転生神なんだが、姉妹百合はサイコーだな!
『雨水ラブコメ企画』の参加作品です。
企画の詳細はこちら
https://twitter.com/runandesu/status/944849017267134465
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/450796/blogkey/1859813/
※ガチの姉妹百合やTS百合要素が多分に含まれております。
こちらは2作品目となります。
1作品目
『百合好きが美少女三姉妹の長女にTS転生した結果がこちら』
https://ncode.syosetu.com/n9088eo/
のキャラクターなどは流用しておりますが、読まなくても大丈夫です。
うっす、オレ転生神。
最近の趣味はとある転生者の一日を眺めていることだ。
転生神なにそれ、だって?
今時、転生神を知らないとか本気?
しょうがない、特別に教えてしんぜよう!
転生神とは、魂を宿す肉体が朽ちたとき魂が次の肉体へ移る為に、魂の記憶や穢れなどを浄化し、次の命へ導く存在だ。簡単に言えば『輪廻転生』を司る神だと思ってくれ。
そんな存在であるオレが何をしているかというと、モニターの様なモノで1人の少女の人生を眺めている。
この娘は、ただの少女じゃーない。
彼女の魂は、本来ならば浄化され消えるはずだった前世の記憶を持っており、
心は男! 体は美少女! とおもしろゲフンゲフン、貴重な存在だ。
ワザとやっただろ? もちろんワザとだ。しかし、これには訳がある。
今世の名前は夕凪 春乃。
前世ではオッサンだった彼女は、とても良いおこないをし、それに感銘を受けたオレは彼の魂を浄化せずにそのまま転生させた。
その理由は何か。
暴走トラックに轢かれそうになった百合カップルを、自らを犠牲に助け出したのだ。なんとすばらしい! オッサンという事を目をつぶればとても素晴らしいことだ!
彼の朽ちた体から抜けでた魂を覗き見れば、コイツも大の百合好きというではないか。
なになに、なるほど。次に生まれ変わるとしたら百合を間近で眺めていたいと。まかせろ。同志の願い、しかと聞き届けた!
という訳で、可能性が高そうな夫婦の間の娘として転生させてあげたわけだ。 え? だって、女の子の方が百合が間近でみやすいじゃん。見ているオレも癒されるしで一石二鳥だ!
そして何がどうして、これが面白い結果になった。
「お姉、大好き!」
「春姉ぇ好き」
美少女2人から熱烈な好意を寄せられる事に。それもなんと、相手は妹なのだから面白い!
禁断の姉妹百合、サイコーだねぇぇぇッ!
お姉呼びの娘は次女で朱梨。次に、春姉ぇ呼びは三女で衣緒乃。どちらも違った美少女で、次女は赤茶ポニーテルでちょっとツリ目な活発系。三女は薄水色の髪に少し半目気味なちょっと不思議ちゃんっぽいホンワカ系。どちらも春乃のことになると抜群の行動力を発揮するシスコンたちだ。
そして、春乃はカールした薄ピンク色の髪に少し垂れ気味の眼で、こちらも美少女だ。
百合好き夫婦の間に転生させたら面白そうだと思ったら、こんな事になるとは。
まさに現実は小説よりも奇なり。
えっよく見たら妹2人の魂が、春乃が前世で助けた百合カップルのモノだって?
ハッハッハッ。グウゼンダヨ、グウゼン。
まぁ転生神の力を使えば、死期が違っても同じところにゲフンゲフン。
助けてくれた春乃の前世を、少なからず想っていたのでちょっとしたサービスだ。
最近では、春乃を独り占めしたい妹たちによる三角関係がとても楽しい。
何故なら春乃大好きな年頃の妹たちが、今まで以上に苛烈なアピール合戦を開始したのだ。
それは春乃がお風呂で体を洗おうとした時。
突如バッと風呂場のドアが開き、
「お姉、背中流してあげるわ!」
「えっ!?」
全裸の朱梨が突入してきた!
大きくなってからは一緒にお風呂へ入らなくなった妹たちだが、急に朱梨の方から一緒に入ると言い出した。それもタオル一枚で入ってきのだから、心は男の春乃は顔を染めて驚いた。
久しぶりに見た妹の裸体は、そりゃあもう良く育っているからな!
内心ドキドキな春乃である。
春乃は一緒に入らなくなった理由が、年頃だしお姉ちゃんと一緒に入るのは恥ずかしいよねと、考えていたらしいが実際のところ、大好きすぎる故に春乃の裸を見てイロイロと抑えが利かなくなりそうだから一緒に入らなくなったのだ。
年を重ねるごとに大きく胸が一番の原因だろうな!
実際にほら、春乃の肢体を見た朱梨の鼻から赤いモノが。
「朱梨、鼻! 鼻から血が!」
「クッ……やっぱりお姉の裸は破壊力が高すぎる(ボソッ」
「朱梨大丈夫?!」
「あぁそんな胸を弾ませて近づかれたら……!」
「あっ朱梨ーーー!!!」
最終兵器により、不埒な侵入者は撃退された。
揺れる春乃の生乳を見て気絶した不埒な侵入者を抱きしめた春乃が覗き込んだ顔は、大そう幸せそうだったとさ。
しかし、これでは終わらないのがこの姉妹。
案の定、恋敵の朱梨がお風呂に突入したと聞けば、衣緒乃も黙ってはいない。
「春姉ぇ、背中を・・・・・グフッ」
衣緒乃は風呂場に入った瞬間、春乃の裸を見て片膝を突いた。
初っ端から重傷!
「ヤヴァイ、春姉ぇの裸……マジ尊い……グフッ」
「衣緒乃ぉ!?」
突如膝を突く妹に驚いて、前かがみになる春乃。
やめろ、それはトドメになるぞ!
オレの声むなしく、それは起こってしまった。
「大丈夫、春ね……オフッ…………(バタッ」
「衣緒乃ぉぉおおおおお!!!」
妹を気遣って前かがみになった春乃。しかしそのせいで凶悪な凶器が衣緒乃の目前に。春乃へ返事をしようと顔を上げれば、大きなメロンが眼と鼻の先。
彼女の顔もまた、幸せそうな表情だったとだけ言っておこう。無論、赤い線が添えられていたのは言うまでもないな。
いやーまったく、春乃も罪作りな女だねぇ。
そんなことがあり、アピール合戦は更なる盛り上がりを見せるかと思いきや、妹たちは冷戦状態に入り相手がより過激なスキンシップを取らないように、けん制し合っていた。
例えば朝食の席。
いつもは奪い合うようにして春乃の横に座る妹たちであったが、席を春乃の正面を2人で陣取り、微笑み合いながら机の下で抓り蹴り合いのを繰り広げていた。
そして争いの元である本人には、
『妹が妹に奪われた!?』
と勘違いを起こしている。
クソワロタ。
あれだけスキスキアピールされているのにも関わらずこの勘違い。前世でもカノジョが居たことがないせいか、自分に自信がなくて鈍感なきらいがあるのだが、本当に面白い勘違いを起こしてくれる。
『あれ、でもこれは望んでいた姉妹百合を眺められるチャンスでは…………?』
そしてこれだ。
本当に度し難いほどの百合好き。
妹たちよ、春乃のやつはトンデモナイ方へ思考が向かっているぞ。
さらに数日が経ち、妹たちが百合百合し合っている(ように見える)のを眺めてニコニコな春乃。お互いにけん制し合っているせいで春乃と全く触れ合えていない朱梨と衣緒乃。
その結果、妹たち曰く『春乃ニウム』なるモノが切れかけてきて禁断症状が出てきていた。
『春乃ニウム』とは春乃と触れ合い、匂いや体温などから補充できる成分で、一定時間触れ合わないでいると減っていくらしい。
ここ数日間、互いに触れ合いを邪魔しているせいで全く摂取できておらず、春乃を愛してやまないシスコンたちにとって、これは致命的だった。
そして、ことが起こったのはとある深夜。
「春姉ぇ……春姉どこぉ」
ついに耐えきれなくなり、衣緒乃は寝静まった廊下を夢遊病患者のごとフラフラと何かを求めるように脱衣所へ。
「あ、春姉ぇのパンツ……クンカクンカすーはすーは」
籠の中から白い布キレを取り出すと、鼻に押し当てて嗅ぎ始めた。
ていうか、誰の物か分かるのかよ!
え? ツッコミどころが違う? とりあえず、見なかったことにしよう。
とてもイケないモノを見た気分になり、そっとチャンネルを切り替えてもう一人の妹のほうへ変えてみた。
「お姉……お姉…………」
こちらも、うわ言を呟きながらゾンビのような足取りで渡り廊下を歩いていた。
この姉妹、もう色々とダメかもしれないな。
少し遠い目をしながら、もう1度、嗅ぎ終わっているであろう衣緒乃の方へチャンネルを変えてみる。
「春姉ぇ……春姉ぇ……」
パンツだけでは足りなかったのか、本体が居る部屋へ足を動かしていた。
春乃ニウム、マジやばくねぇ?
すると春乃の部屋の前で朱梨と衣緒乃がブッキング。
「衣緒乃……」
「朱姉ぇ……」
春乃ニウムが足りないせいか、互いを呼ぶ声にいつもの元気がないな。
「スンスン。衣緒乃、なんでアンタからお姉の匂いがするの!」
え、なにこの娘。パンツを所持していることを匂いで察したのか!?
こわ。人間やめてるだろ!
「フッフッフッ、お宝ゲット」
高々と掲げられるのは、先ほどまで衣緒乃が嗅いでいた春乃のパンツ。
いやいや、ドヤ顔する場面じゃないから!
「そうだった、脱衣所に行けばお姉の下着や服があったわね! 私も盗ってこなきゃ。衣緒乃、私もお姉の下着で我慢するからアンタもそれで我慢しなさい」
「……わかった」
分かっちゃうの?! いいのかそれで! 本当にいいのか!
そのまま春乃を襲っちまえよ!!!
というか普通に盗ってくるのな……。
あともう少しで本人が居るというのに、下着で我慢するとは何ともじれったい2人だ。え? だからツッコミどころが違うって? キノセイダヨ。
そう思っていた時期が、オレにもありました。
「やっぱりお姉のブラだけじゃ足りないわ!」
デ・ス・ヨ・ネーーーー!
「流石に昨日の今日なら衣緒乃の邪魔もないはず……そろーりそろーり」
ぬき足さし足で春乃の部屋へ歩いていく朱梨の眼は、完全に獲物を狩る者のソレになっている。
あっこれ終わったな。もちろん性的な意味で。
よっしゃー! さーこい、ばっちこーい!
ちゃんと最後まで見届けてやるからな! 何を? ナニをだよ!!!
転生させた神としては、最後までしっかりと見届けてあげないとな!
鼻息を荒くしながら画面を見つめていると、ついに朱梨が部屋へ侵入。
「お姉ぇ……もう我慢できない!」
静かに、そして荒々しい声。しかし声とは裏腹にコソコソと布団へ潜り込む。
「お姉!」
そして横になって寝ている春乃を後ろから、抱きしめるように魔の手が伸びる!
モミモミッ
「アンッ」
「この胸の大きさ、そしてこの声…………衣緒乃ぉ!」
朱梨に胸を鷲掴みにされたのは、こっそりと先に布団へ侵入していた衣緒乃だった。
やっぱり姉妹なだけあって、考えることは一緒か。
なんとも微妙な結果に、ついほのぼのとしてしまったが、本人たちはそれどころではない。
「アンタ、また抜け駆けして!」
「フッフッフッ。でも、そのおかげで大切なものが守れた」
「な、なによ」
「もち、春姉ぇの貞操」
「クッ! でも、それを言うなら衣緒乃だって――――」
「私は春姉ぇの体温を感じていただけ。だからノープログレム」
いや、オレは知っているぞ!
この神様の眼で記憶を見たら、ちゃっかり服の中に手を忍び込ませイロイロと触っていたことを!!!
コソコソしているとはいえ、騒いでいることには変わりがない。
「んん~」
声に反応して春乃は体の向きを反対へ寝返りをうつ。朱梨たちの方へと変え、目の前にいる衣緒乃を抱きしめた。
まるで、求めるかのようにギュッと。
「おっお姉、もしかして……起きちゃった?」
「いや、春姉ぇはこれぐらいじゃ起きないはず」
すぐさま、2人が耳を済ませれば静かな寝息が聞こえてきた。
そしてポツリッと、
「朱梨……衣緒乃……」
寝言と一緒に、閉じた瞼から一滴の輝きが流れ落ちる。
百合が大好きで、妹たちの百合が観れて嬉しい! と思っていても、いままで好意を向けて甘えて来てくれた2人が急に距離を置いたように甘えてこなくなったのだ。
寂しくないわけがない。
心は前世のままで、妹たちを異性としても意識していたのだから余計だろう。
「お姉…………」
「春姉ぇ…………」
そうだよな、やっぱり辛いよな。
好きな人を1人にして泣かせてしまったことが。
きっとその事実にこの2人は――――
「「早くお姉(春姉ぇ)の貞操を奪ってあげなきゃ!」」
なんでそうなる!?
「「お姉(春姉ぇ)、身も心も1つになろう!」」
「んぁ!? えっなになに、どうしたの!」
流石シスコン姉妹。考え方が斜め上だったぜ!!!
突如襲い来る妹たち。そして寝起きで何が何だかわからずに困惑する春乃。
妹たちの荒々しい手つきで、次々と衣服を流されていく春乃は――――
ブツンッ
「あああああああああああっ! 良い所だったのにぃぃぃいい!」
あともう少しというところで、画面が真っ暗になってしまった。
一体誰だ! こんなひどいことをする奴は!!!
「転生神さま、休憩はおしまいです。はやく仕事にもどってください」
「またお前か……(ガクッ」
後ろを振り返れば、リモコンを片手に佇んでいる白い羽と天使の輪を頭に浮かせている女性。
コイツはオレの仕事を補佐してくれる天使。このように休憩していると、さっさと仕事しろとせっついてくる。イロイロあって苦手だ
なぜなら、
「女神なんですから、言葉遣いにも気を使ってください。せっかく長い艶やかな髪も適当にして!」
「別にいいじゃないか。気にする奴なんていないんだから」
「わ・た・し・が! 気になるんです。こんなにも美しくて綺麗なお姿で……」
そう言ってこちらにフラフラ近づいてくる。
「おい、なんでにじり寄ってくる」
「バランスの取れたプロポーションで、肌も瑞々しくて……」
「だから、なんでこっちに近寄ってくるんだよ!?」
「黄金比のようなお顔に、宝石の様に輝く黄金の瞳……」
「近い近い! あとなんだか瞳に光がない!!!」
毎度のことながらその表情怖いって!
「そんなに百合が好きならば、私がいつでも相手になると言っていますのに……」
「ノーセンキュー!」
くそ、なんでこうなるんだ!
オレは百合を見ていたいけど、自分がやるつもりはないのに!
もし百合関係になるとしても、コイツだけは絶対に無いからな。
だってなんか怖いし。付き合ったら絶対にコイツヤンデレ化しそうだもん!
だからオレに百合は期待しないこと、いいなッ!!!
「転生神さまぁ~♡」
「ヒィーーーッ!」