ノリノリDJ闇に叫ぶ
ダンサブルに行くぜい。
「Hey!今日も陽気なDJっ!MOOがアツいミュージックシーンをご案内だZっ!」
DJ MOOはいつものように、リスナーの葉書を掴んだ。
「じゃ、葉書のご紹介っ!はんなり市の闇宵さんからMOOさん、こんばんは。オゥグッナイトベイベー。私はDJ MOOさんの大ファンです。オーセンキュー、ボクも君のこと愛してるZっ!・・・本当ですか・・・ん、ああ、すいません。ところでMOOさん、昨日の家族サービスは素敵でした・・・?・・・でも、いちファンとして、正直そういう姿は見たくないというか、夢が壊れるというかDJ MOOは、クールでミステリアスじゃないと・・・OKっ!DJ MOOはクールでナイスガイだYONE!・・・そういう強がりも素敵です。本当は私がいけないんですよね。ついMOOさんのことが気になって、追っかけ回しちゃって・・・でも、この気持ち押さえられないんです。あなたのその姿、顔、かわいい寝顔・・・そして、どれをとっても・・・オーソーリーっ!この葉書はここまでだZ」
DJ MOO は震える手で葉書を置いた。
「じゃ、気を取り直して次の葉書だZ」
コンコンとブースを叩く音がする。
DJ MOOは窓を見た。
両手に無数の葉書を持ち、口角歪む女性がいる。
目が合う。
彼女は肩を揺らし、窓に張り付くと、口を動かした。
「ア・イ・シ・テ・ル」
彼は目を逸らす。
瞬間。
振り下ろす包丁、窓ガラスが粉微塵に割れた。
「ふふふ、やっと会えた」
女は両手に包丁を持ち構える。
DJ MOOは手でそれを制し、ミキサーターンテーブルを操作しスクラッチする。
「それでは、今夜最後の曲EZDEDAM00っ!」
時刻は0時を回った。
EZ DED AM00