第273話 ジェネラルロード
恐れる山のダンジョン地下九十九階。
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メドューサクイーン――メドューサの最上位種。目が合うと石化させられてしまう。魔法は一切効かず弱点はない。
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悪魔の霧――物理攻撃と魔法攻撃が一切効かない霧状の魔物。その霧を吸い込むと猛毒をくらい十秒で死に至る。弱点はない。
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インフィニティスライム――スライムの最上位種。圧倒的なまでの防御力と素早さを誇る魔物。即死魔法と蘇生魔法が使える。弱点はない。
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襲い来るメドューサクイーンの顔面を全力で殴りふっ飛ばすと悪魔の霧とインフィニティスライムは無視して地下九十九階フロアを駆け抜ける。
魔物の猛追を振り切り階下への階段をみつけた俺はすぐさまそこに向かって飛び下りた。
☆ ☆ ☆
恐れる山のダンジョン地下百階フロアは一つの大きな空間だった。
そしてそこには一体の魔物が堂々たる姿で立ちつくしていた。
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ジェネラルロード――恐れる山のダンジョンのボス。全魔物の中で最も最大HPとみのまもりが高く魔法攻撃が一切効かない耐久力に非常に優れた魔物。回復魔法で自身のHPを回復することもできる。弱点はない。
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「ジェネラルロード……こいつがボスか」
『エデンノニンゲンゴトキガ、ワレノスミカニドソクデアシヲフミイレルトハ……イイドキョウダ』
「うおっ、こいつ喋れるのか……?」
体長二メートルほどのジェネラルロードは真っ黒い瞳で俺を見据えると口を開いた。
『ニンゲンヨ、ナニシニココヘキタ? マサカ、ワレヲタオシニキタトイウツモリデハ、ナイダロウナ』
「そのつもりだ。しいて言えば用があるのはお前じゃなくて邪神バアラとかいう奴だけどな」
『バアラサマダト……? フッフッフ、オロカナニンゲンヨ。キサマハイマココデ……シヌノダッ!』
そう言うとジェネラルロードは剣を持った腕を振り上げ俺に飛びかかってきた。
『ハアァッ!』
「ぐっ、このっ」
俺はジェネラルロードの腕を掴んで攻撃を止めるともう片方の手でジェネラルロードの腹を殴る。
『グハァッ……』
一瞬体がくの字に折れ曲がるもジェネラルロードはすぐ飛び退いた。
『キ、キサマ、ナニモノダッ?』
ジェネラルロードは手で腹を押さえながら口にする。
青白い光が手から出てジェネラルロードの体を覆っている。
おそらく回復魔法を施しているのだろう。
「お前を倒して向こうの世界とやらに行って邪神バアラを倒す者だっ」
『クッ、フザケタコトヲ……サセルカッ!』
ジェネラルロードは手を俺に向けて火炎魔法を繰り出した。
ランク10相当の大きな炎の玉が俺にぶつかる。
『フッフッフ、ドウダニンゲンヨ……コレデ――』
「そんな魔法が俺に効くかっ」
俺は燃え盛る炎の中から飛び出るとジェネラルロードの顔面を思いきり打ち抜いた。
『ブオォッ……!?』
「まだまだっ」
俺はジェネラルロードに回復魔法を使わせる隙も与えずパンチの連打を浴びせていく。
「これで終わりだっ!」
『グアァッ……!』
全身全霊で放った右ストレートがジェネラルロードの心臓部分を貫いた。
腕を引き抜くとジェネラルロードは胸の風穴から赤黒い血を噴き出しどさっと地面にうつ伏せになって倒れる。
『バ、バカナッ……ニンゲンゴトキニ、ワレガマケルハズハ……』
地面に横たわったジェネラルロードが口から血を吐きながら力なく声を出した。
そんなジェネラルロードを見下ろしつつ、
「さて、どうやったら向こうの世界とやらに行けるんだ? お前が死んだらどこかにゲートでも開くのか?」
俺は無駄かもしれないが一応訊いてみる。
『グッ……ワ、ワレノマケノヨウダナ……ダガ、タダデハシナン……キサマヲバアラサマニアワセルワケニハイカナイ……キオクヲケシテヤルッ』
ジェネラルロードがそうつぶやいた瞬間だった。
俺の体が一瞬強く光った。
「うあっ!?」
そしてジェネラルロードが消滅したかと思うと宙に黒い渦が現れた。
その黒い渦はブラックホールのように周りの空気を吸い込んでいく。
それは俺も例外ではなく、
「な、なんだっ……!?」
直後俺も黒い渦の中へと吸い込まれてしまったのだった。
『ダンジョン・ニート・ダンジョン ~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~』
という小説も書いているのでとりあえずブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m




