君はここにいた。~君がいた証~
この話は「君はここにいた。」の続編です。まだ前作を読んでいない方は前作の方を先に読んでからこの作品を読んでみてください。
君がいたから……
僕はここに立っていられた……
年が明けて2月、苺が死んだ。
それは突然の知らせだった。朝学校に来ると、春が僕のところに走ってきて教えてくれた。春の話す内容だと事故という話だ。苺が下校途中に交差点の横断歩道を渡っていると、前を見ずによそ見をして走ってきた車にはねられたということを聞いた。僕はその事実を信じられなかった。信じられなかったのは僕だけではないと思う。僕も春も、まだ苺が死んだということを受け止められていなかった。その日の放課後には緊急に全校集会が行われて苺の話を校長先生から話された。ざわざわしている全校生徒の中には泣いている女子もいた。奈緒だった。
苺が死んで1週間も経てば、学校中で苺の話は何事もなかったかのように話されなくなった。先生たちもいつも通り授業をし、生徒たちは授業を受ける。未だに苺が死んだことを、受け止められていないのは僕と春と奈緒くらいだと思う。春は彼女を失った。奈緒は親友を失った。僕は、、、苺にとってのなんだろう。「ただの元カレ」苺の立場から言えばそうなるんだろうな。でもやっぱり僕は苺のことを忘れられない。せめて最後に「まだ好きなんだ」その一言だけでも言わせてほしかった。
苺のお葬式に行ってとき。棺桶の中にいた苺は、顔に少し傷が残っていた。苺をずっと見ていたら涙で苺の顔を見れなくなってきて、そのまま僕は会場を飛び出した。そのまま苺とよく一緒に歩いた道、一緒に行った公園などを一人で歩き回っていた。辛くなる一方だった。それでもそこには苺がまだいるような気がして、離れることができなかった。葬式の日からほぼ毎日、苺と一緒に行った公園に寄ってから家に帰った。そんなことを繰り返して一週間、今日も部活を終え公園に寄ってから家に帰る。
次の日、朝早くに担任の先生に提出しなければならないプリントがあり、いつもよりも早く学校に行くと教室には誰もいないし、他の教室を見ても片手で数えられるくらいの人数だった。先生にプリントを提出して飲み物を買いに自販機に行った。その途中で苺のいた教室を通る。飲み物を買った帰りになんとなく人がいないか教室を見てみると白いカーテンが片側だけ閉まっていた。そこの窓が開いていた。まだ朝だと凍えるほどの寒さなのに、誰かいるのか見ていると窓から少し風が吹いてカーテンがふわっと浮いた。その奥に人影が見えた。それは苺だった。でも確信はないし、苺は死んだんだ。そう思いながらも窓の方に近づいて行った。そこにはやはり人がいた。
「苺」
「太虎君」
落ち着いた口調で答えてくれたのは苺だった。
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