蘇生
「オルドーラ」
「サガーズ」
「フォルティード」
「スパークス」
「ガランテ」
ティラと坊主の男は互角の戦いを繰り広げた。が、ティラの魔法念唱が一手遅れてしまった。
「くっ…」
そんな上級者の戦いを、フランはただ見守ることしかできなかった。すると、ふと気づいた。後ろで膨れ上がる魔力に。
「!!」
魔力の正体は、クラストだった。
「フラン。下がっていろ。」
フランは指示通りクラストの後ろへ行った。するとクラストが唱えた。
「ゴーレム」
盾役としてイメージの強いクラストは、土の魔法使いの血を継いでいるらしい。そのため、抜群の土魔法の才があるとのことだ。クラストの念唱により生み出されたゴーレムは、形を成してすぐに消えた。
「!?」
フランは目の前で消えたゴーレムを探したが、見つからなかった。
数秒後、ティラを抱えたゴーレムが現れた。ティラの傷は癒えており、体は問題なさそうだが、目を覚さないのは魔力を使い果たしたからだろうか。ゴーレムがティラを救出した後、シェンラー達が駆けつけた。
「おい、シェンラー。このままじゃ負けるぞ。」
トロスは言う。周りの状況を常に考え行動する力が1番あるトロスが言うのだから恐らくこのままでは負ける。だが、シェンラーの心は決まっていた。
(たとえ相打ちになってでも…)
しかし、次の瞬間、フランが想定外の行動に出る。フランは出口に向かわず、ドラゴンの元へ近寄った。
さっきのティラさんをみて、わかったことがある。私たちは魔力がないと、どれだけ健康でも動けないと言うことだ。ならば、毎朝ポーションをかけられ、再生していたドラゴンは、魔力切れで動けなかったのではないだろうか。あいつらの言い方からして、ここはあいつらの攻略したダンジョンではない。ならば、ドラゴンさえ復活させれば、形勢はこちらに傾く。
「…」
フランはここなら中でイメージした。自身の体内の魔力がドラゴンに入るイメージ。
すると、フランの体から淡い金色の霧が現れた。その霧は宙を舞い、ドラゴンへと入っていった。
ザザッ。
地面を何かで引き摺る音がした。
「!!」
ドラゴンの閉じていた瞳はこちらを見ていた。
次回「決着」




