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T's Blessing  作者: 美杏華藍綺-Bianka Maki-
2/5

親友であり、

「これがりんごで、これがオレンジ、あとはミルクと、温かくさせる為のスープだ。ほらよ、ルイス」

「すまない、ニコ……」

「謝るなよルイス!困ったときはお互い様だろ?」

「……それもそうだな。」

 

 ニコとフローラが来ているのはティズモニア城。

 一般市民は気軽には入れないのに、ニコたちは常にフラッと立ち寄っている。

 ティズモニア国の王子、ルイスと親友だからだ。

 いくら門番が侵入を阻止しようとしても、彼がそれを拒否して迎え入れるのだ。


 秋になり、朝と夜だけ冷たい風が肌をなでているこの時期、ルイスは体調を崩してしまい、暫く自室のベッドに横になっている。


「お前もそろそろ、衣替えをした方がいいと思うぞ。」

ルイスは呆れたような笑みでニコの格好を見る。

ルイスが長袖のシャツに対し、ニコはノースリーブの青の薄っぺらい服だ。

見ているだけでも風邪を引いてしまいそうだ。

「まだ昼間は暑いだろ~!それに俺、いっぱい動くからさ!」

「そんなこと言って、気づけば冬でもその服で生活するんじゃないのか?」

「ンなわけないだろ!俺もさすがに風邪引くって!」 

二人で他愛もない話をして笑っている中、部屋の外でフローラが佇んでいた。


「ルイス様……」

 

 

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