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視線の先  作者: 芝谷鈴嘩
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沢口 雄大の場合



 俺、沢口雄大は某公立高校3年のサッカー部キャプテンだ。

 本来なら、もう引退してキャプテンを2年に譲っているはずなんだが、後輩たちの希望により、夏休み前まで延長することになった。

 

 サッカー部のやつらはいいヤツばっかりだし、引退しても受験勉強の息抜きがてら、顔を出すつもりでいたので別に構わなかった。

 志望する大学も今のところ余裕で受かる成績なので、焦る必要もない。



 今のところ、学校生活は順調だ。






 俺は今、好きな人がいる。

 家が隣の安田 美穂さんだ。

 彼女は俺より4つ年上なんだが、今も昔と変わらず、子供っぽく、落ち着きがない。

 社会人2年目なんだが、会社で失敗をしていないか、いつも心配している。

 



 

 彼女との出会いは覚えていない。

 母が言うには、俺が生まれる前からお隣さんの安田家と仲が良く、赤ちゃんの頃からずっと構ってもらっていたらしい。

 物心がついてからも、遊んでもらっていた記憶があるので、俺の中では一番付き合いの長い人となる。




 いつ頃彼女を好きになったかはわからない。

 小学生の頃は普通にお互いの家を行き来したり、近所の公園に一緒に行って遊んでいた。

 俺が中学生の頃は、異性と話すのは恥ずかしく、彼女を避けていた時期もあった。

 よく考えれば、母とは普通に話していたし、近所のおばさん達とも普通に挨拶していた。

 避けていたということは中学のときから彼女を異性として見ていたことになる。

 


 好きだということに気づいたのは、高校1年の頃だ。

 その頃は部活に夢中で、友達が力を入れてる恋愛やめんどくさい勉強は二の次だった。

 いつものように下校時間ギリギリまで部活をし、薄暗い夜道を帰っていた。

 玄関を開けて中に入ろうとしていた時、彼女が俺の家の前を通った。

 彼女の隣には男がいて、こちらの様子には気づいていないようで、仲良く話しながら通り過ぎて行った。

 

 俺は彼女が男と二人きりでいる所を見るのは初めてで、衝撃を受けた。

 すぐさま、安田家側の壁に隠れながら様子を伺った。

 

 どうやら、家まで送ってもらっただけのようだ。

 男を家には上げず、玄関の扉の前でお礼を言い、彼女は家の中へ、男は駅の方へ帰っていった。




 付き合っているかどうかは分からなかったが、彼女の隣に男がいるだけで苛立ち、焦った。

 そして、その時気づいた。

 俺は彼女が好きだと・・・。




 それから、彼女と関わりを持つため遊びに行った。

 彼女は漫画が好きらしく、少女漫画だけでなく少年漫画も持っていたため、それが目当てのように見せかけて彼女の部屋に居座ったりもした。


 彼女の呼び方も変えた。

 昔は美穂姉ちゃんとよんでいたが、今は美穂と呼び捨てだ。

 最初のほうは生意気だと怒っていたが、最近は慣れてきたのか何も言われない。

 意識するさせるため、彼女の部屋にいる時は、彼女の近くにくっ付くように座っている。

 そして、さりげなく肩に触れたり、手に触れたり、スキンシップも欠かさない。 




 今は彼女が俺を、生意気な弟としか思っていないのはわかっている。

 少しでも俺が男として意識してもらえるようになるには、かなりの時間と努力が必要だということも・・・。

 それはいままで姉弟のように接してきたから仕方がない・・・。




  

 男として意識したら、告白しようと思っている。

 単純な彼女のことだ、すぐに俺のことで頭がいっぱいになるだろう。

 そうすれば、彼女の視線は俺のものになるはずだ。





 



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