推し活って素敵
しいな ここみ様主催のフェイバリット企画参加作品になりました。
しいな様、ありがとうございます。
推しに倣いまして、お久しぶりの方もそうでない方もこんにちは。のどあめです。
寄る年波のせいか身体のあちこちががたぴしと不調になって憂鬱になっていたある日、職場の方から言われました。
「のどあめさん、やっぱり推し活よ!」
その方、推しの演奏を聞きに地方遠征もされていて、とても生き生きされてるのです。
単純な私は思いました。そうか、推し活か。そういえば、若い時に推していたバンドはどうなったのだろうかと。
ライブで聴きたいと思っていた方の多くはついに聴けなかったりして後悔していたのです。推しが元気なうちに聞きに行かねば!
で、ン十年ぶりに参戦しました。
推し達は現役どころじゃなく活躍していました。ライブの推しは声の衰えどころか声量ばりばりで演奏もめちゃくちゃ上手くなってる!凄い。特にTKさん。昔は音程にはらはらしたのに今は安定した高音で聴かせてくれます。ギター演奏も進化している!
何十年にも及ぶ弛みない研鑽が彼らをこの様な高みに押し上げたのだ……
なぜか脳内で魔物の森で活躍中な覚悟の決まった騎士爵三男さま(大好きです、作者様すみません)の様な声が再生されました。誰だよ?お前。そして何様だよ、お前!
そして。この初参戦で私は推しとファンとで創り出される優しい世界に魅了されたのです。
年末。絶不調の中で再度の参戦です。始まる前に想いました。ぼろぼろで消し炭すら残っていない空っぽの私。果たしてライブを楽しめるのだろうか、と。
杞憂でした。やはり優しい世界が広がっていたのです。
まずは世代を超えたファンの交流。
会場はそれなりに年齢層が高い中、ぽつりぽつりと若い方が。そうです。周りを見渡すと意外に多い親子、祖父に孫、祖母に孫と思わしき組合せ。かくいう私も一人では心細いからと家族についてきて貰ったり。
「こっちだよ、ほらほら列に並ぼうよ。勝手に行かないで」
「すまないねえ、はなさん。しっかりした家族がいてわたしゃ幸せ者だよ」
「そういう小芝居はいいから。」
などと言われながら同じ様に孫や子に足元を気遣われながら階段を登る年配の方の様子にほっこりします。
前列にお母さんと小学生の男の子がいました。ノリノリのママに対して遠慮がちに拳を振る男の子が実に可愛らしかったり。
かと思うと。若いお嬢さんが一人で参戦。彼女は私の最推しのSKさんを熱心にオペラグラスで追っていました。わかるわ〜SKさん相変わらず美声で渋くてかっこいいもの。まあ、お嬢さんお目が高いわねえとニタニタしていた謎のオバサンは私です。
次は年配のファンに優しい年配の推し。
MCに入ります。すかさず「さあ、座って座って」と着席を勧める推しのSKZさん。未だ嘗て着席を勧められるライブってあっただろうか。経年劣化が激しいファンには実にありがたいお言葉に甘えて座ります。なお古希の推し達は立ったまま。凄すぎる。
会場もそんな緩い推しに感化されてか演奏中に座っていても「ちっ。ノリが悪いな。」みたいな圧力が感じられない。後ろの座席という事もあるけど本当に助かる。少し前の席で年配の女性の方がずっと座ってひたむきに推しの演奏を聴いていらっしゃった姿が印象的でした。
次。何回行っても飽きないセトリ。
何十年も活動していて持ち歌は軽く100曲は越えている推し。新しい曲もあるし昔の知らない曲もあって新鮮です。
名作アニメ銀河鉄道〜の主題歌の時は一緒にいない家族に聞かせたかったな。少年を奮い立たせる歌詞が心に響くのです。今思うと男の子のママもこの曲を聞かせたくて連れてったのかもしれない。
ライブで999って機械化人間に狩られる運命(666)をひっくり返す数字だったんだと今更ながらに気がついてウォーっとなる私。TKさんの読み込みが凄い。そして松本零士先生の偉大さを改めて感じました。
次回紅白出る時はこういう歌を歌わせてあげてよ、NHKさん。名曲がたくさんあるよ?
次は歌詞が心にしみる。
初参戦で大好きな名曲がSKZさんのボーカルで始まった時は思わずワ〜っと叫んだ後に涙がでました。年をとって理解の解像度が深まったのか歌詞の一つ一つが心にくるのです。日本語が美しい。以前よりも断然表現力の増したボーカル、ハーモニーで歌われると尚更です。
若い時は青臭いなと生意気にも思っていたけど今は一周回ってもの凄く良い。平和だった昭和後半平成と違って世相が不穏になっている分、自分事のように伝わるのです。二回目のライブも最後の曲がTKさんの想いが籠もった声で歌い上げられて涙がでた。若い時と違って孤独も挫折も落ち込みも味わった今、そうだよね少なくとも心の持ち様は変えられるよね、頑張ろうと心から思えるのです。
ただ、ステージを走り回るTKさんが転びやしないかとひやひやしたけど。だって後数年で後期高齢者だし。因みに感動でライブが終わっても泣きながら抱き合っているファンの方の側をそ〜っと通った直後に盛大にコケたのは私です。
終わった時は心に炎が灯されて明日も頑張ろうという気持ちになって家族と帰ったのでした。推し、元気をくれて本当にありがとう!
緩くてでも熱くて。からっと明るくて元気にさせてくれる推し達が大好きです。それ以上に推しとファンとで創り出される優しい世界に私は惹かれるのです。
SKZさんの歌の通り、どんなに辛くても好きを捨てられず好きを貫き夢を追い続けた推し達。本当にファンの為にずっと歌い続けた推し達。
いつまでかわからないけど推し達が歌い続ける限り私も聞き続けて行きたいと思う。
やっぱり推し活って素敵。
最後までお読み頂きありがとうございます。
蛇足ですがSKZさんの歌はMusician 2014で検索すると出てきます。