魔法使い?:フラン
「え、私の名前の由来…」
「そうそう。聞かせてよ。」
「えーっと…」
時は少し前に遡る。フランが白き旅団に同行させて欲しいと頼み、シェンラーがフランに名前を聞いた時のことである。
(え、名前…ヴィーシャはダメだし…あっ!そういえばあの本の主人公の名前…フランだったよね。これでいいか。)
「フラン…です…。」
と言うわけで、そこまで深い意味は込められてない。フランの言ったあの本とは、砦に監禁されていた時に、唯一置いてあったものがその本だった。人生の半分近くを共にしたかけがえのない本だ。まあ、砦に置いてきたけど。確かタイトルは…「フラン冒険譚」だったっけ。まぁ、内容は置いておくとして、この物語の主人公の名前がフランだったため、フランになった。
ーそして現在ー
「母親が…つけてくれた。お花の名前だった気がするー」
終始棒読みだった。その場のアドリブでそれっぽいこと言えた自分を褒めて欲しい。褒めてくれる人はいないけど。
「へー、そんな由来があったんだ。」
「…」
全員の心が一つになった。
(話すことがねぇ。)
この無言で重たい空気をぶった斬ったのは、パーティーのリーダーではなく、ティラだった。
「ねえ、一つ提案なんだけどさ、フランを魔法使いとして育てない?」
「あー、まぁ、いいんじゃない。」
トロスの賛成意見。
「流石に早いんじゃないか?年齢的に。」
シェンラーの反対意見。そして、
「でもよ、いざという時は自分の身ぐらいは守れないとな。」
クラストの賛成意見。多数決で、魔法使い育成決定!
「じゃあそう言うことだから、フラン、明日から頑張りましょうね♪」
「……え、えええええええええ!!」
次回、ティラが驚きすぎて気絶する!次回もお楽しみに