめ上げないといけないのよ?それも10年以内に……。


「それで、何か分かったの?」

「はい、マーティン家で今回レオン君の許嫁になりそうな女性は3人。

年齢や容姿、後はマーティン家のどんなポジションかを調べますと3人だけになります」


「3人ね……名前は分かったの?」

「はい、マーティン家の現当主には21人の孫娘がおります。

その中で、レオン君と許嫁になりそうな3人が、オーリー・スエル・マーティン12歳。

ステラ・スエル・マーティン17歳、エリザベス・スエラ・マーティン10歳です」


「あら、スエラ?」

「はい、3人目は母親が違うので」


オーリーにステラにエリザベスか、レオン君は誰を連れてくるのか楽しみね。

紹介してくれたら、友達になりたいわ。








第125話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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