支度
「新しく『白き旅団』に入ってくれたフランに自己紹介をしよう。まずは、ティラから。」
茶髪のボブ。ローブを着た魔法使いは口を開いた。
「白き旅団、回復と魔法攻撃担当のティラ・アナラスです。ティラって呼んでください。」
シェンラーは赤が強めの茶髪、弓使いに目線を送った。
「俺の名前はキューラ・トロスだ見ての通り弓使いたいだ。よろしく。」
最後にと言わんばかりにシェンラーは体ごと向ける。
「あぁ、俺か。俺はこのパーティーの防御担当シュマ・クラストだ。よろしく。」
シェンラーは私の背中を押して言った。
「最後はこの子だ。」
「えーっと…フランです。よろしくお願いします。」
四人は私に向けて拍手を送ってくれた。
「おっと、忘れるとこだった。フラン、今日は君の装備を整える。着いておいで。」
今はしっかり歩ける様になった私の体。その体を使い、私は歩く。
「君は…冒険者かい?」
分からない。分からないが、いとつ断言できることがある。
「私は冒険者かどうかは分からないけど、剣士は向いてないです。」
「じゃあ、魔法使い…かな?」
とりあえず、シェンラーは買い物を諦め出発することにした。
次の日の朝。まだ日が登る前。僕たちはギルドに書類を提出し、クエストが始まった。依頼内容は単純。アルガ帝国に隣接する平原にゴブリンが出たもの。他に詳しいことは聞いていない。
「よし!アルガ帝国に向けてしゅっぱーつ!」
僕たちの冒険は今始まった。
とうとう旅に出るフランたち。これから始まる、魔族や魔物との戦い。その先でフランが手にする世界の秘密とは。