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眠るベッドに飴が降る

作者: 空澄叶人



ザーザーパチパチ、

パチパチザーザー。

飴が降る音で目が覚めた。

スポンジケーキの上で寝ていた、

あたし。

ベッドをちょっとちぎってお口に入れる。

うん、甘い。



飴戸を開けると、

やっぱり外はどしゃ飴だ。

やったやったと家を飛び出し、

チョコレート上を走り出す。

今日という日は、

奇跡的な、

どしゃ飴です。



大通りに行くと、

ビスケットがクリーム挟んで、

くるくる回りながら走ってる。

飴にぱちぱち当たりながら、

チョコレートの上を、

くるくるくるり。

一生懸命走ってる。

あたしも挟んでもらいました。



くるくる、くるくる、

くるくるくるり。

あたしの目がぐるぐる回る。

ビスケットはこのまま、

ブルーハワイのあられ菓子を目指して、

コロコロ、コロコロ、

コロガッテイキマス。

さあ、ついたぞ、やった。



ビスケットから飛び降りて、

あられ菓子の上をじゃりじゃり歩く。

たまにあられを掴んで、

お口でもしゃもしゃ頬張る。

うん、甘い。

ブルーハワイの波打ち際に、

ミカンと洋梨が遊びに来てた。

ブルーハワイを一緒に泳いで大冒険。

世界の謎を、

ぜんぶ食べてしまえ!

競走だよ。



もうお腹いっぱいだよ。

パチパチ、ザーザー、

ザーザー、パチパチ、

今度はコーヒーの飴が降ってきた。

そろそろお別れの時間。

甘い夢に苦味が差す頃に、

あたしは大きく手を振った。

ミカン、洋梨、ブルーハワイ!

あたし、また遊びに来るからね。

涙の味までどこまでも、

どこまでも深い深い甘い夢の中。



遠く、

遠く遠く、

ずっと遠く、

遠くに、

飴上がりのバームクーヘンが立っている。

お砂糖散りばめキラキラ綺麗。

甘いことが起こりそうな予感。

幸せの予兆なのでした。


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