第四幕 変態が人間を止めた日
閉じ込められてから魔力の回復を完全におえるまでまつのに10時間はかかっただろうか。
「おっきいほうがいいにきまってるでしょ」
「ナニいってるんですか!?貧乳こそ至高!あのないちっぱいこそが欲情をそそらせる唯一の鍵なのですよ!」
「意味が分からないわ。男って乳と尻しかみてないってきいたけど本当なのね」
「太もももあるんやで、二の腕もええな、足首も」
「ゾンビよりきっしょくわるいわぁ・・・ほんとうあんたサイってーね」
「ゾクゾクするぅ!ひゅぅー!」
ちっぱいであれば愛里はもろどすとらいくなのであるがグラマラスなボディなためNGである。
「顔は悪くないだけに残念だなぁ・・・本当残念・・・」
「残念なのはあなたでしょうどう常識的に考えても」
俺はキメポーズをしながらこう言った。
「我々の業界ではご褒美でございます」
「はぁ・・・なんなのよまったく」
「とりあえずここからでる方法を考えましょう」
通気口のダクトがあるそこをとおって外にでることをすすめた。
オフィスの家具をかさねてのぼる。
「あんたさきにいきなさいよ」
「へいへい」
狭いダクトを這いずり回り光がさす方向へとすすんでいく。
換気扇があったのでけり落して外にでた。
「うわっ」
とたんにおそってくるゾンビ化したカラスの魔獣マカラス達に遭遇した。
四次元マントから課金でかったスネカジリマチェットを取り出し蹴散らす。
殴るたびに<たかし>という声が聞こえる謎のマチェットだ。運営の遊び心だろう。
「カラスに目をつつかれそうになったよあぶなかった」
「カラスから魔石をひろいなさいよ」
「え?魔石ドロップすんのか?ラッキー」
アイテム<魔石><風化したカラスの羽根>を取得。
遅れて眼下左側にあるチャットに表示された。
<腐ったマカラスの肉>はいらないな。と思ったが一応しまっておこう、マントへと収納する。
周囲を見渡すことにした。
こいつぁラッキーだぜ銃砲店があるじゃねえか!現実とちがってこの世界にはわりと多くありそうだな。
閉じたシャッターをあけて中にはいる。
「ベレッタがあるじゃねえかちょうどいい」
「やめときなさい。それは魔銃よ。魔力の消耗が激しいの実弾系にしておいたほうがいいわ」
「消音機能のついてるUSPなんていいんじゃないかしら」
「ほ、ほう中々渋いチョイスをするねぇおじょうさん」
「ほら、受け取りなさい」
「おっとっと」
落としそうになりながらもサイレンサーつきの9mmUSPを手にいれた。
<風化したマカラスの羽根>と<魔石>でアップグレードしますか?
⇒YES NO
YESを選択した。
<ステータスSTRとAGIが向上します>
「おぉなにかがみなぎってくるのをかんじる!」
「あなたもしかして装飾強化ができるの!?」
「え?なんか勝手にできたけど」
「勝手にってどういうことよ?」
勝手にでてきてYESを押したらできたのだよくわからん。
「まぁおれくらいになると感覚でできるのよ」
「変態のくせに凄い所あるじゃない」
「ありがとう嬉しいよ罵倒ほど気持ちのいいことはない」
「褒めて損したわ」
二人ともサイレンサーのついた拳銃を手に入れたので道路を横断してスーパーにいくことにした。
ピストルで鍵を壊して入る。
「うわぁ~みてみてキレイな服!」
なかなかゴージャスなつくりでブランドっぽい服がいくつか陳列されていた。
「君にはかなわないけどなかなかゴージャスな服だね」
「それって誉め言葉?まぁ素直にうけとっておくけどゴージャスっていわれても微妙ね」
「これなんてにあうんじゃないかな」
「どこでみつけてきたのよそれ!」
革でつくられたボンテージをおすすめした。鞭があればなおよし。
るんるんと気分のうわついた感じの愛里は子供のように無邪気で可愛かった。
「ふむ、悪くないな」
「なにきてんのよ変態」
女王様の気分をあじわってみようとおもってボンテージをきてみたのだが中々どうして
これで責められたら背徳感マシマシでたまらんだろうな。
「けつにくいこむのがきになるなぁ」
「もっこりみせないでよ!変態っ!」
「いやだなぁもっとみてくださいよ・・・」
「近づかないでっ!」
ずいっずいっと近寄る。
サイレンサーのついた銃から玉の下を弾がかすめるように飛んで行った。
「あぁ~ゾクゾクするぅ~もっともっとみなさいよ!!」
「いやぁああああああああ」
「ちょっと大声だすとよくない・・・って!」
はぐれゴブリンのゾンビが群れで現れた。
素早い!うえに小さい!
「頭を狙うのよ!」
「もちのろん!」
弾倉がからになるまで撃ち続ける。
「愛里!」
はぐれゴブリンに噛まれた愛里は痛そうにしながらも腕にくいつくゴブリンの頭蓋骨に撃ち込んだ。
「くっ・・・こんなところで・・・しにたくない・・・!」
崩れ落ちる愛里の表情は絶望にそまっていた。
「カカカ・・・わらわの眷属となったことを忘れたのか?」
陰からあらわれた幼女女帝様はマントをひるめかせながら愛里にちかより囁いた。
「どういうこと・・・?」
「喰種となったあなたはもうゾンビにはならないのよ」
「しぬよりかはマシね・・・あんたの奴隷になるのね」
「カカカ。眷属にするということは僕にすることではるがイコール奴隷というわけではない」
「そこの雄もよければ僕にしてやるぞ」
「俺は喜んでなりたいところだが喰種になるのは抵抗あるのでやめとくよ」
「そうか、そうか」
かぶりと血を吸われる勝。
「いや、ちょっとなりたくないって・・・」
「関係あるまい、わらわの僕になるのだ」
俺はその日、人間を止めた――。