未知の世界
シェンラー達「白き旅団」は、ダンジョンの入り口の前に来ていた。
「ダンジョンって、下に大きいイメージがあった…」
フランは率直に思った。目の前にあるダンジョンは、ダンジョンと言うよりも城に近い形をしていた。
「うーんとね…このダンジョン特殊なんだよね。」
ティラが言った。
「特殊?」
「うん。このダンジョンには魔物がいないんだ。」
「?」
「それって…ここ本当にダンジョンですか?」
「おそらく。」
ふわふわした回答だが、フランはそこまでダンジョンに興味がないため詳しい追及はしなかった。
「じゃあ、入ろうか!」
いつもより少しテンションの高いシェンラー。ダンジョン探索、好きなのかな…
「ふん!」
シェンラーの身長の2倍ぐらいの扉を押す。少しづつ扉は動き始め、勢いに乗った扉は、スムーズに開いた。シェンラーの目は、子供の様な無邪気な眼差しだった。
「やっぱダンジョンは良いよね。」
ティラは言う。
「うん!」
これまでになく明るい声でシェンラーは答えた。そして、そのまま振り返ることなくシェンラーはダンジョンに一歩踏み出した。
初めて入ったダンジョンは、何と言うか、独特な空間だった。密閉された空間のはずなのに、呼吸がしやすく、暗いはずの空間は何故か明るい。そして、ダンジョンには、魔法使いのみが感じるものがある。それが、魔素の濃さである。地上の魔素の濃度を1とすると、ダンジョン内は20ぐらい。このとても濃い魔素濃度が、ダンジョン内に魔物を生み出しているらしい。この魔素が魔物になる変化を利用し生まれたのが、昨日倒したゴブリンの召喚者の使った魔法だ。魔物の生成は、反人類魔法とされており、現状使えるものはいなかった。昨日のやつを除いて。
「フラン、大丈夫?」
ティラが質問してきた。
「?」
「はい、大丈夫です。」
「なら良かった。ダンジョンの中って、魔素濃度が高いから体調悪くする人が多いいんだよね。」
「そうなんですか…」
確かに何かいつもと違う気がした。でも、体に影響があるとかではなく、何かが、私を呼んでいる、そんな気がする。この時のフランは、ダンジョンの魔素に耐えきれてなかっただけだと思っていたが後にその正体を知ることになる。
二、三十分は経っただろうか。ダンジョンの最深部に到達した。
「!!」
このダンジョンについて、まだ知らないフラン。そのため、最深部で見た光景はフランに大きな衝撃を与えた。
「ドラ…ゴン…。」
目の前には、全く動く気配のない赤いドラゴンが寝そべっていた。
「これがダンジョンの主、ガルダンだ。」
シェンラーが少し説明をしてくれた。
曰く、
①ダンジョンはダンジョンの主が管理している。
②ダンジョンを攻略するためには主を倒さないといけない。
③このダンジョンは、もうクリアされている。
私はドラゴンを見た。もうクリアされている。つまりドラゴンはもう…
一歩、また一歩とドラゴンに近寄る。ドラゴンの元まで行き、ドラゴンの硬い皮膚に手を当てた。すると…
ザザッ。
「!!」
(え、動いた…?)
ドラゴンの手の部分を見た。よく見ると、かすかに動いた跡があった。
そんなことを思っていたためか、私たちの元に向かう足音に気づけなかった。
やっと、大体の作品の構成が決まりました。ここからフラン一行の冒険は加速する(はず)なので、ぜひ、続きをお楽しみに。
次回「魔物以上の悪」




