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1.プロローグ


1.プロローグ



 理想の現実、そう呼ばれる世界が現代ココにはあった。

 行き過ぎた科学は永遠を望んだ。だが、その先に待ち構えたのは不老不死、と呼ばれる細胞をどうこう、染色体をどうこう、なんて事ではなかった。そんな単純に向かえると予測できた結果の変わりに人類を迎えたのは、――意識をデータ化し、それを機械という正確な監視下の下、永遠の存在にしよう。と、いうモノだった。

 そうして、現実に肉体を置いたまま、それを機械共ロボットに監視させ、特殊な薬漬けにして強制的に一定の年齢で成長を止め、意識を電脳世界『境界線ディヴァイド』へと存在させ、永遠の『データ』へとする。したのだ。

 それが、『人類電子化計画』。

 天候、風向き、足踏みする度に舞う砂埃なんかは全て、乱数を越えたランダムによって現実に近いモノとしている。よって、ディヴァイドは現実により近いモノとなっていた。

 そんなディヴァイドは四つの大陸と一つの島で構成されていた。地図の中心に必ず置かれる孤島は、このディヴァイドを支配する元老院達が住まう『中央塔』だ。そして、その中央塔を中心として、北東、南東、南西、北西と四つの大陸が位置している。その四つの大陸には国は二~三所属しており、それぞれがそれぞれの政治の下で生活をしている。

 そんな科学が進化し過ぎた世界ディヴァイドだが、遠い昔に予想した結果とは違う結果を見せたモノがただ、一つ、堂々と、当たり前かの如く鎮座していた。

 ――それが、兵器だ。

 科学が進化するたびに、遠距離で人間が直接手を汚さずとも大量に殺す事が出来る兵器が出てくると思いきや、それを越えて、一周してしまったのだ。進化したのは攻撃だけではない。

 銃弾を防御する術が生まれ、国一つ丸々守る巨大な、大量殺戮兵器をも防ぐ術が現れ――結果、近距離で、銃弾を守る『磁場シールド』を貫く『刃』が、現在の兵器の主流となったのだった。

 剣と魔法の世界――ではないが、剣の世界。まさに、そうだった。

 そうなる事で、剣技が力となっていった。

 特殊な剣を作る者が現れ、謎の技術を持った者が現れ、剣を集める者が現れ――そうして、いきついた兵器は、『特殊な能力を保持した剣』となったのだ。ただ、剣の形をしているだけでなく、例えば発火する、形を歪める、等の特殊な能力を持っている剣なのだ。つまり、剣と超能力をセットにした新たな、剣だ。

 だが、剣が兵器の主流となったために変化する環境も勿論ある。

 国の権力者の多くが『力』を持つ者となったため、独裁国家が増えてしまった事。そして、戦いが長く、小さくなった事だ。

 そうしていく内に戦いを糧にする人物達も現れ始め――、そして、そんな組織、ギルドも出来始める。

 そんな現状は、現代を中世ヨーロッパ風な、MMORPGにでもありそうな世界に変えていったのだった。

 そんな進化し過ぎて過去へと形を戻し始めるディヴァイドで、一人の少女が――死なないはずの世界で、死んでしまった事で、この永遠であるはずの世界、ディヴァイドが揺るぎ始める。

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