第46話 巨大迷路
地下十九階にて俺たちは巨大迷路のような入り組んだ地形に迷い込んでしまっていた。
「困りましたわ。完全に迷いましたわね」
「さっきここ通ったよなぁ、多分」
もうかれこれ一時間ほど見覚えのある場所をぐるぐると回っている。
いっそのこと壁を破壊して進んでしまおうかとも考えたのだがそんなことをしたらマリアに怪しまれてしまう。
俺はあくまでレベル99の設定なのだから、人間離れした行動は慎まないといけない。
「喉が渇いただろ。ほら」
「あ、ありがとうございます。真琴様」
俺はミネラルウォーターを二本取り出すと一本をマリアに手渡した。
ごくごくごく……。
俺たちは一旦立ち止まると喉を潤しながら考える。
「どうすればいいのでしょう。もしかしてわたくしたちもう一生ここから出られないなんてこと……」
「方法はある」
「えっ、本当ですの?」
「ああ。かなり時間がかかる方法だけどこの際仕方ないな」
「それは一体どんな方法ですの?」
「それはな……」
☆ ☆ ☆
「たしかにこれならいつかは抜け出せますけど面倒くさいですわね」
「他に方法があるなら聞いてやるぞ」
「……ないですけれど」
「じゃあつべこべ言わず歩くんだな」
俺たちは迷路のような通路の壁に左手をくっつけながら歩いていた。
この方法なら時間はかかるが必ずいつかは出られる。
「こんなことをしていたらほかのプレイヤーの方たちに先を越されてしまいますわ」
とマリアは言うがそもそもお前がいなければ俺はこんな壁破壊しながら突破できるんだぞ、と言ってやりたい。
どれだけの時間そうやって歩いただろうか、
「……」
「……」
「……」
突き当たりの通路の右側から人の話し声と地面を歩く足音が聞こえてきた。
「誰かいますわよっ」
「ああ、近いな」
ほかのプレイヤーだろう。
こっちに近付いてきているようだ。
五メートル……三メートル……一メートル……。
段々と足音は大きくなってくる。
そして次の瞬間右の通路から現れたのは――
「えっ!? 佐倉さんっ?」
「佐倉じゃんかっ!」
「佐倉っ……!?」
「佐倉さんっ」
「あっ、お前たちっ」
七か月ぶりに見るチーム閃光の紅蓮団の四人だった。
『ダンジョン・ニート・ダンジョン ~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~』
という小説も書いているのでとりあえずブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m




