異世界人
私達はゴブリンを倒した後、宿に向かった。どちらかと言えば広い方の部屋で、ティラとの二人部屋だった。私とティラはベットに寝転んだ。
「ねぇ、フラン。」
「何ですか?」
「フランってさ、魔法唱える時、何を考えてる?」
「え…特に何も…」
「そうか…まぁ、そうだよね。」
「何かあるんですか?」
「うん。魔法の発動には二つの要素がいる。一つはわかるよね。」
「えーっと、魔力ですか?」
「うん。正解。あと一つなんだけど…」
そう言ってティラは手を上げた。すると、突然手から小さな炎が現れた。
「!?」
フランの知る限り、魔法には燃焼が必要だ。だが、ティラは魔法を唱えずに炎を出した。
「二つ目は、イメージ。具体的なイメージが魔力を通し、現実世界に現れる。まぁ、強い魔法とかになってくると、イメージするより唱えたほうが早いけどね。」
「て言うことは、魔法念唱は意味ないってことですか?」
「いや、完全に意味がないわけではない。実際、フランはイメージせずに『フォルティード』を唱えてるでしょ?」
「確かに。魔法念唱はイメージしやすくすると言うことですか。」
「そゆこと。それを踏まえて、何か魔法を出してみてくれる?」
「え、ここでですか?」
「うん。しっかりと集中して、イメージを持って。」
私は目を閉じ、手を上げた。
(イメージ…)
ふと、フランの中で、思い出が蘇った。城に閉じ込められといた時、たった一人部屋で寝ていた時のこと。
(何だろう、この感覚…)
城に閉じ込められた恨みなどはない。それが普通だと思っていたし、今、何を言っても意味がないから。でも、何かを感じる…
(冷たい…)
フランが忘れていた感情。城に閉じ込められていたせいで感覚が麻痺していたため、分からなかった。
「フラン、目を開けて。」
ティラの声で私は目を開けた。すると、拳大くらいの氷の結晶が現れた。それを見て、ティラは微笑んでいたのだが、フランは気付かなかった。
その後、イメージしたことを伝えた。
「なるほどねー。何でフランが氷ばかり唱えられるのか分かった。多分、フランの中で1番そばにある…いや、そばにあった感覚が冷たいとか、寒いとか、氷を連想させるものだったからじゃないかな。」
「なるほど。私はどうすれば…?」
「うーん…こればっかりは…よし。戦う時はしっかりと私の魔法を見ておくといいよ。そうすれば自然とできるようになるから。」
「分かりました。あ、そう言えば、話は変わりますが、ティラさんって種族なんですか?」
「ん?」
唐突なあなた人ですか?発言。これにはティラも止まった。
「えーっと…この前ティラさんの魔力を見た時に、並の冒険者ぐらいの魔力しかなくて、どうやってあんな消費の大きな魔法を唱えているんだろう。って思って。」
「あぁ。そうゆうことね。」
ティラはゆっくり言葉を発した。
「私ね、異世界から来た転生者なんだ。」
召喚者撃退後、クラストは宿に向かわずたった一人温泉に戻った。
「やあ、きたのかい。ちゃんと取っておいたよ。」
クラストが温泉の受付に行くと、中年ぐらいの男性が語りかけてきた。
「…」
「これだろ?」
そう言ってクラストの前にはいちご牛乳が置かれた。クラストは顔色を変えずお金を置きいちご牛乳を受け取った。
次回「転生者」




