第十五話・孤児院の子ども
マンドラゴラの叫び声に私は大ダメージを負った。
叫び声は黒板にキィィィィィって音を立てる感じに似ていて目が覚めた今も体がゾワゾワして鳥肌が立っている。
私は体をさすりながら聖魔法を使い、体力と精神力を回復させ、辺りを見渡し現状把握に努めることにした。
「えぇっ…ここどこ…?」
ちょっと埃っぽくて所々補修の跡があるこの場所は勿論、知らない場所である。
「お、起きたのか。」
「あ、第二王子。」
「名前で呼べよ!あと敬語も程々で良い。全くないのは護衛達が嫌な顔をするだろうから程々にな。」
「あ、そうなんですか?なんか気を抜くと敬語が取れちゃう時があるので助かります。」
「まあ程々で良い。」
「それでここはどこですか?」
「ん?ここ、孤児院らしいぞ。」
「孤児院?」
「あの盗みをしようとした子ども、この孤児院の子どもらしい。金を持っていそうな俺らが麻袋を持っていたから珍しい薬草とかだと思って盗んで売り払おうとしたみたいだ。この孤児院、書類上では金銭カツカツになるほどじゃないからおかしいよな?ってことで詳しい話は俺の護衛騎士が今聞いてる。」
「マンドラゴラ盗もうとした子の腕、かなり細くてご飯足りてなさそうだったし、何かあるのかも。あっ…マンドラゴラってどうなったんですか?」
「風魔法使える護衛の一人がマンドラゴラの叫び声を風で掻き消して二本とも木っ端微塵にしたらしい。同時進行で俺とお前と子どもを担ぎ上げ、孤児院へ移動して回復ポーション飲ませたって聞いた。本数少なかったから俺が回復した後、先に体力のない子どもに飲ませて余った分をお前に飲ませたって聞いたが…今、体調不調だったりするか?大丈夫か?」
「回復の魔法を自分に掛けたから今は大丈夫です。」
「そうか…護衛が焦って俺にたくさん飲ませようとしていたらしく、子どもの分すら危うくてな…初級回復ポーションは効きが悪いし、ちょっと心配した。あまりポーション回せなかったみたいで申し訳ない。」
「今は元気だし問題ないですよ。それよりこれからどうするんですか…?」
「話を聞いた護衛の内容をまとめて報告なんだが…書類作業サボったのが護衛以外にバレるな…」
怒られるの分かっていて行動をしたからか渋い顔。
私個人の用事であるマンドラゴラの件よりテナンス王国の孤児院についての相談の方が王妃様にお願いしやすいと思った私は第二王子に提案する。
「じゃあ私が王妃様に相談ということで孤児院の話をしたら良いですか?今回、サボりは良くないけど私のマンドラゴラの件で動いて頂いたわけですし…」
「それは助かる。」
パアァァと明るくなった第二王子は良くも悪くも素直でテナンス王国の国の良さが窺える。
だって異世界の王族とか貴族とか商人とかって人の弱みを見つけたりするのが得意そうなイメージだし…
護衛の一人がカルロス王子に耳打ちをし、そばから少し離れる。
「聞き込み調査が終わったらしい。ひとまず隣の部屋に行くぞ!護衛の一人が部屋全体に防音の魔法を掛けていて、護衛を配置してるから。」
「分かりました!」
軋む床を歩き、私達は隣の部屋に移動した。
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特に問題なければ十六話は明日の0時更新予定です。
【第十六話・孤児院の現状】お楽しみに♪




