親友であり、
「これがりんごで、これがオレンジ、あとはミルクと、温かくさせる為のスープだ。ほらよ、ルイス」
「すまない、ニコ……」
「謝るなよルイス!困ったときはお互い様だろ?」
「……それもそうだな。」
ニコとフローラが来ているのはティズモニア城。
一般市民は気軽には入れないのに、ニコたちは常にフラッと立ち寄っている。
ティズモニア国の王子、ルイスと親友だからだ。
いくら門番が侵入を阻止しようとしても、彼がそれを拒否して迎え入れるのだ。
秋になり、朝と夜だけ冷たい風が肌をなでているこの時期、ルイスは体調を崩してしまい、暫く自室のベッドに横になっている。
「お前もそろそろ、衣替えをした方がいいと思うぞ。」
ルイスは呆れたような笑みでニコの格好を見る。
ルイスが長袖のシャツに対し、ニコはノースリーブの青の薄っぺらい服だ。
見ているだけでも風邪を引いてしまいそうだ。
「まだ昼間は暑いだろ~!それに俺、いっぱい動くからさ!」
「そんなこと言って、気づけば冬でもその服で生活するんじゃないのか?」
「ンなわけないだろ!俺もさすがに風邪引くって!」
二人で他愛もない話をして笑っている中、部屋の外でフローラが佇んでいた。
「ルイス様……」