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音楽は剣よりも銃よりも魔法よりも強し!! 作者:下田 暗
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ロックバンド、異世界に爆誕。

「ここってどこだろ…?」
そう、呟きながらギターを背負った女の子は辺り一面草原なこの場所を見渡しながら考えた。
「あれ、さっきまで私ライブハウスでライブしてたよな?あれぇ?」
茶色に染まった髪を人差し指と親指でいじりながら、自分がさっきまでなにをしていたか思考をたどっていった。
「えーと、ライブしてて、今日はやけに盛り上がってんなぁって思ったら頭がポーッとしてきて・・・」
1人でブツブツと考えながらいるとある考えに辿りついた。
「あ!もしかして!私、倒れた!?つか、ここ天国?死んだ?あたしもしかして死んだの?。」
自分が倒れ死んだのか確認するため自分の頬をつねって痛覚があるか確認した。
「いたい……。ってことは生きてる?てか、何処だほんとここ。とりあえず、人か町。お腹減った…。」
そう、呑気に食いじをはりながら、途方もない草原を当てずっぽうに歩き始める。
「みんなぁ〜、どこ〜。」
そう言いながら仲間である他の3人組を探す旅を始めた。

第1話「異世界にロックバンド爆誕!!」

「今日ギバラでルインのライブあるの知ってる!?」
「え?ホント!?マジ行きたいわ〜。ギバラにいて、ルインのライブ行かないとかほんとマジありえないっしょ。」
朝の常伝線では、女子高生達がルインの話で持ちきりだった。
ルインとは、坂木原さかきばら駅でよく路上ライブやライブハウスでのライブなどをおこなっている4人組の女性ロックバンドだった。坂木原、略してギバラでは人気がかなり有り、女子高生やOLを中心とした女性にかなり支持を得ていた。4人とも、それぞれ違ったキレイさや可愛さがあったため男性からも多くの支持を受けていた。
曲は、悩める女子高生の心を歌詞にした曲や働く女性に送るエールのような曲が多かった。
「ねぇねぇ、ゆいちゃん、あそこの女子高生私達の話してるよぉおお!」
上村うえむら 美沙みさは、隣で座っている永井ながい ゆいに小声で伝えた。
最後の方は嬉しさのあまり声に力が入っているのを無理やり抑えながらしゃべっていた。
「みさ、声震えてるから。それに聞こえたらどうすんのよ。もう。」
そう、冷静に結は美沙を落ち着かせた。
2人は、今まさに女子高生が噂をしていたルインのメンバーだった。
上村 美沙、ルインのリーダーを務めている。茶色のショートカットで読モのような感じが出ていた。顔だちはカワイイ系と言うよりはキレイ系で整った感じが出ていた。いつも明るく元気なため、学生時代はそれなりにモテ、女子の友達も多くいた。バンドでは、リーダーでありボーカルも務めていた。明るく前向きにいつもバンドを引っ張っているが、熱くなりやすく、暴走することがあり、その時はいつも周りが対処していた。
仲間からはボーカルだからギターは持たなくてもいいよ?と言われたが、そんなのロックバンドっぽく無い!とよく分からない彼女のロックバンド理論によりギターを持ちながら歌うことになったが、不器用なため2つ同時には出来ず、「歌う時は弾くのやめて!」と言われ、前奏などの歌は内部だけを演奏することになった。
永井 結、ルインのサブリーダーを務めている。リーダーである美沙があんな感じなため、いつも冷静に周りをみて行動している。曲を作るセンスは仲間の中でも一番あり、いつも美沙に、ほんと結の書く歌詞は読んでて泣けると褒められている。そのため、基本はメンバー全員で曲は作るのだが、歌詞の部分に置いては結の意見が通ることが多い。
こちらは、美沙とは違う美しさがあった。黒髪をしており、ショートヘアで少しボサッとした髪をしていて、長さは肩まで伸びていた。顔だちは、キリッとした感じでクールでカッコイイ感じでビジュアル系のバンドの人達が着るような服をきたりしていた。声もハスキーボイスなため、男性からというよりは女性からモテたりしていた。本人はそのことをあまり良く思っておらず、嬉しいけどなんだかなぁ〜といつも悩んでいた。
演奏では、ベースを務めていた。幼い頃、音楽の勉強も習い事でしていたため、ルインのメンバーの演奏の指導なんかも彼女がすることがあった。
「次は〜、三船みふね〜。三船〜。」
と電車のアナウンスが流れたのを聞き、2人は立ち上がりドアの前まで移動した。
「今日のライブは、人多くきそうだね!こんなに、有名になっちゃって、もぉ〜!あ?そろそろあたし達も変装とかしなきゃダメかな!?」
美沙は、ルインが噂されていたことが余程嬉しかったのか、興奮しながら結に話す。
「ちょ、声が大きくなってるって、そっちの方がバレるよ!つか、あんた変装とか言って気づいて欲しいんでしょ?ホントは」
と美沙の心情を読み取ったように言った。
案の定、美沙は図星だったらしくアハハ〜と誤魔化した。
そんなことを話でいたら、2人の目的地である三船駅に到着し、電車のドアがアナウンスと同時に開いた。
2人は、三船にあるルインの集まる場所であるラーメン屋に行き、今夜のライブの打ち合わせをするつもりだった。
そのラーメン屋は、ルインのメンバーである立花たちばな 莉子りこの実家でもあった。テレビで取り上げられたこともあったために、お昼時や夕飯時にはかなりの人に並び行列を作った。そのため、経営は潤っていた。お店は次第に大きくなっていき、そのお店の2階が彼女達の溜まり場になっていた。

「遅い…。」
2人が、溜まり場に付いた時にはもう既に待ち合わせ時間を50分もオーバーしていた。
そんな、2人を待ちくたびれた感じで立花たちばな 瑠衣るいが出迎えた。
「ごめんごめん、瑠衣ちゃん。そんな不貞腐れないで〜!」
と美沙は瑠衣をあやすかのように、頭を撫でながら抱きついた。
美沙のそれにりにある胸(Cぐらい?)の胸に埋もれながら、瑠衣は苦しいっと唸った。
立花 瑠衣は立花 莉子の妹で、明るく、アイドルのような姉の莉子とは逆に、大人しくカワイイマスコットのような感じで、美沙のように歳上の女の人によく好かれていた。見た目も身長は小さいが美人のため男子からも姉ほどではないが人気を集めていた。
そんな、彼女もルインのメンバーでドラムを務めていた。その小さい体からは想像もつかないような力強さでドラムを叩く姿はとてもカッコよかった。
「遅いよ〜、2人とも〜。」
2階の彼女達の溜まり場の部屋のドアが開き、立花 莉子が入ってきた。片手にはオボンを持っており、上には何かしらの料理が乗っていた。
「お昼、2人ともまだでしょ?これ、今度家で出す新作なんだぁ〜。感想聞きたいから食べてみて。」
出されたお椀の中には、白いお米が入っていてお茶漬けのように汁物が入っていた。2人は何となくその汁物の正体が分かっていたが、一応莉子に聞いてみた。
「これって、ラーメンのダシをご飯にかけた感じなのかな?私的には全然ありなんだけど、これってお店に出して大丈夫なのかな…?」
「やっぱりダメかな!?おとーさんが猫まんま感があるからあまり出したくないって言ってるんだけど…やっぱないかな?」
莉子は不安そうに美沙にも訪ねた。
「え?凄く美味しかったけど?何がダメなの?」
美沙はすでに食べ終えて何故おいしいのにダメなのかがわからないといった表情で莉子に聞き返した。
莉子は良かった〜と言いながらようやくカーペットの上に座った。
「あんた、食べるの早すぎ。もはや飲んでるでしょ?」
結はいつものことなので、呆れた感じで美沙に言った。
「味が良しならなんとかなりそうだし、食わず嫌いの美沙が食ったのならお店に出しても良いんじゃない?」
結は莉子にそう提案した。
「そうだね!美沙が食べれたならなんとかなりそう。」
莉子は美沙が食べれたことに自信を持ち始めた。
「ちょっと待って、私そんなに食わず嫌いじゃないよ?嫌いな物は多いけどきちんと食べてから判断してるよ?」
そんな話をしている最中に瑠衣が今晩のライブのセットリスト(劇で言う演目のようなもの)を練らないかと提案した。
「そうだね…。きちんと順番作っとかないとどっかのおバカさんが興奮してやりたい曲をバンバン勝手に弾いちゃうし。」
と結は美沙のことを見ながら言った。
美沙は聞いていないフリをしてとぼけていた。
「でもさぁ、美沙ちゃんセットリスト作っても忘れちゃうんだよね〜。覚えやすいように作るかどっかバレないようにライブ会場にセットリスト貼って置くとかしないと。」
と莉子は苦笑しながら答えた。
「そうだよね〜。あげく暴走するからきちんと考えて作らないと。」
「ちょっと待って!そんな酷くないよ!ね?瑠衣ちゃん!?」
美沙は必死で否定し、瑠衣に助けを求めた。
「酷い…。美沙、同じ曲演奏するからこないだは、まだ3曲しか演奏してないのにアンコールだとお客さんに勘違いされた…。」
瑠衣までもが美沙を酷評した。
「あれは過去最高の酷さだった。」
結は大きくため息をつき、莉子は当時の状況を思い出し、思い出し笑いをしていた。
美沙は過去のライブでセットリストを忘れたあげくテンパり演奏をすでに終えた同じ曲を演奏し始め、まだ曲を3曲ぐらいしか聞いていないお客さんはポカーンとし、普段ライブでは喋らない結が美沙の頭をはたき、慌ててお客さんに頭をさげ謝罪していた。瑠衣はあまりの恥ずかしさに顔を赤らめお客さんに見えないよううつ伏せていたが、耳まで赤かったのでお客さんからも見えていた。美沙は頭が真っ白になっていて謝罪していたが、何を言っているのかまるでわけがわからず、その光景を見て莉子は大笑いしていた。
「地獄絵図だった…。」
瑠衣もポツリと呟いた。
「もうほんと、あんなことでファンに謝罪するのもやだからあんたが覚えやすいようにセットリスト作るから間違えないでよ?」
結はそう言いながら、今夜のライブで演奏する曲のセットリストを作るため紙とペンを用意した。
美沙が覚えやすいように、かつ、ライブの流れを大切にするためアップテンポな曲は序盤に使用したり、お客さんが盛り下がることのないように曲を組んでいった。
「よし、これなら大丈夫でしょ。対バンじゃなくワンマンライブだからこれでもファン受けはすると思うんだよね。」
結は作ったセットリストをみんなに見せた。
「おぉ〜。確かに覚えやすいしファンの人も喜んでくれそうな気もする!」
莉子は歓声をあげた。結が作ったセットリストはいたってシンプルで、今まで作ってきた曲順で作ってあった。ルインの歴史のようなものを感じるセットリストになっていた。
「奇跡的にアップテンポが序盤に入っていたりする…。」
瑠衣もこのセットリストには不満はなさそうだった。美沙も頷きながら肯定した。
「じゃあ、今夜のライブはこれでいくからよろしくね。」
「いいね!いいね!テンション上がってきたよ!」
「うん…。楽しくなりそう。」
みんなが盛り上がっている中、美沙は食い入るようにセットリストを見て暗記しようとしていた。
「ちょっと!美沙?そこまでして暗記しなきゃダメ!?」
「大丈夫…。やれる!たぶん…。」
美沙は自信なさげに答えた。
「ヤバイ、心配になってきた…。」
結は頭を片手で抑えながら今夜のライブが前のような地獄絵図にならないことを祈った。

午後8時、坂木原駅。
あたりはすっかり暗くなり昼間の騒がしさとはまた違った賑わいがあった。会社帰りのサラリーマンや、学校終わりにそのまま制服で遊んでいる学生など様々な人達が多く集まっていた。駅前は大きく開けていて、大きなロータリーがある西口とショピングモールなどが立ち並ぶ東口があり、駅から出たらスグにそこは賑やかな都会の色を出している街だった。夜9時頃には閉まっているが、若者の間で流行っているブランドを多く仕入れたショピングモールを目の前に構えてあり、飲食店や喫茶店がなども多く立ち並び、夜は居酒屋など飲みに行ける場所が利用されていた。
そんな坂木原でルインが本日ライブのため利用するライブハウスは東口にあった。駅前から少し離れて路地に入った所にあった。坂木原ではトップ3に入る大きさで人気のライブハウスだったりした。
「かなり入ってるね〜!ぎばらでトップ3はってるだけあるわ。」
舞台裏で美沙は自分達が今から使うライブハウスの客の入り具合を見て感心していた。
「でも、今回ウチらがやるのはワンマンライブだからライブハウスは関係ないよ?たぶん、純粋にルインがそれだけ凄い存在になってきたってことだよ!」
「路上でやってて誰も足を止めて聞いてくれなかった時代が懐かしいわ…」
莉子と結は昔のあまりにも人気がなかったころを思い出していた。
「変態酔っ払い親父にセクハラされたり、いきなり外人のバンドがコンガ(素手で叩く太鼓で叩く場所でそれぞれ少しずつ違う音がなる)を叩きながら乱入してきたり、またしても酔っ払いのサラリーマンにマイク奪われたり。」
美沙はあまり思い出したくない悲劇(主に酔っ払いに絡まれた過去)を話した。その話を聞いたみんなはウッとした顔をした。
「そろそろ…時間…。」
瑠衣は証明や演出の打ち合わせを終え、これから盛り上がるライブが始まろうとしているのに何故か暗い雰囲気のみんなに出番がきたことを伝えた。
「さて、いきますか!ライブの前に嫌なこと思い出しちゃったけどとりあえず楽しも!!」
美沙がそう言いみんなを鼓舞し、それに結たちは頷き答えた。
そして、ルインのライブが始ろうとしていた。
客席には、ルインの登場を今か今かと待ち望むファンが前列に押しかけ、後ろの方には興味本位や友達に誘われたりなど様々な理由で覗きに来たような人達が入っていた。
開幕は、いきなりアップテンポのルインのデビュー曲である「free」と言う曲で、社会に出たばかりの女の子がいろんなことに追い詰められでもその中でも諦めず自由に生きていくと言った心情を歌詞にしていて、ロックというよりは、ソフトでノリの良いポップのような感じでファンの中でも人気のある曲だった。
自己紹介をせず、最初は2曲続けて演奏するシナリオになっている。
幕が開き、証明が色とりどりにひかり、「free」の前奏が始まりルインが登場した。その瞬間、観客は歓声を大きくあげた。後ろにいるルインをあまり知らない人などはそこまでの人気のバンドとは知らなかったため、歓声の大きさに驚いている人が多く見えた。
こうして、ついにルインのライブが幕を開けた。
この世界での、最後のライブになるであろうルインのライブが…

四曲目に突入したライブはかつて無いほどの盛り上がりを見せていた。その盛り上がりはルインのメンバーも飲み込まれそうなほど凄まじいく、本来なら少しフリートークなどで休憩を4曲目と5曲目の間にいれる予定だったがあまりの盛り上がりに美沙が5曲目に入る合図をみんなに送ったため、続けて演奏することになった。
(ちょっと、美沙!飛ばしすぎ!)
結は心の中でそう呟き、今後のことを考えると体力的にまずいと思いどこかで休憩を挟もうと考えていた。
このメンバーの中で1番体力を消費するのはドラムである瑠衣だった。瑠衣の様子を見ながら結は5曲目と6曲目に休憩を挟むと美沙に合図を出したが、美沙はもう盛り上がり過ぎていて合図には気づかなかった。
(美沙!このままだと、瑠衣がヤバいっての!気づけ!バカ!!)
必死に合図を送るがまるで気づく様子がなく、4曲目が終わり5曲目が始まった。
その時、美沙はライブが楽しくてしょうがない状況だった。
(ヤバイ、楽しすぎ!いつまでも演奏していたい!)
その時、美沙は違和感を感じた。盛り上がりに盛り上がった会場が淀んだように感じ、何かに巻き込まれる感覚に襲われた。
(なにこれ…。視界が歪む。まずい飛ばしすぎた?でももう5曲目も終わり… これが終われば少しフリートークを挟みつつの休憩が入る。それまではなんとか持ちこたえられる!)
美沙は、そう確信し後のことを考えず全力を出していった。
5曲目は終わりと同時に照明を落とす演出になっていた。そして、終盤へと差し掛かかっていった。
(ほんと、美沙はすぐ暴走するんだから。でも誰1人倒れずここまでこれてよかった。ここ乗り切れば後は大丈夫だし、美沙も少しはクールダウンするでしょ。)結はそう考えていた。
そして、5曲目を締めくくり同時に照明も落ちあたりがくらくなった。
(ふぅ、終わった。瑠衣も莉子もなんとか乗り切ってたしお客さんも盛り上がってたし結果オーライかな…。)
結はなんとか乗り切ったことに安堵し、そして暗くなった照明が少しずつ明るくなり美沙の方を見た。
「え…?美沙?」
明るく再び舞台を照らしたそこに、美沙の姿はなかった。マイクだけを残し、ギターすら跡形もなく消えていた。
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