第三話・王様とカルロス王子
朝ご飯は和食というよりフランス料理寄り。
朝はポトフ、ムニエル、キッシュ、フランスパン…みたいな物が出てきたけど、どれも美味しくてペロリ。
元々好き嫌いはないし、多分食べれるはず…!と一口目は恐る恐るだったけど、お腹空いていたのもあってあっという間に食べてしまった。
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「…いきなりここから出て行け!とかないですよね?」
「今回の件は第二王子の失態なので何かあれば第二王子が責任を取ることになります。いきなり出て行け!はないと思いますが、詳しくは部屋に入って聞いてみてください。」
「……ですよねぇ…」
食後の紅茶を飲んだ後、ハンナさんに呼ばれてテナンス王国の王様と昨日会った王子がいる部屋に連れて行かれた。
いきなりのことだったのでちょっともだもだしてしまったのは仕方ない…よね?
「よし!!入ります…!!」
「はい、ドアを開けますね。」
「ありがとうございます!!」
私はごくりと生唾を飲み、頭を下げる。
会社の上司や取り引き先の方くらいしか上の立ち位置の人との関わりがない(昨日の第二王子を除く)私にとって国のトップからの視線が痛い。
少しして王様から「顔を上げてそこに座りなさい。」と声が掛かり、いつの間にか息を止めていたことに気付く。
「……ありがとう、ございます。」
「この度は我が愚息のカルロスが勝手な判断で貴女をこの世界に呼び寄せてしまって大変申し訳ない。今すぐ元の世界へ貴女を戻せたら良いのだが…彼奴は使い捨て魔法陣にありったけの魔力を注ぎ込んだみたいでな…どの召喚魔法陣の種類を使ったのか、どれほどの魔力を注がないといけないのかが現時点では解析できていない為、元の世界に戻るのは難しい。」
「わわっ…頭を上げてください…!あの、えーと、質問しても良いですか?」
「勿論。巻き込んでしまったのだから出来る限り回答しよう。そうだな…この場においてはどのような内容でも不敬にせん。」
「ありがとうございます。あの…どの魔法陣?かは第二王子がご存じの筈ではないかと思うのですが、何故魔法陣の種類も分からないのでしょうか?」
王様から頭を下げられるのが畏れ多くて咄嗟に浮かんだ疑問を質問することで流れを変えようと思ったのだけどあまり変わらなかったらしい。
また頭を下げようとする王様を何とか止めて話を促す。
その間そばにいる第二王子は叱られた子犬みたいにしょんぼりしてるし、ハンナさんから聞いていた執事の方と護衛の方は渋柿食べたような顔になっている。
内容が内容だし、最低限の人数しかいないけどみんな顔色が良くない。
「…つまり第二王子が独断で勝手に持ち出した魔法陣、更に誰もその魔法陣を見ていないし、第二王子は魔法陣の詳細を覚えていない…と。しかも第二王子がたまにお忍びで市井に行った時に記念として魔法陣を買い漁ってるからどこのお店のかも把握していない…で合ってますか?」
「合っているぞ。馬鹿息子が本当に申し訳ない…」
話を聞いて整理して納得。
王太子である第一王子と王妃は三日前から今日の夕方まで視察中、王様は彼らがいない分仕事にてんてこ舞いで第二王子のやらかしを知ったのは第二王子がハンナさんに私を託した後らしい。
なので第二王子甘やかしの件はあれど、今回のやらかしは第二王子の責任である。
「とりあえず暫く帰れないのは分かりましたけど、いきなり追い出したりしないでくださいね。あと私、第二王子から謝罪されてません。」
「それは勿論だ。こちらの世界で不自由ない生活を約束しよう。……愚息は謝罪してないのか?」
穏やかなゴールデンレトリバーみたいだった王様が一瞬で表情を変え、第二王子の方を向き注意し出す。
長引きそうな小言を他所に私の視線は机の上にあるお菓子へ向いた。
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特に問題なければ四話は明日の0時更新予定です。
【第四話・これからの異世界での生活】お楽しみに♪




