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黒の騎士・白銀の王  作者: hiko
第三章 小隊対抗戦
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序話

 ノーテルダム王立軍学校では一学年二期制を導入している。具体的には黄の節三月に始まり、蒼の節三月に終わる学期を前期、その後二月間年締め・年明けの休暇があり、それが明けた翠の節二月から紅の節二月までを後期と定めている。



 そして後期終了後、二月間かけて行なわれる学生たちの集大成………それが武術大会である。



 この大会では、小隊対抗戦、個人戦、組対抗の演武合戦など、行われる種目数も多く、優秀な生徒が多数出場することもあって、非常に注目度が高い。わざわざこれを見るために国内外から有力者たちが集まってくるほどだ。そして生徒たちにとっては自分をアピールする絶好の場であり、何より明確に順番がつけられる数少ない場でもある。さらには学校を上げた祭りでもある。



 以上の理由から、生徒たちの熱の入りようは毎年すさまじい物がある。


 生徒たちはここで活躍するために、より優秀な新入生を隊に加え、育て上げて、万全の準備を整えてこの大会へと望む。今回シュウやアリシアたちがやったような合宿も珍しいものではない。

 


 ただしこの大会は学校側にとっては終了検定試験の役割も持っている。これに合格しなければ次の学年に進むことができないのだ………

 

 一応ここ数年不合格となった者はおらず、事実上形だけの物となってはいたが……



 そしてその戦いは、木々が命芽吹くこの翠の節二月………


  すでに始まっていた……………

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