盗賊団・サガン
「…ラー、ンラー、シェンラー!」
トロスに3度呼ばれ、自分が今、ぼーっとしていたことに気がついた。
「何ぼーっとしてるんだ、リーダー!」
「ごめん、トロス。なんか見えたんだ。昔の記憶?みたいなのが。」
「…!」
「シェンラー、何を見た!?」
トロスは珍しく焦りながら強く問いかけた。シェンラーはトロスが何を焦っているのか分からなかったが、馬車の文字のようなものを指差した。
(そう言えば、さっき思い浮かんだフロルゴ団ってなんだっけ…。)
シェンラーは心の中で思った。
「フロルゴ団…。何で。」
「?トロス、知ってるのか?」
「あぁ。後で話す。今は先にあいつらを捕まえないと。」
そう言い終わると、トロスは呪文を唱え、目の前の馬車に向かって走っていった。
「霊闇撃」
トロスは姿を消し、馬車に接近した。馬車に乗っていたものたちも、異変に気づいたのか、武器を構えようとしたが、トロスの攻撃の方が早かった。
「くっ…」
トロスの攻撃を喰らい、よろけた男に対し、手持ちのナイフを振り上げた。
「待て!」
先にために来たのは男の仲間ではなく、シェンラーだった。
「トロス、その人たちが何をしたっていうんだ!危ないから早くナイフをしまうんだ!」
シェンラーの冷静な呼びかけに対し、トロスは一言返した。
「こいつらは盗賊だ。」
「!?、どこに証拠が?」
「シェンラー、お前が見つけたんだ。盗賊団・フロルゴの目印を」
すると、トロスにナイフを突き立てられている男が言った。
「お前…サガンか。久しぶりだなぁ!裏切り者!」
トロスは一瞬動揺し、ナイフを持つ手が弱くなった。その一瞬の隙をつき、目の前の男は煙幕を出した。
「煙幕…。ティラ!炎で払ってくれ!」
「了解!」
炎を操り、上昇気流を生み出し、煙幕を払った。
次の瞬間、トロスが辺りを見渡した時には、馬車になっていた男たちは全員消えていた。
「くそ、駄目か。」
「トロス、頼む。教えてくれ。奴らが何者で何をしているのか。それと、サガンについて。」
「…。」
トロスは一瞬迷い、答えた。
「分かった。みんなに話すよ。10年前、何があったか。シェンラーの幼少期の話、それと、盗賊団・サガンについて。」
次回「語られる記憶」




