第二十二話・闇魔法と魔物
私達が王宮に戻った後、ワイルドベアが護衛達によって運び込まれ解体された。
闇魔法が目元と耳に掛かっていたんじゃないかという私の推測から一応他に何か魔法なんかが掛かっていたりしないか鑑定されることになったらしい。
リーフリー先生はそのワイルドベアの鑑定に呼ばれ、私は大人しく部屋に戻ることにした。
「それにしても光魔法が効いて良かったぁ〜…」
「本当に闇魔法が掛かっていたなら、俺は何故あの魔物に掛かっていたのかが気になります。」
「んー…誰かが闇魔法でワイルドベアの目元と耳を覆って見えなくしたり、聞こえなくしたりして混乱させたとか…?ほら誰だって急に目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなったりしたら慌てるだろうし。」
「確かにそれで慌てて暴れたのかもしれないな…」
「今回は誰も大怪我したりしなかったけど西門付近だったから一歩間違えたら戦えない国民を巻き込んで大惨事になった可能性大でしたよね…」
「その可能性は高かっただろうな。だが今は冒険者と騎士、兵士が辺りを警戒しながら巡回している。少なくとも暫くはこのようなことは起きないと思う。」
お茶を一口飲み、ほぅ…と息を吐く。
こちらの世界では今の日本ほど安全ではないから、少しの行動次第で人の命運を分けることもある。
だから仕方ないことだけど、どうしても気を張ってしまってる気がする。
「もし魔物を混乱させて突撃させようとするならその為の対策も必要そうですね。」
「魔法解除みたいな魔法具ってないの?」
「俺はその辺り詳しくないんですが聞いたことないですね…」
「じゃあ魔法具についてはあとでリーフリー先生に聞くとして、私はもう少し攻撃魔法習得したいかなぁ。」
「光の…れーざぁびぃーむ、効いてましたよ?」
「私、戦い慣れてないから咄嗟に何の魔法が効くのか分からなくて…ちょっとの間が命取りでしょう?まあリーフリー先生からは実戦はまだ控えてって言われているから魔法の習得だけにはなるんだけど、魔法を身につけていたら気分も多少違うと思うし…」
「護衛の俺からしたらそもそも貴女を戦いの場にあまり連れて行きたくはないのですが…」
「まあまあ、それはことは一旦置いておこう?…あ!体温調節の魔法とかどう?幽霊系以外なら効きそうじゃない!?」
「体温を上げたり下げたり調節機能付けるのか?」
「そう!体温じゃなくて生命力の強弱でも良いんだけど…体温なら火魔法や水魔法、風魔法あたりなら出来るかなって。血流…血の流れてる温度を調整するなら火魔法、水魔法でも出来そうじゃない?風魔法なら人に膜を張るように気温を上げ下げすれば…なんとかなりそうだし!」
「…それは禁忌寄りの魔法に当たると思う。その風魔法の話ならともかく生命力を下げたり、血の流れを熱したりは魔法を戦闘に一切使わない者からしたら恐怖の対処となりそうだ。」
「確かにそうかも…」
対魔物用攻撃手段として考えていた私だけどドリルさんはその魔法を見た民衆のことまで考えられる人のようだ。
私も見習わないといけないなぁ…
まあ、まずは自分と自分の身の回りから。
私は何か人の為に出来ることはないか考えるのだった。
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特に問題なければ二十三話は明日の0時更新予定です。
【第二十三話・回復キノコ】お楽しみに♪




