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妖たちの頼み事  作者: 宙音
一章 中学編

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十三話 正夢になる

ここ最近変な夢を見る。最初はよく見る普通の夢だったが、途中から不穏な感じになってきて最近眠るのが少し億劫になってきた。だが眠らなければ体力が持たない。だからいつもあの夢見ないことを願いながら眠りにつく。今日も夢を見た。あの夢だ。


悠月は学校に居る。教室で普通に授業を受けていた。授業中に眠ってしまったようだ。ヤバい、やってしまったと思い顔をあげると、先生が埴輪のようなお面を着けていた。悠月は困惑した。昨日まで見てた夢では着けていなかったはずだ。なのになぜ、と思って周りを見ると殆どの人がいろんなお面を着けていた。その中でも着けていなかったのが悠月の親友である伊籐和馬と喜田村秋人である。もちろん悠月も着けていない。なぜ親友2人は着けていなかったのか疑問に思い考えていると、お面を着けている人たち全員が悠月の方を向いた。


悠月は恐怖を感じ目を固く閉じ、夢なら覚めろと何度も念じた。暫く念じていたが、夢から覚めた感覚がなかった。悠月は恐る恐る目を開いた。すると場所が変わっていた。場所は、一階にある使用されていない教室の前だった。この教室は昔は使用されていたらしいが、今では物置部屋のようになっている。周りを見ても誰もおらず、悠月は意を決し教室の扉に手を掛けた。


扉を開け中に入るが何もなかった。物が多いが普通の教室に見える。すると、ガタッと物音がした。ここには誰もいないはずなのにだ。物音がした方を向くと、お面が浮いていた。泥眼の面だ。普通の面よりだいぶ年季の入ったような色をしていることで、より一層恐怖を感じる。


そのお面から声が聞こえる。何かを言っている。


「か・・せ・・・かえ・・・私を・・・・・かえせ」


途中、途切れて聞き取れなかった所があった。悠月はもう一度聞こうとしたがお面が涙を流していた。声からは怒りを感じる。悠月はそんな面を見て手を伸ばした。面までもう少しという所で目が覚めた。


時刻は朝6時29分だった。目覚ましが鳴る一分前に起きたようだ。

悠月は、嫌な予感がした。胸がザワザワしてきて落ち着かせようと深呼吸をした。すると目覚ましがなり、悠月は目覚まし時計を止めリビングに向かった。


朝食を食べ終わり、身支度を済ませ家を出た。学校に向かう間、今朝見た夢の事を思い出した。やはり嫌な感じがした。帰ったら念のためいくつかお札を作っておこうと決めた。

学校に着き教室に入ると、和馬と秋人が挨拶してきた。


「お!悠月おはよう!」

「おはよー!」

「ははっ!おはよう。朝から元気だな、お前ら」


そんな他愛もない話をしていると、先生が入ってきた。悠月たちは直ぐに自分たちの席に着いた。そして朝のHRが始まった。



昼休みになり、悠月は和馬と秋人に今朝見た夢の事を話した。


「っていう夢を見たんだよ」

「いや、怖すぎ!!なんて夢を見てんだお前は!!夜一人で風呂とか行けなくなる!!」

「だから、今朝少し顔色悪かったんだな・・・しかも、ここ最近同じ夢見るとか怖すぎだろ!」

「それは俺も思った。けど、嫌な予感がずっとしてて気が気じゃないんだよ・・・」


そう言った悠月に労りの言葉を掛けた2人だった。

そんな話をしていたらチャイムが鳴り悠月たちは急いで教室に戻った。その後は何事もなく進み、放課後になった。悠月は今朝見た夢を思い出し、あの教室に赴いた。教室の前に立ち扉に手を掛けたが当然鍵が掛かっていたため開かなかった。今日は諦めて帰ることにした悠月は家に帰り札を作った。明日何もないことを願いながら就寝した。




夢を見た。昨日と同じ夢だ。相変わらず先生や秋人と和馬以外の人たちはお面を着けている。その後場面が変わり、例の教室の中に入った。物音がして振り向くとあのお面が浮いていた。少しお面の形も変わっているようだ。すると、お面から言葉が聞こえる。今度はハッキリと聞こえた。


「かえせ・・・かえせ・・・私を元の場所にかえせ!!!!」

「うわあああああああ!!!!!」


悠月は叫びながら飛び起きた。夢だったことに安堵した。時計を見ると時刻は昨日と同じ時間だった。

家を出たが、今朝の夢を思い出したせいで顔色がより一層悪くなってしまった。

教室に着くと和馬と秋人が声を掛けた。が、悠月の顔を見た瞬間2人は駆け寄り心配した。


「おい、悠月大丈夫か?顔色悪いぞ」

「ああ、いや多分今朝見た夢のせいだな」

「それって昨日の夢の事か?」

「いや、それの進化版・・・」


2人は頭を捻ったが悠月が今朝見た夢を詳しく話すと2人の顔がどんどん青ざめていった。すると、先生が入ってきた。悠月は2人に戻るよう促した。2人が青ざめていきながら席に戻っていったの見た悠月は後で謝ろうと決意した。


その後は順調に進んでいたが、6時限目になり授業が始まった瞬間。先生が急に倒れた。悠月が驚いていると、隣の席の人も前や後ろにいる人たち全員倒れた。倒れていないのは悠月と和馬と秋人だった。

突然の事で頭が混乱し動けなかったが、真っ先に秋人が動き2人に声を掛けた。


「おい!しっかりしろ!」

「なんだ?何が起こったんだ?」

「分からないけど、今は呆けてる場合じゃねえ。俺は職員室に行ってくる。2人は先生と皆に声を掛けてくれ!」

「わ、わかった!」


そうして秋人が職員室に向かっていき、残った二人は先生やクラスメイトに声を掛け、介抱していた。

5分程経ったとき秋人が戻ってきた。秋人が言うには職員室もダメで他のクラスや学年を見に行ったが全員倒れているらしい。


なぜこんなことになったのか改めて考えると、あることを思い出した。それはあの夢の内容だった。あの夢では悠月たちはお面を着けていなかった。だが、他の人は着けていた。もしや、あの泥眼のお面の仕業じゃないかと思った悠月は、2人に事情を話し一緒に職員室まで行きあの教室の鍵を取り、鍵を開け中に入った。


すると中はどんよりしていて空気が重い。まるで鉛を背負っているかのようだ。体も重く感じる。2人も同じようだった。すると夢で見たお面が教室の真ん中で浮いていた。3人は驚き叫んだ。

お面が何か呟いていることに気付いた悠月は耳を済ませよく聞いた。


「かえせ・・・かえせ・・・私を元の場所にかえせえええええ!!!!!」

「「「う、うわあああああああああ!!!!!」」」


3人は慌てて教室を出た。そして鍵を閉めた。扉からガンガンッと音が鳴っている。悠月はすかさずお札を扉に貼った。すると、音は聞こえなくなった。悠月はホッとしたが、2人は未だに震えている。なぜかと言えば今朝悠月が話した夢の内容と同じだった事とお面が浮いてる上に話していたのだ。無理もないだろう。


悠月は2人を宥め、何とか落ち着かせる事が出来た。悠月は2人に断りを入れながら頼みごとをした。


「悪い二人とも。まだ怖いと思うが少し手伝ってほしいんだ」

「何だ?何を手伝えって?」

「この学校の敷地内の何処かに祠かもしくは、普段そこに無い筈の物を見つけてほしいんだ」

「無い筈の物って例えば?」

「そうだな。それこそ祠とか。うちの学校に祠があるなんて聞いたことないだろう?」

「なるほどな。分かった。探すの手伝うよ。な?秋人」

「お、おう!ま、任せとけ!!」


秋人は怖いと思っているのが目に見えていて悠月は無理しなくてもいいと伝えたが、意地でも手伝うらしく悠月は了承し、2人に探索してほしい場所を言った。それぞれの配置を決めた悠月たちはそれぞれ探索を始めたのだった。

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