魔法の才
「じゃあ、始めようか。」
「はい…」
「ん?どうした?乗り気じゃないね。」
「まぁ、はい…」
昨晩話して今日実行。行動力はすごいと思うよ。
「フランの魔法使い強化作戦。開始です!」
何か、やたらティラのテンション高いな。
「まずは基礎だけど、魔法を使うのに魔力が必要なのは分かるよね?」
「はい…」
「初めて魔法を使った時の感覚は覚えてる?」
「まぁ、はい…」
「なら話は早い。その時の感覚を再現するんだ。まぁ、初めたてには難しいと思うけど。」
フランは心の中で考えた。あの時は完全に無自覚だった。魔法を使いたくて使ったんじゃなくて、身を守ろうとした結果、魔法が使えた。つまり、感覚はあまり残っていない。ならば次の案だ。フランは再び考えた。どうしようか…あっ、そうだ。
フランは何か思いついた様だった。
あの時の感覚じゃなくて、あの時の状況を思い出そう。敵は何匹いた?何を考えていた?味方の配置は?敵の特徴は?次から次へと自分に疑問を投げかけ、あの時の状況を鮮明に思い出す。
(身体中に魔力が広がって行くのがわかる。)
そして、解き放った。解き放たれた魔力は実態となり、現実世界に降臨する。もちろん、フランの魔力も実物となり、この世界に降臨した。が…
「んー、氷だねこれは。」
答えたのはティラだった。まぁ、見るからに氷だよね。まだ、修行が必要だな…
地面には、一応盾の形になった氷が落ちていた。
「まぁ、はじめはそんなものよ。あっ、そう言えば、まだ、魔力測ってなかったよね。試しに見てみるか。」
ティラはこちかをガン見してきました。そして、
「え、うっそ。まじ…か…」
目の前にいる少女は魔力量が尋常じゃない。だが、みる限り、目の前にいるのは少女だ。大量の情報と大量の魔力量に当てられ、ティラは気絶した。
次回「再出発」