第100話 ダンジョン探査
初心者ダンジョン第二階層。
今僕たちは、ここを歩いている。
先頭がアレクとルーク、次に僕とアルがいて、マヤ、エヴァと続く。
「このダンジョンは、初心者ダンジョンといわれているけど本当はそんな区別はないんだよ。
ではなぜ、初心者ダンジョンなんて呼ばれるのか。
それは、ダンジョンの最大階層でランク付けしているからなんだ」
ダンジョンを進みながら、僕とアルの側にいるポーターのマヤさんが説明をしてくれる。
ダンジョンの案内を頼んだから、こんなふうに案内をしてくれるのは嬉しいね。
それに、分からないことがあればその都度聞くと答えてくれるし。
「今は、出てくる魔物はゴブリンがほとんどだけど、これには理由があるんだよ。
ダンジョンの魔物は、同じ種類の魔物が出やすいんだ」
「同じ種類というと、ゴブリンなら出てもゴブリンの上位種だけ?」
「そう、またはゴブリンの変異種の色違いのゴブリンとかだね」
色違いのゴブリンか……。
この階層で出てくるゴブリンは、緑だけどマヤさんの話では黒ゴブリンが有名だとか。
黒ゴブリンは、緑のゴブリンよりも固く素早いそうで、討伐ランクも二つぐらい上がるとか。
「ダンジョンの内壁は、各ダンジョンによって異なってくるんだ。
この初心者ダンジョンの内壁は、遺跡のような石壁だけど、中には洞窟のような土壁やレンガ壁、また、木でできたものもあるんだ。
さらに、ダンジョンにはダンジョンの外に出てしまったのではと思えてしまう階層も存在してる。
それが、疑似自然階層だ」
「その階層は外の景色と、区別がつかないの?」
「そんなことはないよ、上を見ればダンジョンの中だって分かるし、階層入り口には、上から降りてきた階段も見えている。
ただ、次に降りる階段は見えないようになっているんだよね……」
ダンジョンって、本当にファンタジー小説の通りの場所のようだ。
この星から一歩外に出れば、そこは科学の世界。
本当に不思議だよね、剣と魔法のファンタジー世界になっている星は。
▽ ▽
初心者ダンジョン第四階層。
レオン君とアルさんを、案内しながらダンジョンを進む。
この階層は、チビオークが出る階層だ。
チビオーク、通常のオークの小さいやつ。オークの変異種としてダンジョンにしか出てこない魔物だ。
チビオークは、ゴブリンと背の高さは変わらない。
なのに能力は、通常のオークとほぼ同じっていうのだからやっかいな魔物だ。
俺たちを襲う時も、二、三匹で襲ってくるし盾役の俺は大変なんだぜ。
案内役の俺たちの大変さを分かったんだろうな、レオン君やアルさんが戦闘に加わってくれた。
最初は、危ないってみんなで反対したんだが、戦闘に参加させてみれば次々にチビオークを叩きのめす。
レオン君もアルさんも、武器を持ってなかったからおかしいなとは思っていたが、武術でチビオークを叩きのめすとは。
しかも、子供のレオン君の蹴りで、チビオークが10メートルぐらい飛ばされた時は本当に顎が外れるほど驚いてしまった。
でも、頼もしいのも反面不安なこともあるんだよ。
レオン君とアルさんは気づいてないようだけど、階層が下がるにつれて俺たちはなぜか息苦しくなっているんだ……。
そんな罠があるとは、聞いたことないはずなのに……。
▽ ▽
初心者ダンジョン第六階層。
この階層に降りてくると、ポーターのマヤさんがもう駄目と、苦しみだしその場に座り込んでしまった。
それをかわきりに、エヴァさんも苦しみだし、ルークさん、アレクさんもその場に座り込んでしまった。
「ど、どうしたんですか?この階層に何かあるんですか?」
「な、何で、こんなに、苦しく……」
どうやら、マヤさんたちにも分からないらしい。
しかし、どうすればいいのか僕はオロオロしてしまうだけ。
アルは、こんなところを魔物に襲われてはと、周囲の警戒をしている。
「……そ、そうだ、思い出した!これは、隷属の、呪いだ……」
「隷属の呪いですか?ルークさん」
ということは、皆が苦しんでいる原因は、その首輪にあるってことか。
「き、聞いた、ことが、あるわ。隷属の、契約者と、一定の距離、離れると、発動する、呪いがある、と……」
「じゃ、じゃあ、この、苦しみ、は…」
契約者と離れると発動するってことは、もしかして……。
「クソ、俺たちは、捨てられた、って、事、か…」
「しかも、レオン君、たちに、責任が、あるように……」
……なるほど、いらなくなった奴隷をただ廃棄するんじゃなくて、依頼中の事故にでも見せかけて廃棄。
奴隷が死んだのは、僕たちの依頼が原因と賠償でも求めようってことか……。
「く、そんなこと、させられるか!」
アレクは、自分の首に付けていたタグを引き千切り、僕に渡してくる。
他のみんなも、アレクの意図を理解したのか同じようにぼくに渡してきた。
「これを、ギルドに、渡せば、事故で、死んだことになる。
賠償、を、求め、られることも……」
と言いかけて、アレクは気を失って倒れた。
他のみんなも、限界とばかりに気を失っている。
「……アル、いらない奴隷なら僕たちがもらってもいいよね?」
『じゃな、後はギルドでうまくやってくれるじゃろ……』
僕は、亜空間倉庫からクレアたちを奴隷から解放した魔道具を取り出し、アレクたち四人を奴隷から解放してやる。
大きな音とともに、隷属の首輪が外れアレクたちの顔色は戻った。
でも、気を失ったままだ。
そこで、亜空間ドックからドワーフロボを出しアレクたちを一時亜空間ドックの中に匿うことにした。
「さて、帰ってこのタグをギルドに提出するか、アル」
『アレクとルークを助けたんじゃ、後の二人も』
「ああ、これから忙しくなるぞ」
あると今後のことを確認して、僕たちはダンジョンを引き返し始めた。
第100話を読んでくれてありがとうございます。
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